ここでは、バモスのエンジンオイル/オイルフィルターを自分で行う方法について詳しくご紹介していきます。
バモスのエンジンは車体後方に配置されていますので、一般的なFFの車とは違う位置にオイルフィラーキャップやオイルレベルゲージがあります。
また、オイル交換作業は地面に寝転びながらの作業n なりますので、手やズボン、服などを汚すことがあります。
そのため、作業自体が面倒だと思う人や、服が汚れるのが嫌な人には、オイル交換は向いていない作業かもしれません。
しかし、一度道具を揃え、コツさえ掴んでしまえば、作業自体は意外と簡単。慣れると時間もほとんどかかりませんので、メリットはしっかり感じられます。
ぜひ参考にしてみてください。
バモスのエンジンオイル交換頻度は3000㎞に1回
一般的に推奨されている交換頻度は半年または5000㎞に1回とされています。
しかしバモスは軽自動車ですので、どうしてもエンジンの高回転域を多用する機会が多くなり、自ずとエンジンへの負担が大きくなります。
また、バモスのエンジンは構造上オイル上がりが起こりやすいことでも有名です。
※中には1000㎞走行時で1リッター減るという話もあります。もし、訳あってオイル交換ができない状況になるのであれば、最悪オイルを継ぎ足す必要があります。
そのため、バモスのエンジンオイル交換頻度は、3000㎞に1回をおすすめします。
オイルフィルターの交換頻度は5000km毎が一般的とされています。オイル交換2回に1回の頻度で交換するようにしましょう。
バモスのオイルレベルゲージとオイルフィラーキャップの位置はエンジンが縦置きか横置きかで異なる
実はバモスのエンジンは、縦置きと横置きの2種類があり、オイルレベルゲージとオイルフィラーキャップの位置が異なります。
なぜこうなったかと言うと、開発当初は3速AT、5MTをラインナップしていたのですが、後に4速AT車やターボ車(ホビオ)などを追加した際に、ミッションが横に収まらなくなったためとされています。
オイルフィラーキャップは車体後方左側に存在します。また、オイルレベルゲージは左後輪タイヤのホイールハウスの位置にあります。
オイルフィラーキャップはヘッドカバー上、オイルレベルゲージも同様の位置にあるため、後部座席を取り外し、シートを捲った先にある蓋を取り外す必要があります。
横置きエンジンはエンジンルームにたどり着くことなくオイル交換ができるようになっています。
また、ミッション形式によって横置きか縦置きかがわかります。
- 横置き・・・3速AT、5MT
- 縦置き・・・4速AT(ターボ車は全てAT)
※ちなみに同系列のアクティも同じです。
バモスに必要なエンジンオイル量・推奨粘度
必要なエンジンオイル量、推奨粘度は、バモス・バモスホビオ問わず次のようになります。
指定オイル量 | 推奨粘度 | 推奨グレード | |
NA車 | 2.7〜3.0L | 0W-20/5W-30 | SJ/SL |
ターボ車 | 2.8〜3.0L | 5W-30 | SJ/SL |
※オイルフィルターの型番はメーカーによって異なりますので、購入する際はお店にある適合表で確認してください。
レンチNoは全て65です。
ただし、オイル量はあくまでカタログ値であり、実際には個体差もありますので、少し多めに用意することをおすすめします。
バモスのエンジンオイル/フィルター交換に必要なもの
交換に必要なものは、次の通りとなります。
※オイル交換のみ場合は、オイルフィルターは必要ありません。
エンジンオイル
グレードや銘柄は様々あります。
バモス用のおすすめのエンジンオイルは、後半部分でご紹介しています。
オイルフィルター
オイルを濾過する部品です。
一般的な交換頻度は5000kmに1回とされていますので、オイル交換2回に1回の頻度で交換する必要があります。
ドレンワッシャー(14mm)
ドレンプラグとオイルパンの隙間に噛ませるワッシャーです。
オイル交換毎に新品に交換しておきたいので、複数枚セットで購入しておくと良いでしょう。
ホームセンターなどではホンダ用の14mmのものを選びましょう。
オイルジョッキ
オイルの量を測ったり、注ぎ口に入れるためのものです。
小さくても何度も分けて注げばいいので、大きさは何でも構いません。
オイル受け皿
オイルパンから出てきた古いオイルを入れる受け皿です。
バモスの場合は容量3リットル以上のものを用意しましょう。
ウエス
オイルを拭き取る際に使う布です。
キッチンペーパーなどでも代用できますが、強度が弱く、すぐにボロボロになってしまいますので、布製のウエスを購入しておく方が良いでしょう。
パーツクリーナー
オイルの汚れを綺麗に落とすためには、パーツクリーナーが必要不可欠です。
ホームセンターで売っている1本200円くらいのものでも構いませんが、速乾性ですぐに乾いてしまいますので、お金に余裕があれば、中乾性のものを選ぶのも良いでしょう。
ワコーズのものはある程度値段もしますが、内容量が多く、洗浄性も優れているためおすすめです。
カースロープ
比較的車高が高いバモスだと、そのままの状態でもオイル交換ができますが、さすがに体勢がキツくなるため、少しでも車体を持ち上げて作業をしたいところです。
カースロープがあれば、ジャッキを使わず車を移動させるだけで簡単に車高が上げられます。
適度な大きさの木の端材でも代用できますが、持ち運びが不便ですので、できれば市販のカースロープを使いたいところです。
ジャッキスタンド/ジャッキ
もちろんカースロープではなく、油圧ジャッキでも車体を持ち上げられますが、信頼できるメーカーのものでないとジャッキアップした際に油圧が抜けて徐々に沈んでくることもあります。
そのため、必ずジャッキスタンドを使って車体を固定するようにしましょう。
廃油処理箱
オイル交換の際の一番のネックは、抜き取った廃油の処理に困ることではないでしょうか。
ガソリンスタンドやカー用品店で引き取ってくれるところもありますが、有料であったり、そもそも引き取ってくれなかったりします。
廃油処理箱があれば、そのまま可燃ごみとして処分できます。オイル交換の際は準備しておきましょう。
使い捨て手袋
エンジンオイル交換の際は、必ずと言って良いほど手がベトベトに汚れてしまいますので、使い捨て手袋は必需品です。
肌が弱い人は2重に付けるようにしましょう。
バモスのエンジンオイル/フィルター交換に必要な工具
バモスのエンジンオイル交換に必要な工具は、次の通りとなります。
必要工具はさほど多くはありませんが、オイルフィルターレンチは本作業用の専用工具になりますので、新しく購入する必要が出てくると思います。
めがねレンチ
バモスのドレンプラグは17mmのレンチで緩めることができます。
ドレンプラグは舐めてしまうと非常に厄介ですので、できれば精度の高いメーカーのものを選びましょう。
また、カップ型のフィルターレンチは回転させるために頭の部分にレンチをかけるところがあります。今回使用したものは、21mmのレンチ用でした。
フィルターレンチ
チェーンタイプやバンドタイプなど様々なものがありますが、カップタイプだとオイルフィルターを傷付けずに脱着でき、価格も安価です。
トルクレンチ
ドレンプラグを締める時に使用します。
バモスのオイルパンはアルミ製ですので、できればネジ山を傷めてしまわないように、精度の高いものを選びましょう。
また、トルクレンチを使用する際には、14mmのソケットも必要です。
バモスのエンジンオイル/フィルター交換の手順
火傷の期間がありますので、オイルを抜く際は、走行後などオイルが温まっていない時に行うようにしましょう。
- 車体をジャッキアップする
- 古いエンジンオイルを抜く
- ドレンプラグを締める
- オイルフィルターを新しいものに交換する
- 新しいエンジンオイルを入れる
- オイル漏れがないか確認する
①車体をジャッキアップする
まずは車体をジャッキアップして、身体が入るスペースを確保します。
今回は油圧ジャッキを使って車体を持ち上げていきます。
車体を持ち上げたらシャッキアップスタンドをかけて車体を固定します。
できればフロントタイヤに車留めをしておくと、より安全に作業ができます。
※後輪が浮いてしまっている状態のため、サイドブレーキをかけてギアを入れても動き出しを防止をすることができません。
寝転んで作業をするのに備えて、地面に段ボールを敷いておきましょう。段ボールだと、滑りが良くて適度にクッション性もありますので、快適に作業が進みます。
②古いエンジンオイルを抜く
ドレンプラグを外す前に、オイルの抜けを良くするためにあらかじめオイルフィラーキャップを開けておきます。
横置きエンジンのバモスのオイルフィラーキャップは、写真のようにリアゲート右下にある突起を引っ張ると開きます。
このようにフューエルキャップのようになっています。キャップを外しておきましょう。
次に、後方からエンジン部分を覗き込みます。
オイルパン手前にドレンプラグがありますので、めがねレンチを使って緩めていきます。
手で緩めるのは意外と力が必要ですので、レンチをしっかりかけ、レンチの先端を軽く叩きながらトルクをかけて緩めるのが良いかもしれません。
オイルが勢い良く出て受け皿を飛び出してしまわないように、オイルの軌道上に受け皿を置き、ドレンプラグを外します。
オイルの出が弱まってくると、オイルが真下に落ちます。
また、風があるとオイルが煽られてあらぬところに落ちてしまうこともありますので、できる限り広範囲をカバーできる位置に置く必要があります。
うっかり受け皿の中にドレンプラグを落としてしまわないようにも注意しましょう。
③ドレンプラグを締める
オイルが完全に出きったら、ドレンプラグを締めていきます。
この時、ドレンワッシャーを新品に交換し、トルクレンチを使って規定のトルクで締めていきます。
ドレンプラグの締め付けトルクは4.0 kgfmとなります。
ドレンプラグを締め付けた後は、パーツクリーナーを使って周囲に垂れたオイルを落としておきます。
④オイルフィルターを新しいものに交換する
次に古いオイルフィルターを取り外します。オイルフィルターはドレンプラグの反対の位置にありますので、少し奥に潜り込む必要があります。
カップ型のフィルターレンチだと、このようにめがねレンチと併用して使います。
オイルフィルターを緩めると古いオイルが漏れてきますので、必ず受け皿を下に置いておきましょう。
また、フィルター内には古いオイルが入っていますので、十分注意しましょう。
取り外しが完了したら、パーツクリーナーとウエスを使い、パッキンの接地面を綺麗に磨いておきます。
新しいフィルターのパッキンには、締め込む際に金属面との接触で傷めてしまわないように、あらかじめエンジンオイルを塗っておきます。
フィルターを取り付けていきます。
トルクレンチで締め込む場合は、締め付けトルクは1.0〜1.4 kgfmとなります。
ただし、締め付けトルクが低すぎるため、大体のトルクレンチでは対応できませんので、手締めになると思います。
その場合、まずはパッキンがオイルパンに当たるところまで手で締め込んでいきます。
次に、そこからレンチを使って3/4回転締め込んでいきます。
感覚的にもう少し強く締めてもいいのではと思うかもしれませんが、強く締めすぎるとパッキンを傷めてオイル漏れを引き起こす危険がありますので、そこでやめておきましょう。
オイルフィルターを締め込んだら、パーツクリーナーを使って周囲のオイルを取り除いておきます。
⑤新しいエンジンオイルを入れる
一気に規定の量を入れると入れすぎてしまうことがありますので、2Lほど入れたら、オイルレベルゲージで実量を確認しながら少しずつ足していくようにしましょう。
横置きエンジンのオイルレベルゲージは左ホイールハウス内にあります。
まず先端のゲージ部分をウエスで拭き取り、再び抜き差しし、オイルが付着している位置で判断します。
写真のように網目の範囲内にあればOKです。
⑥オイル漏れがないか確認する
オイルを入れ終わったら、エンジンをかけ、しばらく暖気をします。
その後、ドレンプラグとオイルフィルターからオイルが滲んできていないか確認し、問題なければジャッキスタンドを外し、作業終了です。
廃油処理箱はインシュロックで口を塞いでおきましょう。
オイル交換を自分でするのとお店に交換してもらうのではどっちがお得なのか
もし、ディーラーやカー用品店にオイル交換を依頼した場合、工賃は500〜2500円ほどが相場となります
手間を考えると、ディーラーやカー用品店に依頼してしまう方が良いとも考えられますが、お店の場合だと、余計なグレードのエンジンオイルを勧められるなど、不要なセールを受けることがあります。
また、あらかじめ予約をしておかなければいけないところもありますので、持って行くのに手間がかかることもあります。
自分でエンジンオイル交換をするのであれば、工具を揃えるのにお金がかかることもありますが、慣れれば15分ほどで交換できますし、自分の好きなオイルを入れることができます。
バモスにおすすめのエンジンオイル
バモスのエンジンオイルは頻繁に交換するので、高品質なものより、コスパを考えたものを購入する方が良いでしょう。
置き場所に困らないのであれば、20リットル缶で購入すると、より安く手に入れることができます。
コスパと信頼性の両立を考えておすすめのエンジンオイルは、次の3つとなります。
カストロール GTX ULTRACLEAN 5W-30
- 粘度・・・5W-30
- 価格・・・4L 2,999円(2022年3月時点※Amazon)
通常、価格を抑えたオイルを探すとなると、鉱物油となることが多いのですが、本製品は部分合成油で優れた保護性能を保ちつつリッターあたり749円と、かなりリーズナブルな価格となっています。
また、燃費性能も考えられた設計となっていますので、経済的なオイルと言えるでしょう。
- 部分合成油でエンジン保護性能が優れている
- 省燃費性能もある
- エンジンスラッジの発生を抑制
76 (ナナロク) エンジンオイル 5W-30
- 粘度・・・5W-30
- 価格・・・4L 3,000円(2022年3月時点※Amazon)
優れたし潤滑機能と高温時の熱的劣化耐性が優れているため、ターボ車のおすすめのエンジンオイルです。
また、エンジンの錆や腐食も防ぐ機能も高いため、交換タイミング時期を延ばしてしまっても安心です。
- 優れた潤滑機能
- ターボ車におすすめ
Honda ウルトラ LTD SN/GF-5 5W30
- 粘度・・・5W-30
- 価格・・・4L 3,100円(2022年3月時点※Amazon)
ホンダ純正のエンジンオイルで、その信頼性は抜群。幅広い車種に対応したスタンダードなエンジンオイルです。
使用ユーザーからの評価も高く、選んで間違いのないオイルです。
- 安心のホンダ純正オイル
- 寒暖差が多い地域の人からも高評価
おすすめのオイルについてもう少し詳しく知りたいという方は、こちらも参考にしてみてください。
まとめ
エンジンオイル交換やオイルフィルター交換は、そもそも必要な工具が少なく、作業自体もさほど難しくはありません。
しかし、作業に慣れていないと手や服を汚したり、オイル漏れを起こしてしまうこともありますので、事前に手順を熟知しておく必要があります。
本記事を参考に、ぜひ挑戦してみてください。