バイクに乗っている人の中には、
「バイクが大好きで上手くなりたいけど街中だと思いっきり走れない…」
「もっとライテクを磨きたい!
なんて人もいると思います。そんな人はぜひサーキットを走ってみてはいかがでしょうか?
本記事では、全日本選手権フル参戦をした筆者の経験を元に、サーキット走行に必要な情報をご紹介しています。
具体的には、
- サーキット走行の種類
- サーキット走行のメリットやデメリット
- サーキット走行に必要なものや費用について
- サーキットでの走り方
- 万が一の時の備え
といった感じで幅広く紹介しています。
本記事を読み終える頃にはサーキット走行を始めるときに必要な知識を頭に入れることができるようになっています。
また、各章ごとにさらに詳しく知りたい人に向けて細かく記事を掲載していますので、サーキット走行の入門書のような感じで有効活用していただければと思います。
サーキットとは
もうご存知かもしれませんが、まずはサーキットとはどのようなところなのか改めてご紹介させていただきます。
サーキットとは、モータースポーツを行う競技施設のこと。
専用に設けられた道路を走行することができ、制限速度もありませんので、バイクの本来持っている能力をフルに引き出すことができます。
ちなみにレース以外にもマラソン大会など様々なイベントもおこなわれています。大きなサーキットだとイベントの会場として使われることもあります。
サーキットで走行用バイクの種類
サーキット走行をするバイクは、
- 市販車ベースの改造車両
- レーサー専用車両
の2種類に分けられます。
文字通り市販車ベースの改造車両は市販のバイクをサーキット走行用に改造して作られています。ナンバー付きの車両はもちろん、ホンダのCBRシリーズやヤマハのYZFシリーズもこの類になります。
また、レーサー専用車両はサーキット走行に特化して製作されたバイクとなります。MOTOGPのバイクはレースに特化されて開発されたたバイクですので、こちらに分類されます。
サーキット走行の種類
一言でサーキット走行と言っても、様々な種類があります。
- 体験走行会
- イベントの走行会
- ライディングスクール
- スポーツ走行
- 参加型レース
- 公認レース
下に行けば行くほど参加ハードルが高くなり、レベルも金銭的負担も大きくなります。また、サーキットのライセンスやMFJなどの競技会ライセンスなども必要になります。
また、サーキット走行をするからといって、早く走らないといけないというわけではありません。サーキット走行は各々が自分の目標をもって自分のペースで走行している人もいますし、そういう人も大歓迎です。
順番に解説していきますので、自分がどのレベルでサーキット走行したいかを検討してみてください。
①体験走行会
バイクショップやサーキットがイベントとして行っている走行会で、最も参加ハードルが低いサーキット走行です。
ライセンスが不要で走行中は追い抜き禁止で先導車が引っ張ってくれるケースが多いようです。
また、本格的なレーシングスーツも不要で、ツーリングに出かけるような格好でサーキットを走ることができます。
先導車に有名なライダーを起用しているショップも少なくないため、プロライダーに関わるチャンスに巡り合うかもしれません。
参加料金は数千円〜2万円程度が相場です。
ちなみに鈴鹿サーキットの国際レーシングコースの体験走行もあります。
料金は14,500円と少々高めですが、F1や8耐で使われるコースを走ることができ、さらにインストラクターの1日レッスンも付いています。
②イベントの走行会
こちらもバイクショップやサーキットが企画するイベントのサーキット走行です。
レーシングスーツやグローブなどを着用し、貸切のサーキットを自由に走行するため、もちろん追い抜きも可能。貸切でライセンスも不要なので、気軽に自分のペースでサーキット走行が楽しめます。
また、初心者が安心して参加できるように細かくクラス分けがされているため、サーキットを走ってみたいと考え始めた人はまずこの走行会から、という人も多いようです。
サーキットを1日貸し切って行われることが多いため、参加人数が大きれば多いほど料金が安くなることもありますが、大体の相場は1〜3万円程となります。
③ライディングスクール
サーキットが主催している本格的なライディングスクールです。
参加者のレベルによって細かくクラス分けがされており、講師の方が1日付き添って教えてくれます。
参加料金は2万円〜が相場となります。少し高いと感じるかもしれませんが、講師のレッスン付きでサーキットを自由に走れるので、コスパが高いサーキット走行です。
④スポーツ走行
サーキットが営業日に行っている本格的なスポーツ走行です。走行するサーキットの講習を受け、ライセンスを手に入れなければ走行することができません。
地方選手権や全日本を戦うライダーもスポーツ走行で走ることが多いので、トップクラスのライダーの走りを間近で見られるのも大きな魅力です。
バイクの排気量やクラスによって走行枠が設けられており、大体の走行時間は1枠20〜30分となっています。
料金は1枠3,000〜4,000円が相場となっています。
⑤参加型レース
これまでご紹介したスポーツ走行は、サーキットの道路を自由に走行する形式でしたが、こちらはレース形式のサーキット走行です。
とはいえ参加型のレースですので、安全面を考慮してタイムアタック形式での順位決めがされることが多くなっています。
もちろんレースによっては本格的なレース形式のものもあります。
鈴鹿サーキットの参加型レース「FUN&RUN! 2-Wheels」の場合、タイムアタック形式だと11,500円、レース形式だと2万〜4万円(共済会加入が含まれる)となります。
⑥公認レース
地方選手権や全日本選手権が公認レースです。
本格的にサーキット走行からレース参戦を目指すのであれば、最終目標はやはりこちら。
地方選手権では獲得ポイントが付与され、一定の基準を満たせば国際大会にも参戦できる国際ライセンスへと昇格することができます。
サーキット走行のメリット
サーキット走行のメリットは、次の4つがあります。
- バイクの能力をフルに発揮させられる
- 安全に走行することができる
- 同じ目的を持つ仲間に出会える
- 人間的にも成長できる
①バイクの能力をフルに発揮させられる
サーキット走行の醍醐味といえるのが、「バイクの能力を惜しげもなく発揮させることができる」という点です。サーキット走行はもちろん渋滞も制限速度もありませんので。
ただし過信は禁物。くれぐれも自分の限界を超えることはしないように注意してください。
②安全に走行することができる
矛盾しているのではと思うかもしれませんが、サーキットは公道よりもずっと安全と言えます。
なぜかというと、サーキットはスピードを出して競争する施設のため、安全に対してとても真剣に向き合っているから。
セーフティーゾーンが広く取られていたり、コースアウトした際の砂場(グラベル)も深く、壁にはクッションやタイヤバリアなども備え付けられています。
オフィシャルと呼ばれるサーキットの運営スタッフもいますし、大きなサーキットだと医療スタッフも常駐しています。
そう考えるとい、公道よりも格段に安全な施設といえるでしょう。
③同じ目的を持つ仲間に出会える
バイクが好きという価値観やサーキットを早く走るという同じ目的を持つ人が集まるため、割と簡単に仲間が増えます。
知り合いが増えることにより、走行のアドバイスやセッティングのことなどもたくさん学ぶことができます。
④人間的にも成長できる
サーキット走行やレースは、参加する人間がルール・マナーをしっかり守ってこそ成り立つ世界です。一歩間違えると重大な事故にもつながるサーキットでは皆さん非常に紳士的。
ですので、サーキットにいると人間的にも成長できます。
サーキット走行のデメリット
逆にサーキット走行をのデメリットは、
- 危険
- お金がかかる
この2点に尽きます。
バイクはタイヤが2つしか付いていない乗り物ですので、転倒はつきものですし、サーキットを走行する限り事故のリスクもあります。
また、サーキット走行やレースはバイクという道具を使うスポーツですので、当然ながらお金が掛かります。
タイヤやガソリン代などん消耗品は定期的に購入しなければいけませんし、転倒すれば修理代もかかります。
サーキット走行に必要なもの
サーキットに必要なものをおおまかに分けると、次のようになります。
- バイク
- ライダーの装備品
- バイクを走らせるための備品
と3つに分けてそれぞれご紹介していきます。
①バイク
まず欠かすことができないものがバイク本体。形も性能も多種多様ですので、正直どれが良いのかわからないと思います。
初心者に向いている基準は、軽くて操作がしやすく、メンテナンスも最低限で済むバイクといえます。
最初は中古車でも十分ですが、サーキット走行する時は走行中に故障してしまわないようにしっかりメンテナンスしておく必要があります。
本格的にサーキット走行するならおすすめしたいバイク
本格的にサーキット走行するのなら、
- ホンダ・・・CBR250RR
- ヤマハ・・・YZF-R25
- カワサキ・・・Ninja250R
など、250ccクラスのバイクがおすすめです。
こちらでもサーキット用のおすすめバイクをご紹介しています。
サーキットでバイクはレンタルできないの?
「サーキットを走行したいけどバイクが無い…」そんな人でも大丈夫です。
サーキットによってはバイクがレンタルできるところも存在します。
例えば鈴鹿サーキット(三重県)やツインリンクもてぎ(栃木県)は、サーキット主催のライディングスクールの特典で国際レーシングコースが走行できるプログラムもあります。
また、ミニバイクコースでもバイクのレンタルサービスがあるところも増えてきました。
さらにそれだけではなく、装備品もレンタルしているところもあるため、近くにサーキットがあれば一度問い合わせてみることをおすすめします。
②ライダーの装備品
サーキット走行を安全に行うためには欠かすことができない装備品についてご紹介します。
まず揃えておきたいものは、以下のものがあります。
レーシングスーツ
いわゆる革ツナギってやつですね。様々なメーカーがあり、メーカーによって生地の硬さ、プロテクションの位置などが違ってきます。
もし転倒して破れてしまっても、メーカーに送れば修理してもらえます。また、バイク用品店などでもレーシングスーツの修理を行っているところもありますので、アフターサービス面については問題ありません。
そのため一度購入すれば体格が合う限り、半永久的に使えるとも考えられます。
また、レーシングスーツは以下の方法で販売されています。
- フルオーダー・・・身長や体格に合わせて作ってくれる
- セミオーダー・・・ベースとなるものからその人の腕や足の長さに調整してくれる
- つるし・・・サイズが決まっている
フルオーダーであれば自分の体に合わせて作ってくれるため、かなり着心地が良いのですが、オーダー品ということで、金額もそれなりにします。
反対に「つるし」だと完璧に自分の体に合うものは見つからない反面、価格はかなり抑えられます。
しかもサイズが決まっていますので、大手バイク用品販売サイト「Webike」でも購入できます。
ちなみにレーシングスーツは各メーカーごとにこだわりが違う(クシタニはかなり動きやすい・アトリエワンは革が厚めで安心感があるetc…)ため、様々なメーカーのものを試着させてもらうと良いかもしれません。
レーシンググローブ
バイクの操作をする手を保護するものであるため、プロテクション性はもちろん、動きやすさも重視したいところです。
特にサイズが合わないグローブを装着したまま走行すると、手の皮が向けたりマメができたりしてしまうため、自分の手のサイズにぴったり合うものを見つけましょう。
レーシングブーツ
転倒した際に地面とバイクとの間に挟まってしまうとかなり危険ですので、プロテクションがしっかり付いたものを選ぶようにしましょう。
また、つま先についているスライダーも消耗品ですので、予備を単体で購入して持っておくと良いでしょう。
ヘルメット
大切な頭を守ってくれるものであるため、しっかりしたメーカー品を選びましょう。
国内の主なヘルメットメーカーは以下の3メーカーですので、この中から選ぶ事をおすすめします。
さらにサーキット走行で使うヘルメットは、「MFJ公認」マークがついているものを選ぶことをおすすめします。※上記3メーカーのフルフェイスヘルメットのほとんどはMFJ公認マークが付いているため安心です。
インナースーツ
レーシングスーツを着たり脱いだるするのを楽にできるインナースーツ。
昔はツナギ式の薄いメッシュタイプが主流でしたが、最近はスポーツ用品店で売っているインナースーツを着用することがスタンダードとなっています。
さらにインナースーツによっては圧着率が高く、体の動きをサポートしてくれるものも存在します。
チェストプロテクター
転倒したときに胸部を守ってくれるプロテクターで、主に心臓周辺を保護してくれます。
厚さも様々ですが、安全面や付け心地を考えると、RSタイチなど レーシングスーツメーカーが製造しているものがおすすめですね。
脊椎パッド
転倒した際に背中を守ってくれるものとなります。転倒した時は場合によってバイクの下敷きになってしまったり背中から地面や壁に激突してしまうことだってありえるのです。
そのため、できれば厚手でしっかりしたメーカー品を購入しましょう。
ヘルメットリムーバー
転倒して意識を失った時などは、自分ではヘルメットを外せなくなりますので、救護者に外してもらわなければなりません。
しかも万が一首や頸椎を損傷しているときに無理にヘルメットを脱がせば重大なダメージを負わせてしまうかもしれません。
そんなときにヘルメットリムーバーを装着していれば、首に負担をかけずにヘルメットを脱がすことができます。
サーキット走行かいなどでは装着の義務はありませんが、レースや競技会に参加するライダーは必ず着用しなければいけません。
また、これがあればヘルメットの脱着をしても顔が擦れて痛くなりませんので、普段から使用しておく方がいいでしょう!
エアバッグベスト
最近普及してきたものがエアバッグベスト。転倒してバイクから体が離れると、バイクに繋いでいたワイヤーが外れ、エアバッグが作動します。
筆者はエアバッグベストを全日本選手権でも使用していました。
おすすめは無限電光(ヒットエアー)のレーシングタイプエアバッグベストです。
サイズも小さく、装着していても全く邪魔に感じません。
カラーバリエーションも多いため、自分のレーシングスーツやバイクの色に合わせて選ぶことができるのも嬉しところです。
③バイクを走らせるための備品
サーキットで思い切りバイクを走らせようと思ったら、次の備品もようしておくことをおすすめします。
- タイヤウォーマー
- 発電機
- スタンド
冬場など気温が低い時はタイヤが冷えてグリップ力が低しているため、転倒のリスクを軽減するためにタイヤウォーマーを用意しておきましょう。
またタイヤウォーマーを使うにはバイクを持ち上げる必要がありますので、専用のスタンドも必要です。
さらにタイヤウォーマーの電源用に発電機も必要すればベストです。
そのほかにも、サーキット走行で必要な備品についてはこちらでもご紹介しています。
サーキットを走らせるのであればバイクの整備も必須
サーキットで安心して走行するには、バイクの整備も欠かせません。
- タイヤの空気圧
- オイル漏れ対策
- ブレーキの整備
- エンジンオイルの交換
- ガソリンを入れる
- チェーンオイルを塗る
- テーピング
タイヤの空気圧
タイヤは適切な力で地面に押し付けられることによって性能を発揮します。
サーキット走行はタイヤに負荷がかかりやすく、あっという間に発熱してしまいます。
そのため、タイヤの内圧も上がってしまうため、走行前のタイヤと同じ内圧ではありません。
装着しているタイヤメーカーの指定空気圧を調べ、タイヤが発熱している時に指定の空気圧になるようにしましょう。
空気圧を管理するにはしっかりしたエアゲージを使用しましょう。
オイル漏れ対策
走行中にエンジンオイルが漏れては大変危険です。
オイル漏れ対策は3つあります。
- エンジンの下側にあるドレンボルトが緩んでいないかを確認し、ワイヤーでロックする
- ドレンワッシャーを新品に交換する
- アンダーカウルという受け皿を取り付ける
全て走行前に確認しておきましょう!
ブレーキの整備
サーキット走行となると街乗りとは比べ物にならないほどブレーキを酷使します。
そのため、走行前にブレーキパッドの減りを確認し、気になるようなら早めに交換しておきましょう。
エンジンオイルの交換
サーキットはエンジンを高回転に回して過酷な環境となるため、走行前にはエンジンオイルを交換しておきましょう。
ガソリンを入れる
現地のサーキットで購入することもできますが、毎回走行ごとに買うのも大変…事前に携行缶に入れて用意しておきましょう。
20Lの携行缶は意外と大きく持ち運ぶとなるとかなり面倒なんですよね…そんな時のおすすめは縦長タイプの携行缶となります。縦長タイプは車内のちょっとしたスペースに収まるため意外と重宝するんですよね!
チェーンにオイルを塗る
サーキット走行ではチェーンも高速回転するため、走行前にチェーンにオイルを塗っておきましょう。
オイルを塗ればチェーンの寿命が伸びる上にスプロケットの摩耗を防ぐことができます。
全体にかけると走行中に余分なオイルが飛び散ってしまうため、チェーンのつなぎ目から内部に浸透させるように塗るのがコツです。
テーピング
ヘッドライトやミラーがあるバイクは、割れた時に破片が飛散しないようにテープで覆いましょう。
また、サーキット走行ではガムテープと結束バンドを持っていくと万が一の時にかなり重宝します。
バイクをサーキットに運ぶトランポもあると便利
サーキットまでバイクで自走するのも良いですが、本格的にサーキット走行するのであればトランポにバイクを積んで行きたいところ。
トランポがあれば、
- 移動が楽
- サーキットで使用するものも運べる
- 中で着替えられる
- 寝泊まりもできる
といったメリットがあります。
サーキットが遠い時は移動だけで疲れるため、サーキットについた時にはもうヘトヘトなんてことも。
また、トランポがあれば車内で着替えたり、場合によっては車中泊に利用することもできるでしょう。
サーキット走行のルール・マナー
サーキット走行はルール・マナーが守られてこそ成り立つものです。
走行中の決まりごとやフラッグの種類、コースに入る時の決まりなど、安全のためにルールはたくさんありますが、どれも基本的なことですので、あまり気構えする必要はありません。
講習会や走行前のミーティングで再確認など、絶えずルールを再確認するように心がけましょう。
サーキット走行の費用
各サーキットによって様々ですが、サーキットのライセンス取得費用は50,000〜60,000円ほどとなり、基本的に1年ごとに更新する必要もあります。(更新費用は10,000〜30,000円ほどかかります)
走行費用はだいたい1枠30分走行で¥3,000〜となっています。
鈴鹿サーキットを走るにはいくらかかるの?
鈴鹿サーキットを例に計算してみましょう。
ナンバー付き車両限定のライセンスだと、
入会金 | ¥16,000~ |
---|---|
年会費 | ¥15,000~ |
共済会費 | ¥10,000~ |
合計 | ¥41,000- |
レース専用車両も走ることができる通常の走行ライセンスだと、
入会金 | ¥31,500- |
---|---|
年会費 | ¥15,000- |
共済会費 | ¥10,000- |
合計 | ¥56,500- |
1年更新で更新料は両ライセンスとも、
年会費 | ¥15,000- |
---|---|
共済会費 | ¥10,000- |
合計 | ¥25,000- |
となっています。
※走行費用は1グループで30分3,100円となっています。
サーキットの走り方
ここではサーキットの走り方についてご紹介していきます。
サーキット走行をより楽しくするために、サーキットの走行の基本テクニックを頭に入れておきましょう。
ブレーキング
バイクのライディングで一番難しくて奥が深いのがブレーキング。ライダーの技量が一番現れると言っても過言ではありません。
しっかり止まりたいからと言っていきなりブレーキレバーを握るのではなく、最初は地面にタイヤを押し付けるイメージで「ギュッ」とレバーを握り込むようにしましょう。
スロットルワーク
最初は大きなサーキットを走ると「どれだけアクセルを開ければいいか分からない」と思うのではないでしょうか?
スピード感に対しては「慣れ」の部分が大きいため、最初は焦らず自分が怖くないと感じる範囲で徐々に開けるようにしましょう。
コーナリング
サーキット走行の醍醐味でもあるのがコーナリング。ただし「えいやっ!」と突っ込むのではなく、余裕を持って怖くない速度でアプローチしていくようにしましょう。
バイクのセッティング
最近のバイクはよくできているため、もちろんそのままの状態でもサーキットを走ることができます。
しかし本格的にサーキット走行をやり出してやがてレースに参戦するようになると、より速く走りたくなるものです。
そんな時は、バイクのセッティングを変えてみるのも一つの方法です。
サーキット走行はスポーツでもあるため体力も必要!
サーキットをバイクで走ると、意外と体力が削られるのがわかると思います。サーキット走行では、
が結構必要なスポーツなんですよね。
もちろん自分が乗るバイクの大きさやパワーによって求められるものも変わりますが、基本的に速さを求めれば求めるほど、上記の4つが必要になってきます。
250ccクラスのバイクだと、ゴリゴリのマッチョになる必要はなく、むしろ軽い体重で少しでも加速や最高速を伸ばす方が有利になります。
反対に1000ccのビッグバイクになると、圧倒的な加速力や車重、速度による風圧により身体が吹っ飛ばされますので、その場合はがっつり筋トレをして筋肉を付ける必要があります。
まとめると、身体の芯の部分である体幹・腹筋・背筋はしっかりと鍛えておく必要があるということですね!
そう考えると、結局バイクに乗る筋肉はバイクに乗って鍛えるのが一番効率がいいと言えます。
とはいっても毎週のようにサーキットを走るとなると莫大なお金がかかるのでちょっと厳しいですよね…実際筆者もなんとかトレーニングを安く効率的にできないか悩みました…
結局もっとも有効なのが、普段はフラットトラックで練習するのが一番だということに行き着きました。
また、忘れてはいけないのが、
- サーキットの走行は目まぐるしく変わるコース状況の判断
- バイクの状態や身体の動作
といったように、頭をたくさん使うこと。
そのため慣れない時は走行後にかなり眠くなることもあります。(特に雨の走行後、集中力が切れた時の眠さはハンパないです…)
普段からなるべく身体も頭も鍛えておきたいですね。
サーキット走行中のトラブルに対処する
サーキット走行は様々な安全対策がされていますが「万が一の際にどうすればいいか」についてご紹介します。
走行中にガソリンが無くなる
走行中にガス欠になったら、すぐに手か足を上げて後続車に危険を知らせます。そしてコース外の安全な所に退避しましょう。
もし自力でピットに出られない時は、走行時間が終了するまでそのまま待機になります。
転倒したらどうするの?
走行中に転倒してしまった時はすぐに後続車に知らせ、自力でバイクを起こせないと思ったらバイクを置いてすぐにコース外に避難しましょう。自分の身体が第一ですね。
ケガをした時は
転倒してケガをしたら、まずサーキットの医務室に行き応急手当と、医務室に行った記録を残す必要があります。
大きなサーキットや設備がしっかりしているサーキットは、サーキットライセンス所得時に共済会という保険に加入していることが多いでしょう。
しかし、医務室に行って処置をしてもらった記録がないと保険金が支払われないことがほとんどです。
また、その時は何もなくても後から症状が出てくることもあるため、自分は大丈夫と思っても念のため必ず医務室には行くようにしましょう。
さらに大きなケガをしてしまうと仕事もできなくなりますので、サーキットの保険共済会だけではとてもじゃないけどまかないきれません。
そのためかけ捨ての傷害保険に加入しておくことをおすすめします。
※ただしサーキット走行でのケガの場合、保険金が支払われないところもあるため、必ず確認してから加入しましょう!
ちなみに筆者がレース活動をしていたときに入っていた保険については以下の記事でご紹介しています↓
サーキット走行はリスクもあるが、しっかり準備しておけばそこまでビビらなくて大丈夫
サーキット走行を体験することによってバイクに乗ることがさらに楽しくなることは間違いありません。
ただし、タイヤが2つしかない乗りもので高速走行することは必ずリスクが伴うのは避けては通れません。
そのため、事前にバイクの整備をきっちりとするのはもちろん、万が一の備えまできっちりとして、もしもの備えは必ず行っておきましょう。
備えさえきっちりしておけば、あとは純粋にサーキット走行を楽しむだけ。
バイクでサーキットを走ることは、全身の感覚を使ってのスポーツでもあり、同時に非日常も味わえる素晴らしい体験になります。
また、サーキット走行やレースに関する質問も受け付けております。
お気軽にお問合せください。