スクーターレースはレース用車両というものがありませんので、市販されているバイクを自分たちでレギュレーションに合うようにセッティングしていきます。
街中を走っているスクーターでもハイグリップタイヤを装着して保安部品を外せば、サーキットでもしっかり走るポテンシャルを持っているんですよね。
ここでは、スクーターレースで人気があるおすすめバイクの選び方、おすすめのスクーターをご紹介していきます!
これからスクーターレースを始めたいとお考えの人は、ぜひ参考にしてみてください!
スクーターレース用バイク選びの時に考えておくこと
まずは少しスクーターレース用バイクを選ぶ時に確認しておきべきことをご紹介します。
スクーターでサーキットを走ろうと考えると、保安部品を外したりサーキット用にチューニングしたスクーターを利用するため、街乗り用としてではなくサーキット専用バイクとして所有することがほとんどです。
そのため、新車がいいのか、中古バイクがいいのかも悩むと思います。
結論から言うと、
- スクーターレースをどれくらいの頻度で行うか
- レースで上位を目指すのか
によって決めるといいでしょう。
レースを初めてたくさん練習するのであれば転倒もしてバイクを壊してしまうかもしれませんので、中古のバイクのほうが良いかもしれません。
もちろんレースを始めたばかりの人でも新車をで初めても問題ありません。故障もバイクの癖もありませんので、上達するのが早くなることも考えられます。
また、レースで上位を狙うのであれば、少しでも状態の良いバイクの方が有利ですので、迷わず新車を買うことをおすすめします。
中古車・新車についてもう少し詳しく見ていきましょう。
ガッツリ練習するのなら【中古】のスクーターでも良い
まずは中古で購入する場合を考えてみましょう。中古のスクーターは値段の相場も安く、簡単に手に入るメリットがあります。
ヤフオクで調べてみると、新車の3分の1くらいの価格で販売されてることも少なくありません。
- 安く買える可能性がある
- 中古部品も手に入りやすい
- 思いっきり攻められる
- 状態が悪いバイクを買う可能性がある
- 消耗品を交換しなければまともに走れないものもある
そのため、中古のスクーターを買う場合は割り切って練習用・スペア部品取り用として購入する方がいいかもしれませんね。
本格的にレース参戦するのであれば思い切って【新車】を買うのもあり
反対に新車で買うと、不具合はほとんどありませんし、エンジンもパリッとしていますので、メカニカル面での不満はまずないでしょう。
ただし、新車ですので当然価格が高いのがネックになりますので、装備品から揃えようと考えているレース入門者からだと、ちょっとハードルが高いかもしれませんね。
- 不具合が起こりにくい
- エンジンや駆動系パーツの状態も良い
- 本体価格が高い
- レース使用に改造しなければいけない
- 転けられないというプレッシャーを感じるかも
バイクの状態としてこれ以上ないコンディションですので、レースで本格に的に上位を目指したいのであれば、必ず新車を購入した方が良いでしょう。
スペアパーツの確保も忘れずに
スクーターを手に入れる時に忘れてならないのが、スペアパーツ。サーキット走行は普段よりもエンジンを回し、スピードが出る状態が続きますので、
- 風圧
- エンジンの振動
- 路面のギャップ
などが大きくなります。この状態が続くと部品劣化の進行具合が早くなり、走行する度各部分に不具合が生じ始めます。
そう考えると、修理パーツやスペアパーツの用意は欠かせません。
状態によっては部品取りとして数万円程度の中古車を1台購入しておいても良いかもしれませんね。
スクーターレースにおすすめのバイク7選!
それではスクーターレースにおすすめのバイクをご紹介していきます。タップしたらその車種に飛ぶことができますので、気になるバイクがあったら気軽に調べてみてください!
もちろんこれ以外にもたくさん存在しますが、近年で最もよく使われる車両をまとめると、上記の車両となります。
また、この車両たちはWEB上でも比較的情報が多く、部品も手に入れやすい特徴がありますので、スクーターレースを始めやすい車両なのです。
それぞれ詳しくご紹介していきますね。
ホンダ Dio(ディオ)
ホンダのスクーターの中では長い歴史があり、年式によって2ストロークエンジンと4ストロークエンジンが存在します。
1988年の販売以来、ほとんど原型を変えることなく進化し続けてきたスクーターで、「ホンダのスクーター言えばDio」と言われるほどの地位を築いてきました。
特に初代~3代目までのモデルに搭載された2ストロークエンジンはパワーと扱いやすさが兼ね備えられたエンジンとなっており、故障も非常に少なく優秀なエンジンでした。
また、4代目からは時代の流れから4ストロークエンジンへと変更され、よりマイルドな乗り心地へと変わっていきました。
現行モデルはPGM-FIが搭載され、燃費も改善されていますので、一般ユーザーからはかなり人気が高いスクーターとなっています。
Dioの基本スペック(現行モデル)
型式 | JBH-AF68 |
全長・全幅・全高(mm) | 1,720×650×1,020 |
車両重量(kg) | 81 |
エンジン種類 | 空冷4ストロークOHC |
総排気量(cm3) | 49 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 2.8[3.8]/8,250 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 3.7[0.38]/7,000 |
タンク容量 | 4.6 |
タイヤサイズ(前) | 80/100-10 46J |
タイヤサイズ(後) | 80/100-10 46J |
価格※新車 | 164,160円(税込) |
Dioの主な参戦可能クラスは、
- FNクラス
- FP
- SN50
- FP4-50
などです。
タイヤサイズは10インチ。FPクラスでは「ディオZX」が使われることが多くなっています。
ディオ系はキャブの位置がエアクリーナーのすぐそばにあるので、面倒なカウルやメットインを外す必要がありません。初心者でも整備が簡単です。
また、中古部品もたくさん出回っていますので、これからレースを始める人でも長く続けられるバイクとも言えますね。
Dioの走行動画
ヤマハ Jog(ジョグ)
バイクメーカーとして長年ライバル関係を結んでいたホンダとヤマハが手を組んで開発したJog。Dio同様、2ストロークと4ストロークと存在します。
現在はホンダの熊本製作所で製造されていますが、少し前までは台湾ヤマハで製造されていましたので、どちらかと言えばヤマハブランドとして認知されています。
Jogはシート高が低く低重心であるため、コーナーでの安定感も優れています。
また、現行モデルは4ストロークとなり、80キロ近い重量となっていますが、トルクのある4ストロークエンジンを搭載しているため重さのネガはあまり感じません。
さらにJogも人気スクーターであるため中古部品も多く手に入る特徴もあります。
Jogの基本スペック(現行モデル)
型式 | 2BH-AY01 |
全長・全幅・全高(mm) | 1,675×670×1,040 |
車両重量(kg) | 78 |
エンジン種類 | 水冷4ストロークSOHC |
総排気量(cm3) | 49 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 3.3(4.5)/8,000 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 4.1(0.42)/6,000 |
タンク容量 | 4.5 |
タイヤサイズ(前) | 80/100-10 46J |
タイヤサイズ(後) | 80/100-10 46J |
価格※新車 | 170,500円(税込) |
Jogの主な参戦可能クラスは以下の通りです。
- 2ストローク・・・FNクラス・FPクラス
- 4ストローク・・・SN50クラス・FP4-50クラス
タイヤサイズは10インチとなっています。近年は2ストのカテゴリーでも4ストのカテゴリーでもこのジョグが1番人気です。
人気の理由は様々ですが、エンジン特性やフロントのブレーキがディスクブレーキのモデルやドラムブレーキモデルから選ぶことができるのも人気の理由の1つかもしれません。
Jogの走行動画
ヤマハ ビーノ
ヤマハのビーノはポップなデザインで女性からも人気があるスクーターです。エンジンは4ストロークで、走行中も大きなエンジン音が発生しません。
シート下には大きな要領の収納を備えている実用性の高いモデルとなっていますが、もちろんビーノだってサーキットで走らせることもできます。
しかも壊れにくいエンジンを搭載していますんので、オイル交換をしっかり行ってさえすればほとんど壊れることはないでしょう。
ビーノの基本スペック(現行モデル)
型式 | 2BH-AY02 |
全長・全幅・全高(mm) | 1,650×670×1,015 |
車両重量(kg) | 81 |
エンジン種類 | 水冷4ストロークSOHC |
総排気量(cm3) | 49 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 3.3(4.5)/8,000 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 4.1(0.42)/6,000 |
タンク容量 | 4.5 |
タイヤサイズ(前) | 80/100-10 46J |
タイヤサイズ(後) | 80/100-10 46J |
価格※新車 | 203,500円(税込) |
主な参戦可能クラス
- SN50クラス
- FP4-50クラス
タイヤサイズは10インチとなっています。人気の理由はなんといっても安さ。
新車でも税込203,500円 とかなりリーズナブルですので、他のスクーターと比べても格段に安く手に入る車両とも言えますね。
見た目はかなり可愛い系ですのでサーキットに向かないと思うかもしれませんが、速く走るとみんなの注目を集めること間違いなし!
ビーノの走行動画
スズキ レッツ4
スズキから販売されていたレッツ4は、乾燥重量68キロと、同クラスのバイクと比べて10キロほど軽いため、非常に軽快に走ります。
また、現行モデルは低燃費エンジンと電子制御インジェクションを搭載しており、燃費改善はもちろん、低回転からでも力強いトルクがあります。
さらに、コンビニフックやUロックホルダーなど、収納場所が備え付けられているため、使い勝手の良さにも定評があります。
中古車市場にも多く出回っているため、手に入りやすいバイクとも言えますね。
レッツ4の基本スペック(現行モデル)
型式 | JBH-CA45A |
全長・全幅・全高(mm) | 1,665×600×985 |
車両重量(kg) | 68 |
エンジン種類 | 空冷4ストロークSOHC |
総排気量(cm3) | 49 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 3.3(4.5)/8000 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 3.9(0.40)/7000 |
タンク容量 | 4.5 |
タイヤサイズ(前) | 80/90-10 35J |
タイヤサイズ(後) | 80/90-10 35J |
価格※中古相場 | 7万円程度 |
レッツ4は主にSN50クラスに出場しており、装着タイヤサイズは10インチとなっています。
この車両も、一見速さとは無縁の可愛らしいデザインですが、ハイグリップタイヤに履き替えるだけですぐにレースが始められますので、手軽なバイクでもあります。
レッツ4の走行動画
ヤマハ シグナスX
比較的車格の大きい125ccのスクーターで、FP4-STクラスで1番人気とも言えます。
装着タイヤサイズは12インチですので、ミニバイク用のタイヤウォーマーが使用できます。
シグナスは生産国(国内生産モデル・台湾生産モデルが存在)や年式によって型式などが細かく分けられており、非常に選択肢の多い車両でもあります。
シグナスXの基本スペック(現行モデル)
型式 | 2BJ-SED8J |
全長・全幅・全高(mm) | 1,890×690×1,120 |
車両重量(kg) | 119 |
エンジン種類 | 空冷4ストロークSOHC |
総排気量(cm3) | 124 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 7.2(9.8)/7,500 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 9.9(1.0)/6,000 |
タンク容量 | 6.5 |
タイヤサイズ(前) | 110/70-12 47L |
タイヤサイズ(後) | 120/70-12 51L |
価格※新車 | 335,500円(税込) |
大きく分けると1〜5型と分れており、スクーターレースでまだまだ人気なのが、1〜3型となっています。
主な人気の理由は、部品の多さと部品の流用が効くこと。レースをする上で部品が多いことや部品の手に入りやすさはとても重要です。
シグナスであれば、それらの条件を満たしているので気軽にスクーターレース(FP4-STクラス)が始めやすいでしょう。
スクーターレースをしていた経験から個人的におすすめするシグナス
実際にスクーターレースをしていた経験を元におすすめするシグナスはと言うと、
- コーナーを軽快に走りたい人・・・シグナス1型
- 安定性や車体剛性を求める人・・・シグナス2型
- 少し資金に余裕がある人・1型と2型の良いとこ取りをしたい人・・・シグナス3型
となります。
シグナスはどの方式も比較的車重が軽いので、コーナリングを極めたい方には最適な車両と言えます。
シグナスXの走行動画
PGO ティグラ125
台湾製の125ccのスクーターです。装着タイヤサイズは12インチで、シグナスに匹敵する性能を誇ります。近年のFP4-STクラスで徐々に台数が増えてきている車両です。
ちなみに「ティグラ」とはラテン語で「虎」という意味となっています。
その名前に相応しい、水冷エンジンから生み出される驚くほどの高出力なエンジンパワー、強靭な足回り、前後ディスクブレーキ搭載といったハイスペックな車両です。
PGO ティグラ125の基本スペック
型式 | RFVAFAFA |
全長・全幅・全高(mm) | 1,865×710×1,140 |
車両重量(kg) | 128 |
エンジン種類 | 空冷4ストローク単気筒 |
総排気量(cm3) | 124.6 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 9.9(13.5)/8,750 |
最大トルク(kgf・m/rpm) | 1.14/7,500 |
タンク容量 | 6.8 |
タイヤサイズ(前) | 110/70-12 |
タイヤサイズ(後) | 130/70-12 |
価格※新車 | 384,480円 |
エンジンパワーが高いため「ティグラで良いんじゃね?」と思われがちですが、ハイパワーな反面、車重が重く、乗りこなすには少々苦労する車両とも言えます。
そしてやはり外車なので、部品が手に入りづらいというネガな部分があるのです。(用品店で売ってないケースが多いんですよね)
ですがその分乗りこなすとマジで化けますので、腕利きの人にはガチでおすすめします。
PGO ティグラ125の走行動画
キムコ レーシング125
こちらもティグラと同じく台湾製のスクーター。主なクラスはFP4-STクラスです。装着タイヤサイズは12インチとなっています。
レーシング125の良いところは何と言ってもバランスの良さ。エンジンパワーも申し分なく、車重も比較的軽くバランスがよく取れた車両です。
見た目もかっこよく、まだまだ台数が少ないのでサーキットに持っていけば目立つこと間違いなし!
キムコ レーシング125の基本スペック
型式 | S125 |
全長・全幅・全高(mm) | 1,830×750×1,100 |
車両重量(kg) | 131 |
エンジン種類 | 空冷4ストロークOHC単気筒 |
総排気量(cm3) | 124.8 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 7.9[11]/7,500 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 10.4[1.04]/7,500 |
タンク容量 | 5.5 |
タイヤサイズ(前) | 110/70-12 |
タイヤサイズ(後) | 120/70-12 |
価格※新車 | 282,700円(税込) |
キムコ レーシング125の走行動画
スズキ アドレスV125
スズキのアドレスV125は、当時は国産車として初めてのインジェクション車として登場しました。
もともとは100ccのエンジンを搭載していましたが、車体も排気量もサイズアップして登場したのがアドレス125Vというわけです。
また、排気量125ccのスクーターの中で最も軽量という特徴があります。装着タイヤは10インチとなっています。
さらに125ccのスクーターとしては珍しい10インチのタイヤを搭載しており、50cc並の小回りができます。
現在は排ガス規制によって新車は販売されていませんが、こちらの人気車種でしたので、中古車市場でも良く見かけます。
主に使われるクラスはFN4クラスとなっています。
アドレスV125のスペック
型式 | EBJ-CF4EA |
全長・全幅・全高(mm) | 1,750×635×1,030 |
車両重量(kg) | 97 |
エンジン種類 | 空冷4ストローク単気筒 |
総排気量(cm3) | 124 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 7.3[9.9]/7,500 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 10[1]/6,000 |
タンク容量 | 6 |
タイヤサイズ(前) | 90/90-10 |
タイヤサイズ(後) | 100/90-10 |
価格※中古の相場 | 14〜22万円程度 |
スズキ アドレスV125の走行動画
まとめ
スクーターレースにおすすめのバイクをご紹介しました。
もちろんこれ以外にもたくさんんの種類がありますが、価格や部品の手に入りやすさを考えると、ご紹介した7車種が良いのではないでしょうか?
実際のスクーターレースをしている人も、大体これらのバイクを使っています。
また、スクーターレースの始め方や用意するもの、費用などについてさらに詳しく知りたい人は、下の記事も読んでいただければ、より詳しいことがわかります。
始めるハードルが低いスクーターレース。この機会にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。