バイクに乗っている方は、どこかで手放さなければいけないタイミングが訪れると思います。
予期せぬ理由で手放さなければいけなくなった人や、前向きな理由で手放す人。それぞれ理由があると思いますが、どうせ手放すのであれば、後悔せず、少しでもお得に手放したいところ。
そこで本記事では、これからバイクを手放そうと考えている方に向けて、後悔しないための心構えや、手少しでもお得に手放す方法をお伝えしていきます。
バイクを手放して良かったと感じている人
税金や保険料、メンテナンス費用などの維持費から解放されたのは正直大きい。家計に余裕が生まれた。
バイクから車中心の生活にしたら、天気を気にせず出かけられるようになった。
自転車や徒歩での移動が増えたため、若干健康的になった気がする
駐車スペースが空いたから、ほかの用途に活用できるようになった。
バイクを手放して後悔している人
手放した後にバイクの市場価格が高騰し、再購入が難しくなった。
売却後にそのバイクが生産中止となり、再び手に入れることが難しくなった。
手放した後、時間ができるとツーリングに行きたくなり、バイクを売ったことを後悔している。
子供が生まれたのを機に手放したが、成長した子供と一緒に乗りたかったと後悔している。
バイクを手放す時に後悔しないための心構え
バイクを手放す時に後悔しないためには、手放す理由を明確にし、売却の準備をしっかり行うことが大切です。
人によっては、バイクは移動手段以上の存在だと言えます。心残りを生まないためにも、紙にバイクを手放す理由を箇条書きで書き出し、順に確認してみると良いでしょう。(書き出すと結構頭の中を整理できます)
もし「手放す」選択をするのであれば、きちんとバイクが売れるように準備を進める必要があります。
リアルな話、手放す時に少しでもお金が残るようにも考える必要があるのです。
せっかく思い入れのあるバイクを手放すのなら、少しでもお金になる方が良いに決まっています。
次のバイクの購入資金にもなりますし、今後の自分の生活費になることだってもあるかもしれません。
極端な話、売却金額が低すぎると、かなりの確率で「やっぱりバイクを売らなきゃ良かった……」と後悔します。(筆者がそうでした)
バイクを手放す時に後悔しない心構えをもう一度まとめると
- 手放す理由を明確にしておく
- 売却の手続きや準備をしっかり行う
となります。
1. なぜ手放すのか理由を明確にする
- 維持費が負担になっているのか?
- 乗る時間が減ってしまったのか?
- 次のバイクに買い替えるためか?
- 家庭やライフスタイルの変化が理由か?
手放す理由が明確であれば、「やっぱり必要だったかも」と後悔する可能性は低くなります。理由がはっきりしていれば、この後の売却の準備が効率的に進められます。
2. 手放す前にほかの選択肢も検討する
少しでも「今は乗れないけれど将来的にまた乗りたい」と考えるなら、どこかに一時的に保管しておくのも一つの方法です。
ある程度費用がかかっても問題ないという方であれば、レンタルガレージでの保管も検討してみると良いかもしれません。
また、「バイクに乗りたいけど維持費が支払えない」のであれば、今の時代はバイクのレンタルサービスやシェアサービスもあります。
これらの選択肢を知っておくことで、バイクを手放す際の心残りを少しでも軽減できるかもしれません。
3. 新たな楽しみを見つける
バイクを手放した後に、
- 新しい趣味に挑戦する
- 車に切り替える
- 家族や友人との時間を増やす
など、「生活の中で何を楽しみにするか」を考えておくと、後悔の気持ちを和らげることができます。
自転車やスクーターなど、バイクよりも手軽に移動できるものを見つけるのも良いかもしれません。
バイクを手放す理由
実際にバイクを手放す人は、どのような理由を持って手放しているのでしょうか。
経済的に維持するのが辛くなってきた
1番の理由は、やはりバイクの維持や所有にかかるコストが負担となることです。
特に最近はガソリン代が高騰していますし、物価高に共なって保険料やメンテナンス費用なども値上げされています。
もちろん最近のバイクは壊れにくくて燃費の優れた車種も沢山ありますが、それでも、長く乗っていると、修理や部品交換の頻度が増え、維持するだけでコストがかさみます。
たまにしかバイクに乗らないという方であれば、いつしか「どうしてこんなにも費用をかけているのだろう……」と、もったいなく感じることの方が多いかもしれません。
別のバイクに乗り換える
もちろん別のバイクに乗り換えるという、前向きな理由で手放す人もいます。「同じモデルの新型を購入したい」という方や「より大きなバイクの乗り換えたい」という人など、乗り換える理由も様々あります。
また、愛車が古くなり、徐々に価値が下がってきたなと思うタイミングで手放す人も少なくありませんし、リセールを考えて2年や3年などと期間を決めて手放す人もいます。
結婚や一人暮らしなどライフスタイルが変わった
ライフスタイルや身の回りの状況変化によって、バイクを所有するのが厳しくなるケースもあります。
例えば、結婚や子育てを機に、安全性や経済性を重視する生活に切り替えたくなったり、逆に一人暮らしをするにあたり、公共交通機関の方が便利で、バイクの必要性が減った、という声も聞きます。
また、普段からバイクを通勤に使用していた人が、リモートワークが導入されたため、バイクが費用になったという方も見えます。
体力の限界が近付いてきた
年齢を重ねることで体力や視力の衰えを顕著に感じ、バイクを引退するという方もいます。バイクの運転は力は必要ありませんが、代わりに動体視力や判断力が必要とされます。
また、バイクの運転中は常に走行風に晒されるため、知らない間に体力が削られていきます。
そのため、体力的にバイクを手放さざるを得ないという人はある程度います。
バイク以外のものに興味が湧いた
最近は、車やバイクという乗り物以外を趣味にする人が増えてきました。映画や漫画、ゲームなど、趣味として楽しめるものは沢山あります。
そのため、いつの間にかバイク以外のものに興味に興味が湧いて手放すという人も少なくありません。
バイクを手放す判断基準
先ほどご紹介した理由を踏まえて、あらためてバイクを手放す判断基準をご紹介していきます。
現時点での愛車のリセール価格
少しでもお得にバイクを手放したいと考えているのであれば、現時点での愛車のリセール価格を把握しておきましょう。
リセール価格が希望金額よりも高い、もしくは同等であれば、思い切ってそのタイミングでバイクを手放すのも一つの方法です。
逆にリセール価格が安い場合、長く乗っておくという選択をとることもできるでしょう。
維持費はどれくらいかかるのか
バイクの維持費はどれくらいかかるのかについても見ていきましょう。
- 自動車税(軽自動車税)
- 自賠責保険(強制保険)
- 任意保険
- 車検費用(250cc超のバイク)
- 点検・メンテナンス費用
- ガソリン代
- 消耗品代(タイヤ・エンジンオイル・ブレーキパッド等)
ちなみに筆者が乗っているグロムの場合の年間維持費は、以下の通りとなります。
自動車税(軽自動車税) | 2,400円 |
自賠責保険(強制保険) | 7,070円 |
任意保険(ファミリーバイク特約) | 20,000円 |
ガソリン | 39,590円 |
消耗品 | 15,000円 |
合計 | 84,060円 |
※自賠責保険料は年間計算
※ガソリン代は年間10,000kmとして計算
※消耗品はオイル交換×2、タイヤ交換×1として計算
安いと取るか高いと取るかは人それぞれですが、125ccクラスのバイクでさえ維持するのに年間で8万円ほどかかるのも事実です。
年間でどれくらいの頻度でバイクに乗っているか
所有しているバイクを年間でどれくらいの頻度で乗っているかも把握しておくと良いかもしれません。
あまりにも頻度が少ないと、バイクを手放してもライフスタイルに大きな影響をを与えないと判断することもできます。
また、どういう用途でバイクに乗っているかもあらためて考えることもおすすめします。「バイク以外の方法でも構わないのではないか」こういう自問自答をしてみるのも良いかもしれません。
所有しているバイクに愛着が残っているか
そのバイクを手放そうと思った時に、「寂しい」「惜しい」といった感情が湧くなら、愛着が残っている可能性があります。
逆に、そのような感情を抱かないのであれば、バイク以外のものに気持ちが切り替わりつつあるかもしれません。
これらを考えた上で、自分の気持ちを素直に整理するようにしましょう。※決してバイクを手放すことを勧めているわけではありません。
バイクを手放すのに最適な時期
バイクを手放すのに最適な時期は、以下の通りとなります。
- 春先(3月〜5月)や秋口(9月〜10月)
- 夏前(6月〜7月)
- 梅雨時や台風の季節
順に詳しく見ていきましょう。
①春先(3月〜5月)や秋口(9月〜10月)
これらの時期は、新たにバイクを購入したいと考える人が増えるため、市場の需要が高まりやすく、そこそこの高値で買い取ってくれます。
特に春先にかけては、徐々に暖かくなり動きたくなる時期でもあります。新生活のスタート時期でもあるため、気持ち的にも何かをしたくなります。
また、秋口は気候的にツーリングに向いていますので、バイク人口が増加しやすいとも考えられます。
②夏前(6月〜7月)
夏前は企業に勤める人にとっては夏季ボーナスが手に入る時期でもあります。
もちろんまとまったお金が手に入ると、新しくバイクを買おうかという気持ちが湧いてくるため、買取価格も上がります。
③梅雨時や台風の季節
梅雨時や台風の季節は、バイクの使用頻度が下がり、保管の負担が増える時期でもあります。
また、「持っていても乗れない」という心理的負担が増しやすく、手放しやすい時期だと言えます。
一見この時期に手放そうと考えると「買い手がいないから、値段が付かないのでは?」と思う方が多いと思います。
しかしバイクの買取業者からすると、逆に売れない時期だからこそ、その時期に大量に在庫を確保しておこうと、買取を強化するところもあります。
あえてバイクシーズンではない時期に買取の査定依頼をしてみるのも一つの方法だと言えるでしょう。
バイクを手放す方法
バイクを手放す方法は、以下の5つの方法があります。
- 正規ディーラーに下取りをしてもらう
- 中古買取業者に買い取ってもらう
- 個人売買で売却する
- 廃車専門店に買い取ってもらう
- 市や県が指定する指定引取場所へ持ち込む
①正規ディーラーに下取りをしてもらう
正規ディーラーと下取りは、バイクをそのお店で新車や中古車に買い替える時の方法です。
購入の手続きと同時にバイクを手放す際の手続きもサポートしてくれるため、手間が少なく楽な方法です。
ただし、ディーラーの下取りはあくまで「下取り」であって、「買取り」ではありません。下取り価格は実際の中古車買取価格よりもかなり低くなることが多いです。
「下取り」を「買取り」の違いをまとめてみました。
下取り | 買取 | |
定義 | 新しいバイクの購入する際に、現在のバイクを引き渡して、その分を購入代金から差し引く仕組み | 現在のバイクを売却して現金化する仕組み |
利用目的 | 基本的に新しいバイクへの買い替えが目的 | 現金を得ることが目的 |
取引の簡便さ | 購入と引き渡しが同時に行われるため楽 | 売却後に新しいバイクを探す場合、別の業者と取引が必要 |
査定価格 | 購入する車両の値引きとセットになるため、実質的な査定額は低くなりがち | 市場価格に基づいた査定がされるため、相場に近い金額を得られる可能性が高い |
柔軟性 | 新しいバイクを購入しない場合は利用できないことがある | 売却だけを行えるため、現金化後の選択肢が自由 |
対象となる車両 | 比較的新しい車両や人気車種が高く評価されやすい | 廃車寸前や古い車両も対応可能な業者が多い |
メリット | 購入先での下取りキャンペーンや特典が適用される場合がある | 複数の業者に査定依頼ができるため、価格を比較し高額で売却できる可能性がある |
中古買取業者に買い取ってもらう
文字通り中古車の売買を専門に行っている業者です。「レッドバロン」や「バイク王」、最近では「KATIX」も有名になってきました。
買取業者は、バイクをすぐに現金化したい場合に適した選択肢です。
買取額は基本的に市場価値を参考にするため、下取りよりも高く買い取ってくれることが多いです。
また、買取業者によって買取金額も上下するため、複数の買取業者から見積もりを取り、その中から最も高い業者をえらぶこともできます。
ただし、買取業者の中には悪質なところもありますので、できれば名前の知っている買取業者を選ぶことをおすすめします。
個人売買で売却する
個人売買は、メルカリやヤフオクなどを利用して直接売買する方法です。
仲介手数料がほとんどかからないため、売却価格が高くなる可能性があります。
また、個人間で売買を行うため、愛着のあるバイクを「本当に気に入った人」に譲れるというメリットもあります。
ただし、買い手とのやり取りや契約内容の確認など、すべてを自己責任で進める必要があります。
当然ながらトラブルが発生するリスクがありますので、ある程度バイク売買の知識がある人におすすめします。
廃車専門店に買い取ってもらう
あまりにも年式が古いバイクや、事故で大きな傷を負ってしまったバイクなどは、一般的な中古車販売店では買い取ってもらえないことがあります。
その場合は、廃車を専門で買い取ってくれる廃車専門店に買取を依頼することをおすすめします。
廃車専門店は、バイクを分解して部品毎に売る技術を持っています。また、海外への流通ルートを持っている業者もあります。
廃車手続きやリサイクル処分も代行してくれるため、手放す労力も少なめです。
ただし、走行できる状態のバイクを売却する場合、買取業者や個人売買に比べて買取価格が低くなりがちです。
買取業者や個人売買で値段が付かない時の最終手段だと思っておいたほうが良いでしょう。
市や県が指定する指定引取場所へ持ち込む
廃車専門店が近くにない場合、市や県が指定する指定引取場所に持ち込むと良いでしょう。
指定引取場所では、法律に基づき適切な処分が行われるため、環境への配慮や法令遵守の観点からも安心です。
手続きも比較的シンプルで、廃車証明書を発行してもらえるため、後々のトラブルを防げます。
ただし、決してお金がプラスになることはありません。むしろ逆に処分費用がかかるため注意が必要です。
また、買取金額が付く可能性があるバイクをこの方法で手放すと、買取業者や個人売買に比べて損をする可能性があります。
バイクを手放す時にやること
ここからは、バイクを手放す時にやることについてご紹介していきます。
①廃車証明やナンバーの返却などの必要手続きを行う
バイクを手放す際には、ナンバープレートの返却や廃車手続きが必要です。
125cc以下のバイクは市区町村役場、それ以上のバイクは陸運局で手続きします。
車両を使用しないことを証明する「廃車申告書」を提出し、ナンバープレートを返却すると、翌年度以降の軽自動車税が課されなくなります。
逆にバイクを手放してもこの廃車手続きが完了していないと、税金や保険料を払い続けることになります。
また、廃車証明書は保険の解約や売却時に必要になることもあるため、大切に保管しましょう。
②保険の解約を行う
次に、手放すバイクにかかっている自賠責保険や任意保険を解約します。
まず、廃車証明書や売却証明書を用意して保険会社に連絡します。解約手続きが完了すると、未経過分の保険料が返金される場合があります。
自賠責保険は契約期間が長いため、解約時の返金額が多くなる場合もあります。
なお、次のバイク購入時に同じ保険を引き継ぐ場合は、解約ではなく契約変更で対応できる場合もあります。
保険料を無駄にしないためにも、速やかに手続きを進めましょう。
③バイクのメンテナンスや洗車を行う
事務手続きを終えたら、できれば手放す前にバイクを綺麗にしておくようにしましょう。綺麗なバイクは査定額が上がる可能性があります。
特に中古買取業者や個人売買の場合は、第一印象が重要です。
外装の洗車はもちろん、チェーンの清掃や軽いオイル交換などの簡単なメンテナンスを行うと良いでしょう。
また、修理が必要な箇所を放置せず、小さな不具合を解消することで買い手に安心感を与えられます。
高額査定を狙う場合だけでなく、次の所有者への礼儀としても大切なポイントです。
④ヘルメット・ブーツ・グローブなどの装備品も手放す
バイクと一緒に使っていた装備品をどうするかも考える必要があります。
装備品が不要になった場合、フリマアプリやリサイクルショップで売却する方法があります。
特に状態が良く、高価なブランドの装備品は個人売買で高値がつくことがあります。
一方、傷や汚れが目立つ装備品は売却が難しいため、処分する選択肢も考えましょう。
また、新しいバイクを購入予定であれば、装備品が流用できるか確認してから手放すと無駄がありません。処分の際は安全面にも配慮してください。
最近では、バイクの装備品を一括して買い取ってくれるサービスも出てきました。
グッドエンドのバイクウェア買取サービスでは、使わなくなった装備品を段ボールに入れて送るだけで、簡単に査定してくれます。
買取金は最短翌日に入金されますし、希望通りの金額でなければ、無料で返送してくれます。
フリマアプリで出品するのが面倒だと思っている方は、ぜひ利用してみてください。
まとめ
バイクを後悔せずに手放す方法についてご紹介しました。
理由はどうであれ、愛着のあるバイクを手放すのは、中々勇気のいることだと思います。実際のところ、バイクを手放して後悔したという人が一定数いるのも事実です。
しかし、今回ご紹介したように、バイクを手放す理由を明確にして、納得できる価格で手放すことができれば、すっきりとした気持ちで前に進めるはずです。
納得のできるかたちでバイクを手放せることを願っています。
↓下のバイク買取業者を使って、まずは査定額を知ってみるところから始めてみるのも良いかもしれません。