近年、バイク専用のエアバッグが開発されており、バイクに乗る人の安全性が飛躍的に向上しつつあります。
バイクレース界でもエアバッグベストの着用を推奨する働きが大きくなっており、サーキットによっては、
鈴鹿サーキット サンデーロードレース特別規則書
- エアバッグベストを使用すればレースのエントリー料金が割引になる
- 22歳以下はレースでのエアバッグ着用が義務付けられる(2020年から年齢が引き上げられた)
など、バイク用エアバッグはサーキット走行の安全装備の一つとして認知されつつあります。
最近は様々なバイク用エアバッグが開発されており、どのようなエアバッグが良いのか悩む人もいるのではないでしょうか?
そんな時は、hit-air(無限電光)から販売されている「RS-1」というエアバッグをおすすめします!
この記事では、実際にレースで使用していた筆者のレビューを交え、
- エアバッグの選び方
- RS-1の使用方法やメンテナンスについて
- RS-1の特徴やカラー、値段
といった内容をご紹介しますので、レースだけではなく、サーキット走行を楽しむ人は、ぜひご一読ください!
バイクレースの転倒は大きく2種類に分けられる
少しバイクの転倒についてご紹介します。
実際サーキットでのバイクの転倒は、
- スリップダウン
- ハイサイド
の2種類に分けられます。それぞれ見ていきましょう。
1.そのまま滑走していく「スリップダウン」
字のごとくスリップして「シャーッ」と路面を滑走します。
タイヤのグリップが無くなってそのままステンと倒れるような転け方で、意外とケガをするリスクが低いとも言えるでしょう。
レーシングスーツを着ているものの、アスファルトとの摩擦で火傷をしてしまうこともあります。
2.空中に投げ飛ばされる「ハイサイド」
ハイサイドと呼ばれる転倒はかなり危険です。
簡単に言うと、「タイヤが滑った!」と思って一瞬バイクが倒れます。
と思った途端、いきなりタイヤのグリップが戻り、反動でバイクが凄まじい勢いで立ち上がりますので、ライダーは真上に飛ばされます。
もっと簡単に言うと、ロデオで投げ飛ばされるシーンのようになります。
真上に飛ばされてから、アスファルト上に叩きつけられるため、下手をすれば骨折などの危険性が高いでしょう。
バイクレースの転倒でケガをする確率を高めるのは”衝撃の大きさ”
勘違いして欲しくないのが、転倒=ケガではないということです。
バイクレースで転倒といっても、大半が「スリップダウン」という転倒のため、身体は無傷の場合がほとんどです。※もちろん転け方にもよりますが
しかし、「ハイサイド」という転倒は高いところから地面に落ちるため、確実に衝撃が身体に伝わります。
この衝撃に身体が耐えられないときにケガをします。そして、衝撃の大きさがケガのしやすさに大きく関係しています。
レースでバイク用エアバッグを選ぶ基準は”動きやすさ”
バイク用エアバッグを選ぶ基準は、もちろん安全性を重視するものの、同時に動きやすさも重視しなければいけません。
バイクレースはライダーがバイクを左右に傾けたり、前後に体重をかけたりと、意外とたくさん身体を動かします。
レーシングスーツを借用するのはもちろん、内部に脊椎パッドやチェストプロテクターを装着しているため、この上からエアバッグベストを着用するとなると、動きやすさに影響してきますので、慎重に選ばなければいけません。
ベスト型を使用していたが大きすぎるのがデメリットだった
個人的な話になるのですが、レースを始めたばかりの時はベスト型のエアバッグを使用していました。
ベスト型は全体が膨らみ、お尻の方まで守ってくれるため、安全面で考えると申し分ありません。
しかし、大きくてゴワゴワしていた印象が大きかったですね。また、見た目もあまりカッコいいとは言えませんでした。
レーシングタイプが販売されてからバイク用エアバッグを着用することに違和感が無くなった
ほどなくして「RS-1」というレーシングタイプのエアバッグベストが販売されました。
こちらを使用してみると、コンパクトで全く違和感がなく、より一層ライディングに集中できるようになりました。
また、カラーリングも赤・青・黒・白と4種類あるため、レーシングスーツに似合った色を選ぶこともできますので、周りの人からもパッと見て違和感を抱かれなくなりました。
それ以降、全日本選手権でも使用するくらい、エアバッグは自分にとって欠かせないものになりましたね。
hit-air「RS-1」の3つの特徴
では、レースでの使用に適しているRS-1の特徴はどのようなものがあるのでしょうか?
- 胸部はもちろん、頸椎もしっかり守ってくれる
- 「Sシステム」の採用でエアバッグの展開が早い
- ワイヤーを後ろに付けているためライディングの邪魔にならない
順に詳しくご紹介します!
1.胸部はもちろん、頸椎もしっかり守ってくれる
バイクレースではスピードを出すため、スリップダウンの転倒でも勢い余って壁にぶつかってしまう可能性もあります。
そのような状況で頭をぶつけてしまうと頸椎に深刻なダメージを負ってしまう危険もあります。
RS-1のエアバッグの作動範囲は、胸部はもちろん、首の後ろにある頸椎もしっかりと守れるように作られているので安心ですね!
2.「Sシステム」の採用でエアバッグの展開が早い
RS-1は、エアバッグが作動してから膨張するまでの時間を短縮するhit-air独自のSシステムを採用しています。
- 通常のエアバッグシステム・・・0.5秒
- Sシステム・・・0.25秒
通常のエアバッグシステムよりもSシステムの方が半分の時間で展開されるため、レースシーンでも非常に安心ですね!
3.ワイヤーを後ろに付けているためライディングの邪魔にならない
通常のジャケットタイプの場合は、胸元から伸びているため、視界内でブラブラと揺れてしまうため、ライディングに集中できないことも考えられます。
しかし、RS-1は背中にボンベを搭載しているため、作動ワイヤーも背中から伸びていますので邪魔になりません。
ただし、バイクのアンダーカウル内にワイヤーを取付けれるようにする必要がありますが、簡単に穴を開けるだけで済ませられます。
実際にhit-air「RS-1」を使用して感じた良いところ
実際にRS-1を利用してみると、
- コンパクトで持ち運びも楽
- 雨でも問題なく使える
- 上半身は確実に守られる
という印象です。
まずレーシングタイプのRS-1は、ジャケット用と比べると非常にコンパクトであるため持ち運びも簡単にできます。
保管もハンガーに吊るすだけなので、レーシングスーツと一緒に置いておくこともできます。
また、RS-1の素材はポリエステルやナイロンのため、水に濡れても問題ありませんので、雨の走行でも問題なく使用できます。
さらに、エアバッグが展開されると上半身をぐるりと守ってくれるため、安心感からより一層ライディングに集中できます。
反対にhit-air「RS-1」の気になるところ
反対に、RS-1の気になるところは、
- コンパクトな分防御できる部分が限られる
- エアバッグが作動するとヘルメットへのダメージが多くなる
です。
まず、サイズが小さくコンパクトなRS-1は、その分防御できる範囲は限られてしまいます。
胸部、首回りをカバーしてくれるものの、ハイサイドで転倒した時に痛めやすい腰のガードができません。
当時唯一エアバッグを着用していた時に痛めていた部分は腰回りでした。
また、転倒してエアバッグが作動すると、自分の身体が風船みたいになるため、転がる可能性が高くなります。
転がってしまうと頭も地面にぶつけてしまうため、ヘルメットが傷だらけになることもあります。ただ、自分がケガをするのに比べるとヘルメットが傷ついてしまうのは軽いものですが…
hit-air「RS-1」のカラーバリエーション
RS-1は4種類のカラーバリエーションがありますので、自分のレーシングスーツに合わせて色を選べられます。
レッド
ブルー
ブラック
ホワイト
hit-air「RS-1」の値段
RS-1の定価は他のエアバッグベストと比べてやや高めの51,840円(税込)となります。
メーカーから直接仕入れると、定価で購入することになりますので、ネットで購入する方が安く購入できます。
- Amazon・・・46,200円
- 楽天・・・47,700円
- ヤフーショッピング・・・49,766円
※2019年6月19日時点の値段
hit-air「RS-1」のサイズの選び方
RS-1のサイズは、2種類となります。
- Medium ・・・S~Lサイズ対応
- XL ・・・XL~3XLサイズ対応
各サイズの目安は下記の表を参考にしましょう。
hit-air「RS-1」は洗濯できないため、汚れてきたら布で汚れを拭き取る方がいい
RS-1は洗濯できないため、汚れが目立ってこれば、洗剤を付けたタオルなどで汚れを拭き取りましょう。
また、どうしても水洗いした場合は、ハンガーなどに吊るし、シャワーで表面だけを洗い流します。
この時、エアバッグシステムのキー取り付け部分には水がかからないように注意しましょう。
レーシングタイプのエアバッグベストはRSタイチからも発売されている
レーシングスーツやライディングギアの販売で有名なRSタイチからもバイク用エアバッグベストが販売されています。
こちらもコンパクトで、キー部分はhit-air製とRS-1と同じであるため、信頼できますね。
値段も4万円ほどとRS-1と比べてお手軽価格となっています。
しかし、RSタイチのエアバッグは首回りしか守られません。RS-1の方が広範囲をカバーできると言えるでしょう。
そのため、安全性を考えるのであれば、金額が高くても広範囲をカバーできる、RS-1をおすすめします。
バイク用エアバッグhit-air「RS-1」はレースでは必需品
散々書きましたが、筆者自身エアバックに散々助けられてきましたし、知人もエアバッグのお陰で今生きていると言っても過言でない人もいます。
また、この先はレースエントリーする人は全員エアバッグを着用しなければいけないというルールもできるでしょう。
そのため、
- レースをしている人は安全にレースを楽しむために
- バイクに乗っている人はより一層バイクを楽しむために
- これからバイクに乗る人が安心してバイクに乗れるように
バイク用エアバッグが普及してほしいと思いますので、皆さんもぜひ使用してみてください!