バイクのリアシートに大きなツーリングバッグを積んでのキャンプツーリングやロングツーリングーー
バイク便やUber Eatsなど、バイクに荷物を積載するシーンは増え続けているとも言えます。
タイヤが直線上に2つしかついていないバイクはバランスの乗り物。車重が重くなると自由が効かなくなり、操作性に大きな影響を与えます。
しかも積載できるスペースも限られており、荷物を搭載させるときは荷崩れを起こさないような注意が必要です。
本記事では、バイクに荷物を積載するときに押さえておきたいポイントや、走行時や停止時などの注意点をご紹介していきます。
積載している荷物を落下させないようにしっかり固定させるのは必須
バイクの荷物を積載させるのは、車のトランクのように闇雲に突っ込んでしまえば良いというわけではなく、走行中に荷崩れを起こさないように工夫して積むことが非常に重要です。
バイクは加減速が大きく、コーナーではバンクさせますので、荷物をしっかり固定しておかなければ、道路に荷物を落下させてしまいます。
万が一、落下した荷物で事故を起こしてしまうと、自動車運転過失致死傷罪になり、7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金なることがあります。
実際、2011年横浜市の自動車専用道路で走行中のバイクから落下したバッグを後続のバイクに接触し、転倒した事故も発生しています。
基本的には、バイク専用のツーリングバッグを取り付け、その中に荷物を入れるようにしましょう。
また、やむを得ずバッグの外に固定するのであれば、専用のネットで固定する必要があります。ネットは100均でも売っていますが、伸縮部分が弱く、上手くテンションをかけられないため、あまりおすすめできません。
バイク用として専用に販売されているものを選ぶようにしましょう。
もし走行時に荷物を落下させてしまったら
もし走行中に荷物を落下させてしまっても、慌てて急ブレーキをかけることは絶対にやめましょう。
後続車に追突される可能性があるのはもちろん、ブレーキロックで転倒する危険もあります。
もし荷物を落下させてしまったことに気が付いたら、ハザードランプを点滅させ、路肩に車線を変更し、徐々に減速します。
高速道路や専用道路など交通量が多い時は自分で拾おうとせず、側道に設置されている非常用電話を利用し、道路管理会社に連絡しましょう。
また、近くに非常電話がなければ、携帯電話から道路緊急ダイヤル「#9910」に連絡します。
【走行時】バイクに荷物を積載した時に注意すること
バイクの荷物を積載すると、バイクの重量が一気に増大しますので、運動性能が劇的に落ちます。
普段乗っているよう速度や動作で走行するのは大変危険。次のようなことに注意しましょう。
- 速度を落として走行する
- 早めのブレーキをかける
- 横風などの走行風に気を付ける
- すり抜けは危険が沢山
①速度を落として走行する
当たり前のことですが、第一に言えることは、バイクに荷物を積載している時は速度を落として走行する必要があるということ。
タンデム走行をしているような感覚で、丁寧な動作を心がけましょう。
②早めのブレーキをかける
車体が重ければ重いほどブレーキの停止距離も長くなりますので、早めにブレーキをかけるようにしましょう。
特に下り坂では前方の車に近づきすぎていたにも関わらず、慌ててブレーキをかけたものの、思っていたよりも減速できず追突してしまったなんて話も聞きます。
急ブレーキは荷崩れの原因にもなりますので、なるべく早く減速を開始するのがセオリーです。
ただし、減速が必要だからと言って常にブレーキを引きずるのは避けなければいけません。
ブレーキは熱を持ちすぎると極端に効きが悪くなります。エンジンブレーキを多用して速度制御をするようにしましょう。
③横風などの走行風に気を付ける
荷物を積んでいる状態は表面積も広くなっていますので、横風の影響を受けやすいとも考えられます。
特に高速走路では速度域が高く、影響を受けやすく、気がつけば風に流されてしまうこともあります。
そのため、なるべく車線の真ん中を走り、しっかりニーグリップをして走るようにしましょう。
また、トンネルの出入り口やトラックの近くを走行するのは大変危険ですので、スピードを抑え、避けられるようなら極力避けて走行しましょう。
④すり抜けは危険が沢山
渋滞中にすり抜けることができるのもバイクの大きなメリット(厳密に言えばすり抜けはNG)ですが、サイドケースを積んでいたり、横幅をはみ出すほど大きな荷物を積載している状態でのすり抜けは大変危険です。
バッグが車のミラーに引っかかってしまったり、キャンプ道具の金具部分で擦ってしまうと取り返しがつかなくなります。
また、荷物が多いとすり抜け中急な割り込みや車線変更に出くわしたときの咄嗟の対応も遅れてしまいます。
最近の車はドライブレーコーダーが取り付けられていることが多いため、しっかり証拠が残されていますので、そのまま走り抜けるのは言語道断です。
すり抜けは沢山のリスクがあるので、できればやめておきましょう。
【停車時】バイクに荷物を積載した時に注意すること
明らかに運動性能が落ちてしまうため、前項でご紹介したように、走行時には気をつけなければいけないことが沢山ありますが、停止時にも注意しておきたいことがあります。
- 取り回しが重くなる
- スタンドがめり込んで転倒するリスクがある
- 積載品が盗難されるリスクもある
①取り回しが重くなる
たくさんの荷物を積載したバイクはかなり重くなっています。
例えば、バイクのキャンプ道具をしっかり積み込むと、30キロ近く重くなります。
この状態のバイクを押して歩こうと思うと、相当な体力が必要になります。ましてや登り坂になると、まるで何かの修行をしているかのような感覚に陥るほど大変です。
バイクの沢山積載しているときの押し歩きは、次のポイントを押さえておきましょう。
- タンクにしっかり腰を密着させ、腰から押す
- 登山をしているように歩幅を小さくする
また、このような状態で立ちゴケをしてしまったら、起こすのは相当大変。下手に1人で起こそうとするとm腰を痛めてしまうこともありますので、助けを求めるようにしましょう。
②スタンドがめり込んで転倒するリスクがある
バイクを停車させるときは、サイドスタンドをかけると思いますが、可積載で重量が重くなった状態では、サイドスタンドにかかる力も大きくなります。
そのため、足場が悪いところにサイドスタンドをかけると、スタンドが地面にめり込んで転倒する危険があります。
対策としてサイドスタンドがかかる部分にプレートを置く方法が考えられますが、いちいち持ち運ぶのも面倒なもの。そのため、専用のスタンドホルダーを装着しておくことをおすすめします。
③積載品が盗難されるリスクもある
キャンプツーリングなどでは、移動中にコンビニや道の駅に立ち寄ることもありますが、バイクから離れる際には、積載品が盗難されないようにする必要があります。
サービスエリアでトイレに行った際に積載品の中を漁られたなんて話も聞きます。
そのため、ツーリングバッグをネットで覆ったり、バッグのファスナーをロックできるものを使用したりして最大限の警戒はしておくようにしましょう。
まとめ
もう1度バイクに荷物を積載する時の注意点をおさらいすると、
- 速度を落とす
- 早めのブレーキ
- 走行風に気を付ける
- すり抜けはNG
- 取り回しが重くなる
- スタンドがめり込んで転倒する危険がある
- 積載品の盗難対策もする
となります。
バイクはバランスの乗り物であるであるため、荷物の積み方にも頭を使わなければいけませんので、車と比べると少々面倒かもしれません。
しかし、バイクならではの機動力は、やはり車と比べて大きく優れているのも事実です。
今回ご紹介した積載時の注意点をしっかり押さえておき、バイクの積載能力を最大限発揮できるように利用しましょう。