遊び心溢れるデザインと、俊敏で軽快な走行性能を持つホンダ・グロム。
現在のグロムは2021年にフルモデルチェンジされた「JC92」が現行モデル。5速ミッションとなり、より懐が深くなりました。
そして2024年には、マイナーチェンジモデルが登場。
これまでは遊び心を重視したトイデザイン風が残ったデザインコンセプトでしたが、2024年モデルは一層スポーティに進化しています。
そこで今回は、最新モデルである2024年型グロムの特徴や2013年モデルとの変更点、詳細情報などをご紹介していきます。
ご購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
↓動画で確認したい方は、こちらのYouTube動画をご覧ください。
↓前モデル(2023年モデル)に関しては、こちらの動画でも解説しています。
ホンダ グロムとは
グロムはタイホンダが製造している原付二種のバイク。
ショートホイールベースの車体に扱いやすい4ストロークの125ccエンジン、12インチの小径タイヤの搭載と、初心者からベテランまで楽しめる親しみやすいモデルです。
2013年の登場から10年以上の年月が経過している現在、2021年のフルモデルチェンジまでの間に約28,000台も販売され、あっという間にホンダを代表する人気モデルへと成長しました。
排気量が125ccですので原付二種に分類されており、一般道での最高速度は60kmまで出せ、車検も不要で自動車保険の「ファミリーバイク特約」も使えます。
また、コンパクトであるため、軽バンやミニバンにも軽々と乗せられます。
旅行先でのちょっい乗りを楽しむのにも持ってこいのバイクだと言えるでしょう。
さらにグロムは現在HRCのレースベース車としても販売されています。
引用:HRC
こちらは専用のECUやマフラーが装着されており、デフォルトでマッピング調整もできる本格レーサー仕様。
これまで12インチのレーサーバイクと言えばNSF100が主流でしたが、グロムは街乗りバイクをベースにして作られているため、よりとっつきやすくなっています。
グロムのワンメイクレース「GROM Cup」も全国のサーキットで開催されており、2024年からはルーキークラスも新設されるため、気軽にレースを楽しみたい方にも最適です。
本格的にサーキット走行を楽しみたいという方は、ぜひチャレンジしてみてください。
2023年モデルとの変更点
引用:本田技研工業株式会社
現在は2024年のグロムとなったことで、2023年モデルからの変更点は以下のようになっています。
- 外装パーツがスポーティなデザインに変更
- カラーバリーエーションは2色に変更
- 純正アクセサリーのラインナップを一層充実
まず、大きく変わったのは、外装がよりスポーティで格好良くなったことではないでしょうか。
具体的には、ヘッドライトカバーおよび、シュラウド、サイドカバーがよりスポーティーなデザインに変更。
また、カラーリングは鮮やかな色合いの「パールホライゾンホワイト」と、スポーティで精悍な「マットガンパウダーブラックメタリック」の2色が設定されています。
パールホライゾンホワイト
マットガンパウダーブラックメタリック
さらに、日常での利便性やツーリング時の快適性を高める純正アクセサリーが設定されています。
例えばロングツーリングを頻繁にしたいという方は、ナックルバイザーやメーターバイザー、シートバッグやリアバッグなどを装着すれば、泊まりがけのツーリングにだって出かけられます。
引用:本田技研工業株式会社
アンダーカウルの設定もありますので、よりスポーティに仕上げたい方にもご満足いただけるようになっています。
価格
390,500円(税込)(消費税抜き本体価格 355,000円)
価格は2023年モデルから据え置きのまま。40万円を切る新車価格なのも、グロムの大きな特徴です。
発売日
2024年3月14日
年間販売計画は4000台となっています。
スペック
型式 | 8BJ-JC92 |
全長×全幅×全高(mm) | 1,760×720×1,015 |
ホイールベース(mm) | 1,200 |
最低地上高(mm) | 180 |
シート高(mm) | 761 |
車両重量(kg) | 103 |
最小回転半径(m) | 1.9 |
タイヤサイズ | 120/70-12 51L |
130/70-12 56L |
エンジンスペック
エンジン型式 | JC92E |
エンジン種類 | 空冷4ストロークOHC単気筒 |
総排気量(cm3) | 123 |
内径×行程(mm) | 50.0×63.1 |
圧縮比 | 10.0 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 7.4[10]/7,250 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 11[1.1]/6,000 |
WMTCモード燃費(km/L) | 67.8<1名乗車時> |
燃料供給装置形式電子式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) |
燃料タンク容量(L) | 6.0 |
変速機形式 | 5速MT |
実際に乗って感じたグロムの良いところ
①12インチタイヤでとにかく曲がる
ハンドルを切った際の切れ込み具合は12インチならでは。初めて乗る方は予想以上に曲がることに驚くはずです。
②125cc+5速で巡航も楽々
2速発進も軽々できるほどトルクフルなエンジンと、ワイドレシオ化された5速ミッションの組み合わせにより、巡航時の燃費はかなり改善されました。
流石に山道の上り坂では4速に落とさなければ失速してしまいますが、それ以外は5速のまま巡航を続けられるでしょう。
③ABSの装着で万が一でも安心
フロントにはIMU連動型のABSが搭載されており、走行中に何かが飛び出してきても急ブレーキによる転倒の心配もありません。
特に12インチタイヤは、フロントがロックするとハンドルが大きく切れ込んで危険ですので、ABSが装備されているのはかなり心強いのではないでしょうか。
実際のところ最新のABSはかなり精度が良く、作動中はABS特有のゴツゴツとした嫌な突き上げもありません。技術の進化が体感できます。
④リッター60km超えの低燃費
エンジンスペックは変わっていませんが、 WLTCモード燃費は66.3km/Lから67.8km/Lと2.2%改善。
100kmほど走った時のガソリン代はたったの300円程。これはECUのセッティングをさらに見直したことで改善されたようです。
⑤LEDヘッドライトで暗闇の走行も安心
上下一体型のデュアルタイプLEDは独特の光色で視認性が高く、街中の夜間走行でも安心。
ハイビームに切り替えれば、農道や山道など暗い道でも問題なく進めます。
実際に乗って感じたグロムの残念なところ
①シート、サスペンションが硬い
路面のギャップを乗り越えた際の突き上げは大きめ。ギャップが大きいとお尻が浮き上がるほど衝撃を受けます。
12インチとタイヤが小さいのも影響しているかもしれません。
ツーリング中はこまめな休憩をするか、どうしても気になるようなら、思い切ってシートを交換してしまうのも一つの方法なのかもしれません。
②シートが上手く嵌まらない
取り外したシートを嵌めるのに苦労します。
はめ合わせが悪いのはこのバイクの持病のようですので、なるべくシートは開けないようにした方がいいかもしれません。
③ギアが入りにくい
個体差もあるかもしれませんが、ニュートラルと3速が異様に入りにくくなっています。
シフトレバー自体の剛性も弱いので、シフトガイドを付けるなどして対策する必要がありそう。
④ミラーはやっぱり小さめ
グロムは昔からミラーが小さいというレビューが沢山ありましたが、実際に乗ってみるとやっぱり小さめだと感じます。
ただ、こればかりは原付二種クラスのバイクなので、ある程度は仕方がないことなのかもしれません。
後ろにいる車は真後ろまで接近していないとミラーに映り込まないため、後部の確認は必ず目視した方が良いでしょう。
グロムは直進安定性も高いため、慣れれば周りを確認するのはさほど苦にはなりません。
初めてグロムに乗る時の注意点
①ウインカーと間違えてホーンボタンを押してしまう
グロムはホーンボタンがやたら大きいため、慣れないうちはウインカーと間違えて頻繁に押してしまいます。
周りの人を驚かせてしまいますし、何より自分が恥ずかしい思いをするので、しばらくは間違えないよう気を遣ってしまいます。
②曲がりすぎるため内側のガードレールに注意
17インチのバイクばかり乗っていた方は、12インチ特有の旋回性の高さに驚くかもしれません。
小回りの良さは予想以上で、初めて乗る方は内側に倒れてしまうような感覚にヒヤリとするかもしれません。
タイヤのグリップ自体が高く、倒立サスでフロント周りの剛性も高いため、普段よりもスピードを残してアプローチしてみるとしっくりくるかもしれません。
写真で見る2024年モデルの詳細
サイドビュー
バックビュー
フロントタイヤ
リアタイヤ
エンジン
マフラー
フロントサスペンション
リアサスペンション
クラッチレバー
ブレーキレバー
ハンドル周り
シート
まとめ
2024年型のグロムは外装デザインがさらに格好良くなり、これまでの特徴であった機動力の高さに加え、よりスポーツ志向が強くなりました。
純正のカラーバリエーションはブラックとホワイトの2種類のみになってしまいましたが、サイドカウルなどの外装パーツも沢山販売されています。
この辺りはオーナーが自分好みで自由にカスタムできるのが醍醐味ですので、もっと格好良くしたい方は、ぜひカスタムパーツも調べてみてください。
遊べるサイズの小さなバイク。あなたもぜひグロムに乗って、素敵なバイクライフをお送りください。