【バイクのブレーキングの考え方】まずは3つの目的を知ろう!

バイクのブレーキングは一番難しくもあり、フルブレーキングに慣れているレーサーでも毎回悩むんですよね。

特にブレーキングが一番技術の差が出ることがあります。

でも、「そもそもブレーキってバイクを止めるものなんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。

しかしブレーキをかける目的は状況によってたくさんあります。そこで今回は、様々なブレーキの目的をご紹介していきます。

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目次

バイクのブレーキングの極意

まずはブレーキングの極意をご紹介します。

それはスピードが速いと、その分安定して減速ができるということ。

なぜなら減速時はある程度スピードが乗っているため、慣性や直進安定性が働いているから。

しかも高速走行からブレーキを欠けた時は、タイヤのグリップも大きくタイヤもロックしにくい状態なのです。

さらにタイヤの回転が大きく「ジャイロ効果」も大きくなっていますので、ブレーキをかけるときは単純にしっかり入力さえすればある程度しっかり減速ができるのです。

反対にスピードが低ければ直進性やジャイロ効果が小さいため、タイヤがロックしやすかったり、ハンドルが切れ込む可能性が高くなるのです。

そのため強くブレーキをかけるときは高速走行時の方が安定してかけられるのです。

エンジンブレーキに頼らない方がいい?

エンジンブレーキは選択したギアによって減速率が異なるため、コントロールしにくい特徴があります。

例えば高速で走っており高いギアを選択していると、エンジンブレーキが思うように効きません。

また、エンジンの回転数が落ちるとその分エンジンブレーキの力も小さくなるため、低回転時にはエンジンブレーキに依存しない方がいいとも考えられます。

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前後のブレーキをかける順番はあるの?

基本的にリアブレーキを先にかけ、続いてフロントブレーキという順番がセオリーとされています。

しかしフロントブレーキの管理がしっかりできていれば前後同時にかけても問題ありません。

もちろん状況によってはフロントブレーキを先にがっつりかけてからリアブレーキを踏んで減速を調整する場合もあります。

ちなみに筆者の場合は、サーキット走行で1000ccのバイクに乗っていた時は、フロントブレーキで減速しきれない場合にリアブレーキを後から踏み足してスピードを調整したりしていました。

そのため前後ブレーキの順番はあまり気にせず、状況によって有効なブレーキングを自分で発見しておく必要があるということですね!

バイクのブレーキの目的

ブレーキの目的は大きく3つに分けられます。

  1. バイクを止める
  2. 速度を調整する
  3. 重心を移動させる(荷重移動)

1.バイクを止める

最初にイメージするのがバイクを止めるためのブレーキ。

止まるだけだったら簡単!と思うかもしれませんが、例えば様々な速度で目標物のところに毎回ぴったりと止まることができるかと言われたらどうでしょう?

実は狙ったところに最短で止まろうとするのって意外と難しいんですよね。

ブレーキの操作はバイクで一番繊細な動作といっても良いぐらい、ライダーの

そのため、まずは自分が決めたところにピタッと止まれるような練習をすることをおすすめします。

2.速度を調整する

コーナーに入る直前に適正な速度に調整することもブレーキの重要な役割となります。
※この場合は減速というよりもスピード調整という表現をしています。

例えばコーナーに侵入する場合、そのままのスピードだともちろん曲がりきれないため、曲がり切れる適切な速度まで減速します。

この速度調整も立派なブレーキの役割であり、適切なスピードを判断するのもライダーの技量となります。

3.荷重移動する

ブレーキングを行うことで減速Gを発生させることができます。

減速Gの大きさは当然速度やブレーキの強さによって大きく変わってくる上、減速Gのコントロールの上手さがライダーの技量だったりします。

特にフロントタイヤをグリップさせるためには荷重を与えないといけません。

しかもバイク単体の荷重だけでは得られるグリップ力は少ないためブレーキングの減速Gをフロントタイヤに与えてあげます。


引用

そして今度はコーナリナングに入る際は与えたGを適度に抜く動作(ブレーキをリリース)も必要になります。

この力加減も絶妙でブレーキングの「上手い」「下手」が顕著に分かれてくるでしょう。

サスペンションを縮める


引用

荷重移動をする理由にサスペンションを縮める動作を行う目的があります。

フロントブレーキを掛けるとタイヤが止まろうとするのに車体は慣性で前に進もうとする。

そうなるとフロントサスペンションが縮むため、あえてサスペンションを縮めるためにフロントブレーキを掛けることもあります。

また、ブレーキをを早く強くかけるとサスペンションを一気に縮められるため、ブレーキング初期の段階で強くブレーキをかける動作をすることもあります。

リアブレーキをかけても同様にリアサスが縮むため、バイクを安定させるためにあえてブレーキを掛けることもあります。

サーキットでは必ずしもブレーキング=止まるではない

サーキット走行やレースではブレーキングといっても様々な目的があり、レイダーの腕の見せ所でもあります。

特に相手をオーバーテイクするときもブレーキングで勝負するということが多いため、ブレーキが上手いとレースでも有利になります。

サーキット走行に慣れてきたら次はブレーキングを意識をしてみるとさらにバイクのライディングが面白くなるかもしれませんね!

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この記事を書いた人

19歳から約10年間バイクレースをする/鈴鹿4時間耐久レースクラス優勝/全日本選手権フル参戦経験あり
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