サーキット走行やレースなどでは、コーナー中に膝を擦るシーンが出てくると思います。
そんな時に欠かせないのがバンクセンサーです。
頻繁にサーキットに通う人にとってバンクセンサーは、定期的に買い足さなければならない消耗品となることもあります。
しかし、いざバンクセンサーだけを購入しようと調べてみると、たくさんの種類が出回っているため、結局どれを買えば良いのかわからない方も多いはずです。
そこで本記事では、バンクセンサーの選び方やおすすめのバンクセンサーをご紹介していきます。
バンクセンサーとは
バンクセンサーはレーシングスーツやライディングパンツなどの膝部分に取り付けられているプロテクターのことを言います。
バンクセンサーは、コーナー中にアスファルトの路面に膝が当たった際に、膝を守る役割があります。
また、単にプロテクションとしてではなく、ライダーにバンク角や路面状況を伝える重要な役割も担っています。
最近はタイヤのグリップが向上してきたため、コーナー中のバンク角が大きくなるに従い、肘をするライダーも増えてきましたので、肘用のバンクセンサーも増えてきています。
バンクセンサーの様々な呼び方
実はバンクセンサーはメーカーによって様々な呼び名があります。
- ニースライダー
- スライディングパッド
- スライダー
このように呼び名が異なりますが、どれも同じものだと思っていただいて大丈夫です。
それ以外にも、バイク車体のステップ裏側に設けられた突起状の部品も「バンクセンサー」と呼ばれているため、混同しないように注意する必要があります。
バンクセンサーの種類
多くの場合レーシングスーツやライディングパンツの膝部分にベルクロ(マジックテープ)で貼り付けられており、スライダー部分の消耗が進めば、取り外して交換できるようになっています。
また、ベース部分とスライダー部分が一体になった一体式と、ビスや留め具で固定されている取外式の2種類があります。
それぞれの特徴も併せてご紹介します。
一体式の特徴
- 値段が高め
- スライダー部分が厚めのものもある
- デザインが多彩にある
ベースとスライダー部分が一体となっているため、スライダーが消耗すると、ベースごと交換しなければいけません。
また、値段は取外式よりも高めの傾向があります。
ただし、最近では安価なバイクパーツを販売しているメーカーが自社製のバンクセンサーを販売するようになったため、低価格で販売されているものも増えてきました。
また、メーカーによってはヘビーユーザーのためにスライダー部分の厚みを増して開発したものを販売しているところもあります。
ほかにも、スライダーのデザインが多彩という特徴もあります。
クシタニやRSタイチなどの大手バイクウェアメーカーは、見た目にもこだわった製品を開発しているため、優れたデザインのバンクセンサーを販売しています。
もちろん有名どころの製品はその分価格が高めですが、装備品にもデザイン性を求める方にはおすすめの選択肢だと言えます。
取外式の特徴
- 初期費用は高め
- 交換頻度が多い人にはコスパが良い
ベース部分とスライダー部分を分割できるタイプのバンクセンサーです。
初めにベース部分も購入しなければいけませんので、セット価格は一体式と比べて値段は高めの傾向があります。
しかし、一度ベースを取り付けてしまえば、交換時はスライダー部分のみ購入すれば良いので後々安く済ませられます。
そのため、本格的にサーキット走行やレースをしている方など頻繁にバンクセンサーを交換する人には、取外式をおすすめします。
バンクセンサーの選び方
バンクセンサーを選ぶ時には、次のことも頭に入れておきましょう。
- 価格
- 消耗の速さ
- 接地時のフィーリング
①価格
頻繁に交換する人にとっては、価格面も考慮して購入したいところです。
有名なメーカー品であれば価格は高めで、反対に無名メーカーやニッチなメーカー品は安い傾向があります。
ただし、値段は品質に比例することを念頭に考えなければいけません。
安いバンクセンサーを買ったは良いものの、消耗スピードが速く、結局交換頻度が多くなってしまい、手間もお金がかかってしまったなんてケースも存在します。
②消耗の速さ
消耗の速さはメーカーによって大きな差があります。
なぜなら、メーカーによってバンクセンサーが地面に接触している時の感触に対するコンセプトが違うからです。
例えば、バンクセンサーが地面と接触している時に、ある程度路面との接地感が出るようにとのコンセプトで開発していれば、比較的柔らかい素材で作られており、消耗のスピードが早くなります。
反対に、滑るような滑らかなフィーリングを求めて開発していれば、硬い材質で作られるため、消耗のスピードは遅くなります。
③接地時のフィーリング
前項でもご紹介したように、接地時のフィーリングも各メーカーによって大きく異なります。
滑りが少ないバンクセンサーであれば、膝をついた時に引っかかることがありますし、反対に滑りが多いバンクセンサーだと、接地感が少なすぎて不安を感じることもあります。
交換頻度が多い方は、いくつかのメーカーを試して、最も自分に合ったものを探すと良いかもしれません。
【一体式】おすすめバンクセンサー
ここからは、おすすめのバンクセンサーをご紹介していきます。
一体式バンクセンサーのおすすめは、次のとおりです。
- コミネ セラミックバンクセンサー
- コミネ スポーツニースライダー
- RSタイチ ニースライダー
- ナンカイ レーシングスライディングパッド
- R&G ニースライダー
- クレバーライト(ZiiX) バンクセンサー
コミネ セラミックバンクセンサー
バイク用プロテクターやジャケットで有名なコミネから販売されている一体式バンクセンサーです。
ベース部分の湾曲が大きいため、膝を折り曲げた時のフィット感が優れています。
また、スライダーは剥離の心配が無いくらいしっかり接着されています。
湾曲している分、ベルクロ部分の接着性が弱いと感じる方も多いようですが、ミニバイクレースをしているユーザーからも満足されているとの声もあるため、選んでおいて間違いの無い製品だと言えるでしょう。
メーカー | コミネ |
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カラー | ブラック |
メーカー希望小売価格 | 3,300円(税込) |
特徴 | ・ベース部分の湾曲が大きい ・剥離の心配もなし |
コミネ スポーツニースライダー
こちらも、コミネから発売されているスポーツタイプのバンクセンサーです。
左右専用設計で高耐久用に作られているため、本格的なサーキット走行をする人におすすめのモデルです。
カラーもブラック・レッド・ホワイトの3種類が設定されており、レーシングスーツのデザインに合わせて選ぶことも可能です。
縁のベルクロ部分が少し短いようですので、取り付けの際はしっかり張り付くようにする必要があります。
メーカー | コミネ |
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カラー | ブラック・ホワイト・レッド |
メーカー希望小売価格 | 4,950円(税込) |
特徴 | ・優れたデザイン性 ・高耐久 |
RSタイチ ニースライダー
人間工学に基づいた形状で設計されているバンクセンサーで、非常に使いやすくなっています。
また、高耐久である上に厚みが35mmと厚めに設計されているため、耐久レースなどのロングランにもしっかり対応。
ベルクロの相性があるとの声があるため、落下防止対策として購入後はテスト装着することをおすすめします。
メーカー | RSタイチ |
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カラー | ブラック・ホワイト |
メーカー希望小売価格 | 5,940円(税込) |
特徴 | ・人間工学に基づいた設計 ・スライダーが厚め |
ナンカイ レーシングスライディングパッド
ナンカイ契約ライダーが幾度となくテストして開発したバンクセンサーです。
実際にレースシーンで使い、良い点悪い点両方をフィードバックして開発した製品ですので、使いやすさは抜群。
ミニバイク部品を手がけるメーカーらしく、コーナーでの接地性が優れているため、ミニバイクレースをする人におすすめだと言えます。
メーカー | ナンカイ |
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カラー | ブラック |
メーカー希望小売価格 | 2,970円(税込) |
特徴 | ・レースで培った技術を集結 ・スムーズなコーナリングが可能 |
R&G ニースライダー
BSB(ブリティッシュスーパーバイク選手権)御用達のバンクセンサーで、厚みがあるのが特徴です。
縁石に引っかかりそうな印象を受けますが、その分ベルクロ部分の面積が大きいため、外れる心配はありません。
膝擦りを積極的に行い人におすすめのモデルです。
メーカー | R&G |
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カラー | ブラック・ホワイト・イエロー・オレンジ |
メーカー希望小売価格 | 6,600円(税込) |
特徴 | ・厚みがある ・ベルクロも強力 |
クレバーライト(ZiiX) バンクセンサー
様々なバイク用製品を安価で提供しているクレバーライトからもバンクセンサーが発売されています。
非常にリーズナブルな価格で、ある程度厚みもあります。
他のメーカーと比べ消耗が早く、質感も劣ってしまうのは否めませんが、膝擦り事態の頻度が少ない人には十分すぎる性能は持っています。
筆者もバイクレースを始めて間もない頃は本製品にお世話になりました。
メーカー | クレバーライト |
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カラー | ブラック |
メーカー希望小売価格 | 2,178円(税込) |
特徴 | ・値段が安い ・レースでも十分使える |
【取外式】おすすめバンクセンサー
取外式のおすすめバンクセンサーは次のとおりです。
M-DESIGN M-DRバンクセンサー
とにかくカラーバリエーションが多く、レーシングスーツのデザインにマッチさせることができます。
スライダーの厚みも27mmと18mmの2種類があり、自由に使い分けることができます。
スライダーの固定にはビスが使われているため、定期的に増し締めをしないといけませんが、4点でしっかり留められていますので、すぐに落下する心配はありません。
メーカー | M-DESIGN |
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カラー | 白・黒・赤・青・紫・銀・その他蛍光もあり |
メーカー希望小売価格 | ベース3,300円(税込) スライダー3,520円(税込) |
特徴 | ・カラーバリエーションが豊富 ・スライダーの厚みも2種類ある |
コバプラ バンクセンサー
全日本選手権ライダーも愛用指定るブランドのバンクセンサーです。
スライダーは擦り心地を重視した「スタンダード」と耐久性を重視した「スーパーハード」の2種類があることに加え、世界初の分割式スライダーのType-Bもラインナップされています。
メーカー | コバプラ |
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メーカー希望小売価格 | ベース3,850円(税込) スライダー2,750円(税込)※スタンダード |
特徴 | ・センサー自体が分割可能なタイプも販売 ・硬さも2種類ある |
まとめ
バンクセンサーは各メーカー硬さや消耗のしやすさなどが異なります。
また、取外式であれば同じスライダーでも硬さが異なる2種類をラインナップしているメーカーもあります。
本格的にバンクセンサーの違いについて知りたい方は、今回ご紹介したバンクセンサーを使い比べてみるのも良いかもしれません。