バイク乗りであれば必ず避けては乗れないのがバイクの盗難対策。
自宅での保管は完璧でも、ツーリング先での盗難対策って意外と難しいんですよね。
ツーリング先では監視カメラがあったり、地球ロックが出来る場所があるとはかぎりませんので、
- 観光していたらバイクが無かった
- 宿泊所でツーリングバッグが盗難された
なんてことも考えられます。
宿泊場所の駐車場所や、観光地の駐輪スペース、どんな人が目を光らせているかわかりません。
でも、ツーリング先で盗難にばかり考えていると、
バイクから目が離せなくて観光どころじゃない!
大きいチェーンロックは邪魔だから鬱陶しい!
なんて悩み出てくるもの。これでは楽しめるものも楽しめなくなりますよね。
また、ツーリング先ではバイクではなく、バックやヘルメットなど、ツーリングの装備が盗まれるケースが多いようです。
そこで本記事では、
- 実際に盗難にあった人の体験談
- ツーリング先で必要な盗難対策
についてご紹介していきますので、この機会にツーリング先での盗難対策について考えてみましょう。
ツーリング先で盗難にあった人のリアルな体験談
ツーリングバッグが丸ごと盗まれる
8月18日の夕方~翌19日の朝4時までの間に、難波・湊町バイク駐車場にてバイクに積んでいたツーリングバッグ丸ごと盗まれました。
話は遡ること17日の午後。
キャンプをしたくてウズウズしていた俺は、ランチ営業を終えて荷物を積み込み生駒へ。なんやかんや問題はあったものの、キャンプしたくてしょうがなかった俺は満足して星空のもと就寝。
翌18日、まっきーさんといずみちゃん、はじめましてのトムさんとの飲み会のため難波へ。
午後2時過ぎくらいに難波に到着し、18時までフラフラしてからみんなと合流。
その後みんなで楽しい時間を過ごし、19日の朝4時過ぎまでネットカフェで仮眠を取ってから駐車場に戻ると・・・。
開いた口が塞がらない
本来あるはずの大きな大きなツーリングバッグが無い。
この方はツーリング中にバッグを盗まれてしまったようです。
翌日に盗難されたカメラなどがヤフオクに出品されているのを発見し、警察と連携してなんとか取り返すことができたようです。
ツーリングバッグは大きいですから、ネットカフェなどを使う場合は取り外すのを躊躇しますよね。しかし格好の餌食となりますので、治安の悪い場所では面倒でも取り外すべきです。
続いてはバイクの集まる場所での盗難祭り…
鈴鹿サーキット駐車場でのヘルメット盗難祭り
鈴鹿サーキットはヘルメット盗難祭り中な模様。
鈴鹿にいる人もツーリング中の人も
ヘルメット盗難には気をつけて!ちゃんとヘルメットロックしましょう。
ロック無い人はコインロッカーに入れるか持ち歩きましょう。面倒くさがった結果、
ヘルメット盗まれて困るのはアナタですよ?#鈴鹿8耐— じゅんじゅん (@JunJun_Aniwota) July 27, 2019
「同じバイク乗りだから安心!」いやいや、全然そんなことありません。バイクの聖地鈴鹿…そんな場所だからこそ狙われるようです。
バイク本体への盗難も同じことが言えますよね。窃盗団は「毎日ここにバイクがある」という下調べを必ず行います。
運悪く窃盗団が実行する日に、あなたのバイクがあるかも・・ということも考えられます。
ツーリング先でイタズラにあった人のリアルな体験談
ツーリングでは盗難だけでなく、イタズラにあうことも。大体は県外ナンバーなどを見てちょっかいを出してくる人が多いそう。
あり金全部スラれた
軽いイタズラでもツーリング中だとダメージが大きいです。もうこの後楽しめなくなるなんてことも…
くれぐれも貴重品は肌身離さず身に着けておきましょう!
ツーリング先では盗難と同じくらい多いのが【イタズラ】
バイクによっては地元のヤンチャしている子を引き付けてしまう場合もあるようです。
盗難と同じくイタズラにも気を付けましょう。
結論→バイクはどこでも盗まれる
ここでちょっとバイクの盗難が行われる場所のデータを見てみましょう。
窃盗は住宅で行われるのが60%以上。次いで駐車場・駐輪場が18%となっています。
そして道路上が16%、ツーリングの具体的な数字ではありませんが、バイクの盗難被害は決して自宅だけではありません。
窃盗団は売れそうな珍しいバイクであれば、後をつけて犯行に及びます。
また、窃盗団の犯行の手口の中には張り紙をする方法もあります。張り紙に関してはこちらの記事でも詳しく紹介しています↓
バイクの盗難はどのようにされるのかを知って対策を考える
次に、ツーリング先の盗難はどのような手口でされているのかをご紹介します。
手口を知ることで盗難を未然に防ぐことができますので頭に入れておきましょう。
ボルトカッターでチェーンやロックを切断する
ボルトカッターと呼ばれるボルトやチェーンを切断する工具が存在します。しかもこれはホームセンターで簡単に手に入ります。
ボルトカッターがあると、チェーンの太さが20㎜以下であれば、大きな音もなく切断できてしまいます。
あまり大きなロックだと重量がかさばりツーリングの邪魔になってしまいますので、ツーリングが多いライダーはついコンパクトなロックを持っていきがちです。
まあ「プロの窃盗団が専門の工具を使えば、切断できないロックはない」とも言われていますので、最終的にはどの用意なロックでも解除されるのがオチではあります。
しかし大きいロックやチェーンロックのほうが、外す時に大きな音がしたり、電源が必要になりますので、周囲に気付かれやすくもなります。
チェーンロックは素人の窃盗犯を諦めさせる、もしくはプロの窃盗団が嫌がる効果もあると考えてください。
台車に載せて持っていく
ハンドルロックやチェーンロックなどをしていていても、タイヤを台車に載せて持っていく方法もあります。
その気になれば、バイクの移動は最低2人いれば簡単に出来てしまうんですよね。
そのためチェーンロックを柱などの固定物に繋げるなどの対策が必要です。
ちなみにこの方法を地球ロックと言います。
チェーンロックは切断工具があれば切られてしまいますが、地球ロックすることで見た目上しっかり固定しているようにも見せかけられるため、犯行をを諦めさせる効果にもつながります。
お構いなしに担いで持っていく
さらに荒っぽい方法として、担いで持っていく手口もあるようです。
原付や原付二種などできる車種は限られますが、軽いバイクは簡単に持ち上げられます。
しかも持ち上げてハイエースに積まれてしまえば外から見れませんのでおしまいです。
バラしてパーツで売られるか、海外に持っていかれるかですので、見つけるのはほぼ不可能と思っておいた方が良いでしょう。
また、シャッター付きのガレージに入れたからと言って安心してはいけません。
窃盗団はシャッター内に侵入することも簡単にできます。カメラも簡単に無力化でき、シャッター内で身を隠しながら落ち着いて作業ができます。
バイク窃盗を防ぐ手段は無いが【予防】することはできる
プロのバイク窃盗団の男が手口を公開したという記事があります。「まさ」と名乗る男によると、「プロが狙って盗めないバイクは無い」とのこと。
その手法によると「狙ったバイクのオーナーに話しかける」事から始まり、会話をしていくうちに「どんなロックを使っているのか?どんな保管状況なのか?」を聞き出すことができるようです。
バイク乗りなら「僕もバイク乗ってるんですよー」とフレンドリーに声をかけられたら、つい話し込んでしまいますよね。
それが実は窃盗団に情報を与えることになっていたようです。
そんな「まさ」の推奨する窃盗団対策。それは、
- どこでも必ずカバーをかける
- 必ず地球ロックをする
- バイク査定のチラシを張っておく(他の窃盗団に狙われている演出をするため)
ということ。
「まさ」いわく、
1か月以上同じ場所で仕事をしたことが無い
走っているバイクで、珍しくて売れそうなら後をつけて窃盗する
と説明しています。ツーリング中でも窃盗団に目を付けられる可能性は十分にあるということですね。
ツーリング先で盗難被害にあったときにするべきこと
もしツーリング先で盗難の被害にあってしまったらどうするべきでしょうか?ここでは、被害にあった後にやるべきことを順に説明します。
- 警察に連絡する
- 現場の状態はそのままにして写真を撮っておく
- 自分のバイクと証明できるものを用意しておく
- 最寄りの警察署に行き「盗難届」を提出する
- 保険会社に連絡する
- 家に帰ったら市役所で税金の手続きをする
- ネットオークションをチェックする
- 弁護士を入れることも考える
①警察に連絡する
落ち着いてまずは警察に連絡しましょう。
盗難された物が高価な物なのか、中には何が入っていたのか、警察に報告することから始まります。
盗難届を提出することで、盗まれたバイクで事故→放置という状況になっても、盗まれたバイクである証明になります。
②現場の状態はそのままにして写真を撮っておく
次に写真撮影です。そこに確かに盗難された物やバイクがあったことを説明するのに、言葉だけでは上手く伝わりません。
なるべく早く写真を撮影することで、警察にも伝わりやすくなるでしょう。
③自分のバイクと証明できるものを用意しておく
バイクの盗難をされたのであれば、自分のバイクと証明できるものを用意しておきましょう。
スマホの写真や、キー、車種やカラーなどわかりやすい物があれば最適です。
④最寄りの警察署に行き「盗難届」を提出する
盗難届を提出することで、バイクや物が発見されたときに自分の所有物であることを主張できます。
ツーリング先でもこれは必ずしましょう。
⑤保険会社に連絡する
バイク乗りであれば盗難保険に入っている人が多いと思います。自分の加入しているバイク保険を確認し、保険会社に連絡しましょう。
もし盗難保険に加入していなければ、ZuttoRide Clubという盗難保険が一番お手軽です。
⑥家に帰ったら市役所で税金の手続きをする
万が一バイクが盗まれたままだと、税金も支払わなければいけません。そこで市役所で盗難されたことを忘れずに申告します。
バイクが発見されればいいですが、盗まれたままのバイクに税金を払い続けるのは辛いですからね。
⑦ネットオークションをチェックする
残念ながら警察のバイク窃盗に対する捜査はあまり熱心ではありません。それほど逮捕・起訴まで持っていけるケースが少ないと言えます。
そこで、自分の手でネットオークションをチェックします。
自分のバイクの特徴は自分が一番よく知っていますから、意外と見ただけでピンとくることがあります。
過去にはこの手法で自分のバイクやパーツを発見し、警察に連絡、見事取り戻したケースも報告されています。
⑧弁護士を入れることも考える
窃盗した犯人を特定できても、自分の思うような結果にならないことがあります。
過去の判例ではバイク窃盗の被告人に対する処罰として、そのバイクの販売価格に上乗せされた金額を示談金で支払うという場合がほとんどのようです。
しかも、執行猶予がつく判例ばかりですので、刑務所に入れられることは稀です。
時効も7年ですので、それを過ぎてしまったら検察が起訴することはできなくなってしまいます。
自分の愛車を窃盗した犯人に対する感情としては、相当ではないと感じるでしょう。
そこで最終手段は弁護士を入れて民事で訴えること。覚えておくといいかもしれませんね。
バイク窃盗の罪は10年以下の懲役50万円以下の罰金
愛車を盗まれた気持ちはさておき、法律ではバイクの窃盗には10年以下の懲役と50万円以下の罰金が課せられます。
しかも執行猶予が付くケースがほとんどですので、盗まれた側からすると、「ちょっと軽いのでは!?」と感じますよね。
ツーリング先で盗難にあわないための予防策
ツーリング先で盗難にあわない為には、窃盗犯が嫌がる事をすること。ツーリングの邪魔にならない程度の安心は備えるべきでしょう。
ここでは予防策についてご紹介していきます。
- 地球ロックをする
- 極力バイクから目を離さない
- ハーレーやスーパースポーツは特に注意
- 防犯対策がしっかりしている駐輪場を選ぶ
- グッドライダー防犯登録に加入する
地球ロックをする
チェーンロックを柱などの動かない物に繋げることで、地球ロックという状態にすることができます。
地球ロックは盗難予防に効果的であると言われており、ツーリング先ではなるべく地球ロックができる場所に駐輪するといいでしょう。
もちろんその気になればロックも簡単に切られてしまいますが、それでも盗難予防には効果的です。
しかも地球ロックはイタズラの防止にも役立ちます。
極力バイクから目を離さない
どうしてもバイクの事が気になってしまうのがバイク乗り。割り切って極力バイクから目を離さないのも1つの方法です。
例えばランチなどで店に入っても、自分のバイクが見える場所に座ると安心ですね。
ハーレーやスーパースポーツは特に注意
バイクで狙われやすいのは、なんといっても高価なバイク。特に盗難されやすいのはハーレーやスーパースポーツなどが代表的です。
また、ネイキッド系バイクも暴走族に狙われやすいです。
それも400㏄のホンダCB系などもですね。
それ以外にも、
- ヤマハ・・・マジェスティ
- カワサキ・・・ゼファー
- スズキ・・・インパルス
なども狙われやすいです。
防犯対策がしっかりしている駐輪場を選ぶ
防犯対策がしっかりしている駐輪場を使うことで、ツーリング先での防犯予防は確かなものになるでしょう。
警視庁HP
- 安易に人が入場できない構造になっており、車体をつなぐ固定物がある。
- フェンス等が設置してあり、夜間でも照明設備で明るさと見通しが確保されている。
- 管理人が常駐している。または、防犯カメラが設置されている。
これらの条件が整っている駐輪場を探すのは大変かもしれませんが、都市部であれば日本二輪普及安全協会から検索することもできます。
グッドライダー防犯登録に加入する
グッドライダー防犯登録に加入しておけば、万が一盗まれたバイクが販売店に売られても中古市場への流出を防ぐことができます。
また、このステッカーを貼っているだけでも十分予防効果があります。
ツーリング先でも役立つおすすめ盗難対策アイテム
普段使いと違い、ツーリング先では盗難対策グッズを持ち歩きにくいという欠点があります。
特にチェーンロックなどは、安全性と重さは比例しているのでツーリングでは邪魔になってしまうことが多いようです。
そこで、極力持ち運びやすくて安全性もある程度確保されているおすすめの盗難対策アイテムをご紹介します。
キタコロック
チェーンロックでは最強と言われるロックです。
プロの窃盗団でも最新の切断道具を用いないと破壊できないと言われています。
ツーリング先での治安が不明な場合は、このキタコロックで地球ロックをしておけば安心でしょう。
欠点は重量がかさむことと値段が高いこと。しかし愛車を守るために割り切って持っている方が良いでしょう。
アラーム付きディスクロック
アラーム付きディスクロックはディスクブレーキに付ける盗難予防アイテムです。
ポイントは小さくても頑丈な事やチェーンロックと違い、切断しにくいことが挙げられます。
さらにアラーム付きなら大きな音を嫌う窃盗犯を諦めさせる効果が高いです。
問題は、慣れないとディスクロックを付けていることを忘れてしまうこと。見えにくいロックなので、自分でも忘れてしまうんですよね。最悪ディスクブレーキが破損してしまうこともあります。
ディスクロックを付けている時はコイルキーホルダーなどを使用してハンドルディスクロックからハンドルにかけて繋いでおくと気付きやすくなるでしょう。
アラーム付きで付けていることを忘れないリマインダーがある製品もおすすめです。
また、傾斜センサーなどがついた自動アラームもおすすめです。
バイクから離れると自動的にロックがかかるので、わずらわしい手間もありません。
GPS発信器
窃盗のプロにはバレますが、そうでないならGPS発信機はとても効果的です。
小さくてほとんど目立ちませんので、いざという時に愛車を取り戻すことができるかもしれません。
バイスガード
バイスガードはフロントブレーキレバーを握り込む形式で、アクセルとブレーキをロックし、アラームと光で窃盗犯を威嚇します。
切断される怖れが無く、かつ簡単に取り付けられるタイプです。
台車などを用意されたらひとたまりありませんが、ちょっとした休憩でも簡単にロックすることができますので非常に便利。
バイクカバー
プロの窃盗団ににらまれたら、どんなバイクでも盗まれてしまいます。
そうならない為には、バイクに常にカバーをかけておくことが大切。荷物を下ろさないでもかけられるバイクカバーがあると便利です。
最終的な対策は【盗難保険】に入って備えておくこと
盗まれないという対策になっていませんが、最終的な盗難対策は、盗難保険に入っておくことでしょう。
また、車体だけでなくパーツも簡単に取り外せるバイクは、部品だけ取られたなんてことも十分あり得るのです。
繰り返しになりますが、最近は盗難技術も進化していますので、100%完璧に盗まれないようにすることはできません。
そのため万が一盗まれた時を想定し、盗難保険に加入することは、もはや現代のバイク乗りにとって当たり前なのかもしれません。
おすすめはパーツ保証やロードサービスが付いているZuttoRide Clubと呼ばれる盗難保険でしょう。
公式サイトから簡単に申込みができ、入金確認ができ次第保険が開始しますので、近々ツーリングに行く予定がある人はサクッと加入しておきましょう。
※ZuttoRide Clubの加入方法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています↓
まとめ
バイクの窃盗は年々減少しつつあるものの、2018年度で1万5千件、検挙率は17%ほどです。
愛車を盗まれる被害をこれだけの人が受けています。この中にはツーリング先で盗まれた人もいるでしょう。
向かった先で、どんな出会いがあるのかわからないのがツーリングの良いところでもありますが、窃盗犯と出会ってしまうことだって考えられるのです。
最悪な思い出にならないよう、防犯対策はしっかりと立てていきましょうね。