バイク用語

雨の日にバイクでサーキットはどう走るの?走り方を徹底解説!

せっかくサーキット走行に来たのにあいにくの雨ということが起こることも。

でも雨の日のサーキット走行は走る人も少ないため自分のペースで走ることができるんですよね。

しかも、しっかり準備して集中して走ることでライディングテクニックを上達させることもできる絶好の機会になることも。

そこで、

  • 雨のサーキット走行で気をつけたいこと
  • 雨の日のタイヤに関すること
  • 雨の日に早く走るコツ

といった内容の重要な部分を自身の経験からお伝えします。

雨の日のサーキット走行で気をつけたい3つのこと


まず初めに雨の日のサーキット走行で特に気をつけたいことは以下の3点。

  1. 「急」がつく動作をしない
  2. スロットルワークは繊細に
  3. 視界を確保する

順にご説明しますね。

1.「急」がつく動作をしない

急ブレーキ、急加速など、「」がつく動作はしないようにしましょう。

特にブレーキやスロットル操作はいつもより「じわっ」とやるようにします。

ここで間違ってはいけないのはあくまで「じわっ」とするのであって、決してブレーキを弱くすることやスロットルを途中で止めるという訳ではありません。

以下でも紹介しますが、「じわっ」とした動作だと雨の日でもしっかりとタイヤをグリップさせることができます。

もちろん絶対無理をしてはいけないため「怖い!」と思ったらそこで止めましょう。

2.スロットルワークは繊細に

加速するときはアクセルは慎重に開けましょう。

よく「加速はスロットルを開けてまずチェーンを貼り…」とも聞きますが、ちょっとイメージしづらいと思います。

そのため、加速するときはリアタイヤに意識を集中させ、タイヤが限界を感じる「嫌な感じ」を感じ取る練習をしましょう。

これは若干精神論みたいに聞こえるかもしれませんが、人間のセンサーは意外と正確で集中すれば感覚的にわかるようになります。

そのため、「怖い」「嫌な感じ」を少しでも感じたら現時点の限界だということになるため、その一線を超えないようにすると転倒のリスクは減らせれます。

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3.視界を確保する


特に頭が濡れたままヘルメットをかぶると走行中に内側に蒸気がこもりシールドが曇ることに。

これがサーキット走行中だと何もできなくなるため、割と致命傷なんですよね。

特にレース中に発生すると最悪リタイヤすることもありえます。本当に。

そのため、シールドには曇り止め対策をしたり走行しないときは帽子をかぶって頭を濡らさないようにしたり、ドライヤーで髪を乾かしたりと、早めに対策をしておきましょう。

雨の日のタイヤに関する疑問?

「雨の日のサーキットを走るときはタイヤはどうするの?」

という疑問も多いと思いますのでご紹介しますね。

レインタイヤは意外とグリップする

雨のサーキット走行用に開発されたレインタイヤは以下の特徴があります。

  • いくつも溝が切っており排水性が高い
  • 表面が柔らかいため地面に食いつきやすい

そのため、晴れの日にレインタイヤで走行すると数周で表面がツルツルになります。

しかもタイヤの剛性も低いため、コーナリング中によれてしまい、全く速く走れません。

タイヤの空気圧はどれくらい?

各メーカーによって違いはあるものの、レインタイヤの空気圧はあらかじめ高めに設定しておきます。

なぜかというと、晴れ用のタイヤ(以下ドライタイヤ)は走行中に摩擦熱で中の空気が膨張することで内圧が上がってきます。

雨の日はそれほどスピードが出ないため、摩擦熱が発生しにくい上、雨でタイヤ自体が冷やされます。

そのため、レインタイヤの空気圧は温まったドライタイヤの内圧の数値を狙うイメージを持つといいでしょう。

※補足として、雨量が多い場合は空気圧を少し高めにします。
その方が地面を「」で捉えることができるため1点にかかる力を大きくすることができます。

もちろん限界を超えた時の反動も大きくなる傾向がありますが、この方がグリップ感があり安心して走ることができるでしょう。

ドライタイヤの場合は空気圧はあまり高くしない

ただ、レインタイヤでは無く、通常のドライタイヤで走行するのなら空気圧はドライと同じと考えてもいいでしょう。

雨の走行はタイヤの温度が上がらずタイヤ自体が硬化しがちになるため、ドライよりも空気圧が低い状態がちょうどいいことがあります。

そのため、ドライタイヤで雨の走行をするときは空気圧はそのままにしておくことをおすすめします。

雨の日のセッティングはどうするの?


もちろん状況やライダーのライディングスタイルによっても様々ですが、よく聞くのが、

「雨の日だからイニシャルを抜いたほうがいい」

という言葉。

確かに晴れの日の路面よりタイヤがグリップしないため、サスペンションへの負荷も弱くなり、その分ストロークさせたいと思うとイニシャルを抜きたいと考えたくなると思います。

しかし、イニシャルを抜くとその分タイヤを押し付ける力も無くなってしまうため、逆にグリップ感がなくなり不安定に感じてしまうこともあります。

そのため、バネレートを下げることはあってもむやみにイニシャルを抜くことはあまりおすすめしません。

さらに、雨の走行はサスのストローク量などのデータにより、乗ってみて、

  • 怖くない
  • 安心して攻められる

という気持ちになれるかという感覚的な部分を大事にしたほうがいいでしょう。

遠心力があるからバイクが安定する


バイクのタイヤは適切な力で押し付けられることによりグリップさせることができます。

そのためにはバイクの重量だけでは足りないためブレーキングや加速、コーナリング中に発生している遠心力(G)を利用しています。

当然遠心力が大きければGも大きくなるため、実はある程度バイクを安定させて速く走らせるためには欠かすことができません。

実は雨の走行も同じで(特にレインタイヤをつけている時)Gをかけることでバイクは安定するようになります。

※当然限度はあります

そのため、雨だからといってあまり慎重になりすぎるとどんどん不安定になり、結果ますます怖くなる上、転倒のリスクも出て来ます。

そのため、急動作を発生させず、ある程度スピードを保って流れるように走行することを意識しましょう。

限界を超えるとリカバリーしづらい

雨の走行は滑り出しも唐突にくる場合がほとんど。

極論を言ってしまえば雨でもめちゃくちゃ丁寧に操作すると晴れの日と同じ挙動を出すことができますが路面のグリップの限界が低いためなかなか難しいでしょう。

そのため、一度挙動が乱れたらあっという間にハイサイドやスリップダウンにつながる危険があるため、雨の日の走行はバイクに余計な挙動が発生しないようにスムーズなライディングを意識しましょう。

綺麗に走ることができることができる人が速い


上記の紹介したように、結論を言うと、雨の走行はバイクに余計な挙動を与えずタイヤをグリップさせ続けられることが速く走るコツとなります。

そのため、アグレッシブなライダーよりも丁寧なライディングをする人の方が雨の日の走行で速く走れる傾向があります。

雨の時日のサーキット走行はバイクの性能というよりもライダーの技術が問われることが多くなります。
特にレースのリザルトを見てみると晴れの日では見られないライダーが上位に現れるなんてこともあり、レース展開が面白くなるんですよね。

そのため、サーキット走行やレースを初めてこれからもっと本格的にレースに参戦しようと思っている人は雨の日でもガンガン走ることをおすすめします。

くれぐれも安全には気をつけて走行してください!