バイクレースの主人公はライダーと思うかもしれませんが、決してそうとは言い切れません。
もちろん最前線に立って戦うのはライダーであることに変わりありませんが、ライダーが思いっきり攻められるようになるには、メカニックやヘルパーの働きが欠かせません。
しかし、ライダーやメカニックについてはスポットライトが当たりやすいものの、意外と認知が少ないのがヘルパーの役割。
そこで今回は、ヘルパーについて、レース歴10年の筆者(@moribaicar)がご紹介していきます。
具体的には、バイクレースの現場でチームを陰で支えるヘルパーについて、
- そもそもヘルパーってどんなことをするの?
- ヘルパーがいるとどんなメリットがあるの?
- ヘルパーにはどうやってなるの?
と言った疑問を解決する形で紹介してきますので、バイクレースに興味がある人は、ぜひご一読ください。
バイクレースはチーム戦でもある
バイクレースで走るのはもちろんライダー本人であることに間違いありません。
しかし、バイクレースは決してライダー1人で戦い続けるのは困難で、以下のように役割がされているチーム戦でもあるのです。
特に大きなチームであればこの分業がしっかりとされており、各々が自分の仕事をしっかりとしているため、結果を残しやすいとも考えられるのです。
ライダーやメカニックと言ったポジションは意外と目立ちやすく、レースを知っている人であれば意外と認知されているのではないでしょうか?
しかしヘルパーやスポンサーとなると、レースの表舞に立って動くわけではありませんので、意外と知らない人が多いのも事実。
今回は、ヘルパーについて詳しくご紹介していきます。
※スポンサーについては別記事にでご紹介する予定です。
バイクレースのヘルパーって?
バイクレースのヘルパーは、チーム内で行わなければいけない細かいことを代わりにやってくれるマネージャー的存在。
また、ライダーの身の回りのサポートと言ったことも行ってくれるため、なんでも屋さんとも考えられます。チームを支える縁の下の力持ちといっても良いかもしれません。
もう少し具体的にヘルパーがおこなうことをご紹介すると、
- ライダーが脱いだヘルメットやグローブ、ブーツを乾燥させる
- レース時に受付に行く
- セッション中ライダーに飲み物やタオルを渡す
- バイクを磨く
- タイムスケジュールを配ってくれる
となります。
筆者が全日本選手権に参戦していた時に所属していたチームのヘルパーさんは、上記のことをしてくれたので、ライダーとしては非常にやりやすかったですね。
もちろんヘルパーによって仕事内容が違いますので、必ずみんながみんな上記のことをしてくれるとは言い切れませんが。
バイクレースのチームにヘルパーがいることのメリット
バイクレースのチームにヘルパーがいることのメリットとして考えられるのは、次の3つが考えられます。
- 各々自分の役割に集中できる
- ライダーは上達が早くなる
- チーム自体の空気感が良くなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①各々自分の役割に集中できる
ヘルパーが細かいことまでおこなってくれることにより、ライダーやメカニックは自分の仕事に中できます。
そして集中できることにより、チーム自体が上手く機能し始めます。
レースだけではなく仕事などでも言えることですが、裏方の人がいることによって表舞台の人がより力を発揮できるため、やはりヘルパーの役割は非序に重要とも考えられるのです。
②ライダーは上達が早くなる
個人でバイクレースをしていたり、レースを始めたばかりの人であれば、どうしても1人でレース活動をしなければいけない部分が出てくると思います。
しかし、レースを始めた初期であればあるほど、走ること以外のことはヘルパーのお願いした方が、ライダーは走ることに集中できますので、上達が早くなります。
例えば、セッションが終わると次の走行の受付や、汗まみれになったヘルメットやグローブを乾燥させておかなければいけません。
しかし走行後はメカニックとも話したり、次の走行のことも考えたりしなければいけないので、かなり忙しいのです。
そう考えると、やはりヘルパーが他のことをしてくれるだけで、その分の時間をメカニックとのディスカッションや走りのおさらいができるようになりますので、ライダーは上達が早くなるのですね。
③チーム自体の空気感が良くなる
レース現場は勝ち負けを決めるところでもあり、時間に追われやすいところでもありますので、ピリピリしやすい空気を纏っています。
ヘルパーはチームをうまく機能させる潤滑剤のような役割も果たします。
そして人によってはチームのムードメーカー的な存在になる人もいますので、全体の空気が良くなります。
その場の空気を良くすることの役割は大きく、自然と好成績も残しやすいチーム体質にもなるのです。
バイクレースのチームにヘルパーがいることのデメリットは、強いて言うならお金がかかること
チームにヘルパーがいると、それはもうメリットしかないと思います。
強いてデメリットを言うのであれば、ヘルパーも仕事として参加してくれている人に対しては、感謝の気持ちを金銭的な形として支払う必要があるため、お金がかかるということ。
ヘルパーの人も自分の時間を使って参加してくれているため、日当としてお金を渡すと言うのも必要な時があります。
リアルな金額の相場としては、1日10,000〜からが妥当な金額となっています。
ヘルパーもメカニック同様、レース現場では降る可能してくれますので、最低でもこれくらい支払うのが妥当とも考えられますね。
もちろんヘルパーを知り合いに頼めば費用を抑えることもできますし、タダでしてもらえることもあるかもしれません。
ただし、感謝の気持ちだけは何らかの形でしっかりおこなうのは大事です。
バイクレースのヘルパーになるために必要なこと
ここまで読んで、バイクレースのヘルパーになりたいと思った人もいるかもしれません。
ではバイクレースのヘルパーにはどのようにしてなるのでしょうか?
ヘルパーのなるには、特別な資格は必要ありません。手伝いたいと思う気持ちがあれば、特別な知識や技術は不要です。
強いて言うならば、レースの時にグリッドまで入ることができる「ピットクルーライセンス」があれば良いかもしれませんが、なくてもヘルパーとしての仕事を全うできます。
また、他者貢献に喜びを感じる人の方が面白く感じるかもしれません。
ライダーやメカニックがスムーズに動けるように気を配って動いていればヘルパーとして十分すぎるほどチームに貢献できます。
また、手伝ってくれる人に対しては基本的に感謝の気持ちが芽生えますので、余計なことをして怒られるなんてこことは滅多にありません。
逆に怒られるチームであれば居心地が悪くなりますので、さっさと離れるてしまうのも一つの方法です。
バイクレースのヘルパーになるとお金はもらえるの?
ヘルパーとしてレース現場に何度も足を運んでいれば要領もわかってき始めるため、ヘルパーとしての人材にもなれます。
ヘルパーとしてレース現場に関わりたいと考えているのであれば、ヘルパーを募集しているチームに連絡してみたり、TwitterやFacebookなどのSNSから自分を売り込むのも良いかもしれません。
そしてどこかのチームやライダーのヘルパーとして決まった際は、報酬にはきちんと出してくれるのかの確認をし、条件の擦り合わせをしましょう。
最初はお試しの意味もあり、タダでやることもあるかもしれませんが、自分がきっちりプロ意識をして行動しているのであれば、報酬に関して妥協はしないようにしましょう。
ヘルパーをしていて良かったこと
最後に、実際ヘルパーをした人が、良かったと思うことをまとめておきます。
- 所属していたライダーが優勝した時はやっぱり嬉しかった!
- 洞察力や行動力、統率力が身についた
- 1つの方向に向いて近くにいることが嬉しかった
- ライダーやメカニックから「ありがとう」と言われた
やはりチームとして機能していることに関わっていること、や、ライダーが結果を出した時に、何ものにも変えがたい喜びを得られるようですね。
まとめ
バイクレースだけでなく、レーシングチームに欠かすことができないヘルパーは、縁の下の力持ちとして非常に心強い存在となります。
ヘルパーがいることのメリットをもう一度おさらいすると、
- 各々自分の役割に集中できる
- ライダーは上達が早くなる
- チーム自体の空気感が良くなる
となります。決して目立つことはありませんが、間違いなくチームに貢献することができますので、人によっては非常に向いているポジションとも言えるでしょう。
レースをするのであれば、ぜひ覚えておいてください!