- グロムのエンジンオイルの交換方法
- グロムのオイルフィルターの交換方法
- おすすめのエンジンオイル
2024年型のグロム(JC92)のエンジンオイルの交換時期が来たので、DIYで交換してみることにしました。
一応販売店の方から「100km走行後にエンジンオイルを交換してください」と言われていましたので、このタイミングで実施していきます。
本記事ではグロムのエンジンオイル交換についての情報は、大体網羅して記載しています。
- 交換時期
- 規定のオイル量
- ドレンボルトの締め付けトルク
- 交換時に必要なもの
- エンジンオイル・オイルフィルターの交換方法
- おすすめのエンジンオイル
ご自身でグロムのエンジンオイル交換を行おうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
サンプルのグロムは2024年モデル(JC92)となります。JC61、JC75になると若干エンジン構造が異なるため、使用ボルトのサイズや品番が異なる場合があります。↓各モデルのパーツリストは、こちらからダウンロードできます。
グロムのエンジンオイル/オイルフィルターの交換頻度
- 初回は1000km走行または1ヶ月
- 以降は3000km走行または1年毎
※ホンダの公式サイトの情報となります。
- 初回・・・13000km
- 以降・・・12000km毎
※こちらもホンダ公式サイトに記載されています。
※JC61・JC75モデルはオイルフィルターがありません。
新車購入後は100km走行後に初回オイル交換を行う
グロムの場合、新車購入後1ヶ月(1000km)走行時に1ヶ月点検が行われます。
そのタイミングでエンジンオイルを交換しても良いのですが、新車の状態からだとエンジン内部で初期馴染みが起きるため、鉄粉や汚れが溜まりやすくなっています。
実際にグロムのオイル交換をしている動画を見ていると、オイル内には割と鉄粉が混ざり込んでいるようです。
販売店の方からも「100km走行したらエンジンオイルを交換してください」と言われました。新車で購入したら、まず100km走行後にオイル交換を行うようにしましょう。
エンジンオイルの確認方法
エンジンオイルは走行をしていると徐々に減ってきますので、定期的にオイル量を確認しなければいけません。
グロムの場合、エンジンケースの右サイド下に「オイルレベル点検窓」があります。
厳密にエンジンオイルの量を確認する際は、以下の手順通りに行ないましょう。
- エンジンが冷えている時は3〜5分アイドリングする
- エンジンを切って2〜3分待つ
- 平坦な路面にバイクを停めて、バイクを真っ直ぐにする
- オイルレベル点検窓の上限・下限のライン内にあるか確認する
バイクを真っ直ぐにする時は、倒してしまわないように十分注意するようにしましょう。
※慣れていてもヒヤッとすることがあるので、できれば2人作業で行なうことをおすすめします。
グロムのエンジンオイル/オイルフィルター交換にかかる費用
エンジンオイル交換
エンジンオイル(ホンダ純正G1) | 1,364円 |
ドレンパッキン | 380円 |
廃油処理箱 | 330円 |
合計 | 2,074円 |
工具やウエス、軍手などが揃っていれば、オイル交換1回あたりの費用は2,000円弱となります。
オイルフィルター交換
エンジンオイル(ホンダ純正G1) | 1,364円 |
ドレンパッキン | 380円 |
廃油処理箱 | 330円 |
オイルフィルター | 1,127円 |
合計 | 3,201円 |
オイルフィルター交換も行うのであれば、3,200円程必要です。
グロムのエンジンオイル量・推奨エンジンオイル
エンジンオイル量
①オイル交換時 | 0.90L |
②オイルフィルター交換時 | 0.90L |
③全容量 | 1.05L |
基本的にエンジンオイル/オイルフィルター交換の際は0.9Lのオイル量で済みます。
「③全容量」の数値は、エンジンを全バラした時に使うオイル量だと思っていただければ大丈夫です。
推奨エンジンオイル
サービスマニュアルに記載されている推奨エンジンオイルは「Honda純正ウルトラG1」となっています。
それ以外の場合は、
- JASO T 903 規格:MA
- SAE規格:10W-30
- API規格:SJ級以上
上記全ての規格に適しているエンジンオイルを使用してください。
有名どころのオイルメーカーは大体満たしているので、オイル粘度「10W-30」を満たしているかどうかを確認するだけで問題ないかと思います。
ドレンボルトの規定締め付けトルク
JC92型のグロムの場合、純正ドレンボルトの締め付けトルクは24N-mとなっています。実際にトルクレンチで閉めてみると、意外と軽くて驚くかもしれません。
※オイルフィルターのカバーボルトの締め付けトルクは10N-mです。
グロムに使われている純正パーツの品番
- 90407-259-000 ドレンパッキン12.5×20
- 90131-883-000 ドレンプラグボルト12×15
- 15412-MGS-D21 オイルフィルターエレメント
- 91302-PA9-003 Oリング39.8×2.2
グロムのエンジンオイル/オイルフィルター交換に必要なもの
エンジンオイル、オイルフィルターそれぞれの交換時に必要なものをご紹介していきます。
エンジンオイル
まずはエンジンオイル。1L缶サイズのものが1本あれば問題ありません。
交換頻度が多い方や、毎回入れるオイルが決まっている方は、4L缶を買った方が値段的にお得になる可能性が高いです。
ドレンパッキン
ドレンパッキンはM12サイズが必要です。上記はホンダ純正のドレンパッキンとなります。
理想はオイル交換ごとに交換したいたいところですが、オイル交換2回に1度の頻度でも構いません。
バイクパーツ部品を販売するデイトナからも汎用のドレンワッシャーが販売されています。
廃油処理箱
エンジンから取り出した廃オイルを処理するための箱です。
中にはオイルが吸着しやすい繊維が入っており、廃オイルを可燃ごみとして処分することができます。サイズは1番小さい2.5Lサイズで問題ありません。
1回のオイル交換で廃油が0.9Lしか出ないので、一応は2回使えることになります。
オイルジョッキ
エンジン内にオイルを注入するときに必要です。
自動車用などの3、4Lサイズだと注ぎ口が大きすぎて、オイル注入口から溢れることがあります。できれば1Lサイズを用意するようにしましょう。
メガネレンチ
12mm(JC92)
17mm(JC61・JC75)
ドレンボルトを緩めるためのものです。純正のドレンボルトのサイズは12mmですので、12mmのものを選びましょう。※JC61・JC75は17mmです。
社外品のアルミボルトやマグネット付きボルトを使う時は、頭部のサイズが17mmや14mmだったりすることもあるので注意してください。
また、オイルフィルターを交換する際は、8mmのレンチが必要です。
トルクレンチ
ドレンボルトやオイルフィルターカバーのボルトを締め込む時に使います。
安いものだと2,000〜3,000円程で手に入りますが、トルクレンチは値段に比例して精度が上がります。
今回のようなオイル交換だけでなく、他の部分のカスタムやメンテナンスをしたいと考えている方は、少し値段が張っても高品質なものを選ぶようにしましょう。
ソケット
12mm(JC92)
17mm(JC61・JC75)
トルクレンチにセットして使うソケットです。こちらもドレンプラグの大きさに合わせたものを購入するようにしましょう。
オイルフィルターを交換する際は、8mmのソケットも用意しましょう。
オイルフィルター・Oリング
オイルフィルターは純正でも手に入りますが、キタコから販売されているものは、パッキンやドレンワッシャーも付属しているのでお得です。
また、マグネット付きのフィルターカバーも販売されています。
特にグロムのエンジンケースは初期バリが多いため、マグネット付きのドレンプラグと合わせて使用するのもおすすめです。
グロムのエンジンオイル/オイルフィルターの交換方法
グロムのエンジンオイル交換に必要な機構は、全てエンジンの右側にまとまっているので、実際かなり作業しやすいです。慣れている人だと10〜15分で終わらせることができると思います。
エンジンオイルとオイルフィルターの交換手順は、以下の通りとなります。
オイルの抜けが良くなるようにフィラーキャップを緩ます。
ドレンボルトを外してエンジン内のオイルを抜きます。
必要に応じてオイルフィルターを交換します。
新品のオイルを入れます。
エンジンを回して全体にオイルが行き通るようにします。
オイルの量が適正かどうか確認します。
確認項目
作業に入る前に、オイルフィラーキャップとドレンボルト、オイルレベル確認窓の位置を確認しましょう。
オイルフィラーキャップ
ドレンボルト
オイルレベル確認窓
①オイルフィラーキャップを緩める
古いエンジンオイルを抜くための段取りとして、オイルフィラーキャップを緩めておきます。
こうすることで、空気の通り道ができるため、オイルの抜けが良くなります。
②ドレンボルトを外してオイルを抜く
次に、エンジンケースの下にあるドレンボルトを外していきます。
ドレンボルトを緩める前に、エンジン下に廃油処理箱を置いておきます。
風が吹いているとオイルが風に流されてしまうので、なるべくドレンボルトがセンターに来るような位置に置きましょう。
JC92型グロムの場合、ドレンボルトは12mmのレンチを使って緩めます。(JC61・JC75は17mm)
ドレンボルトを外すと勢い良くオイルが出てきます。
誤ってボルトを廃油処理箱の中に落とさないように注意しましょう。
ある程度オイルが抜けてきたらバイクを垂直にして、傾斜部に残ったオイルも抜いていきます。
オイルが抜け切ったら、ドレンボルトを締めていきます。
この時、ドレンワッシャーにボルトの跡が付いていたり、極端に潰れていたりしたら、新しいものに交換します。
ボルトの締め付けトルクは24N-mとなります。
ドレンボルトを締め終えたら、パーツクリーナーを使って周りに付いているオイルを落とします。
また、エキゾーストパイプに付着したオイルは、そのままにしておくとエンジンの熱で焼き付いてシミになってしまうので、入念に拭き上げておきましょう。
③オイルフィルターを交換する
必要に応じてオイルフィルターも交換していきます。
まずはオイルフィルターカバーを外してきます。ボルトのサイズは8mmです。
カバーを外すとオイルが出てくるので、上手く廃油処理箱の中に落ちるようにしましょう。
また、カバーを外すとスプリングが出てきますので、落とさないように注意しましょう。
オイルフィルターはペンチを使って掴むと、簡単に引き抜けます。
オイルフィルターを外したら、内部を洗浄してから新しいフィルターを入れます。
スプリングを忘れずに入れて、オイルフィルターカバーを付けます。
ボルトの締め付けトルクは10N-mです。
④新しいエンジンオイルを入れる
新しいエンジンオイルを入れていきます。
グロムのオイル注入口は小さく、車用のジョッキでは中々上手く入れることができませんので、今回は漏瑚を使って入れていきます。
規定のエンジンオイル量は0.9Lですので、1L缶が無くなる直前まで入れていきます。※もちろん初めから計量しておくのがベストです。
一度に規定量を入れてしまうのではなく、0.8Lほど入れたら、後の0.1Lは微調整しながら入れていく方が良いでしょう。
この時、一度バイクを垂直にし、オイルレベル確認窓のHI、LOWレベルの間にオイルがあるかどうかを確認しながら徐々に継ぎ足していく感じで入れていきます。
⑤エンジンをアイドリングする
規定量を入れたら、一度エンジンをかけて2〜3分程アイドリングを続けます。
⑥オイル量を確認する
もう一度オイルレベル確認窓からオイルの量を確認し、足りなければオイルを継ぎ足していきます。
最後にオイルフィラーキャップをしっかりと締め、エンジン漏れがないかを確認して問題なければ完了です。
グロムのおすすめエンジンオイル
グロムの純正オイルであるHonda純正ウルトラG1は省燃費・コスパ重視のオイルとなっています。
そのためマフラーを交換したり、エンジンのボアアップをしたりした際は、ワンランク高品質なオイルを使用する必要が出てきます。
ここでは、Honda純正ウルトラG1以外のおすすめのエンジンオイルを3つご紹介します。
※グロムのおすすめエンジンオイルについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています↓
パフォーマンス重視
レース業界で有名なスピードハートから販売されている高性能オイルです。衝撃吸収性に優れた素材のオイルを使用し、シフトフィーリングも向上します。
特にグロムは1〜2速へのシフトアップの際にギア抜けが起こりやすい構造をしているため、シフトフィーリングが優れたエンジンオイルを使うのはかなりのメリットが見込めます。
エンジン保護性能重視
ホンダ純正オイルの最上位モデルです。100%化学合成油を使用しており、油膜切れが起こしにくい設計とされています。
また、低フィリクションオイルでもあるため、グロムクラスのバイクに使用してもパワーロスがほとんどありません。
サーキット走行重視
レーシングユーザーからも高い人気があるモチュールから販売されているエンジンオイルです。
5W-40と少し硬めの粘度設定ですが、エンジン内部が高温になるとその本領を発揮します。サーキット走行など、エンジンをガンガン回す人には間違いなくおすすめの製品です。
コストパフォーマンス重視
こちらは今回選んだエンジンオイルです。ルート産業という自動車用のエンジンオイルを中心に製造しているメーカーがバイク向けに開発した製品です。
10W-40と粘度自体はやや硬めに設定されていますが、100%化学合成油が使用されているオイルで2,000円台はかなりコスパが優れていると思います。
実際にレビューを見てみると、グロムに使用しても、低温時でエンジンのかかりが悪くなったり、エンジンを回した時に重く感じたりしたことはなく、むしろ機械音が減ったという報告もあります。
本製品は当サイトと同じ名前のオイルだったため、ずっと気になっていたのですが、当たりのオイルかもしれません。
まとめ
グロムのエンジンオイルと、オイルフィルターの交換方法についてご紹介しました。
グロムの車体は「これぞバイク」というような基本的な構造をしてしるため、オイル交換などのメンテナンスがしやすくなっています。
工具さえあればメンテナンスに自信がないという方でもとっつきやすくなっていますので、今回ご紹介した方法を参考に、ぜひご自身で挑戦してみてください。
↓グロムに関する情報はこちら