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【ライダーハウスの始め方】開業の仕方を元経営者が教えます!

ライダーハウスはバイクや旅が好きな人が集まり、あっという間に仲良くなってしまう空間。そんな楽しいライダーハウスをやってみようと思う人もいるかもしれません。

ここではライダーハウスを13年ほど経営して来た筆者(@hatinoyado)が、ライダーハウスの始め方、開業に必要な手続きなどをご紹介していきます。

  • ライダーハウスを始める方法
  • 合法的にライダーハウスを開業する方法
  • 物件の選び方から各種届出などの手続き方法

など、ライダーハウスの始め方、開業の仕方について説明します。

始めるまではちょっと大変ですが、上手くいけば数年で労力はかからなくなり、副業としても優秀。

そんなライダーハウスには隠れたメリットもあるので、ぜひ読んでみてください。きっと自分の分身ともいえる愛情のこもったライダーハウスが出来るはずです!

ライダーハウスで経営は成り立つのか?実際に経営していた著者が解説!ライダーハウスは低料金利用できるのが魅力です。 営業しているのが不思議に思うほど良心的な場所もあるでしょう。 この記事では実...

タップできる目次

【ライダーハウスの始め方:STEP1】ライダーハウスを知る

ライダーハウス

まず、ライダーハウスとは何かについてご説明します。すでにご存じの方も、できればお付き合いください。

前提として知っておいて欲しいのは、ライダーハウスは法律で決まった形があるものではないということ。

ライダーハウスとは、オートバイや自転車などでの旅行者を主な対象にする比較的簡易な宿泊施設全般を指し、運営形態などに明確な定義はない。wikipediaより引用

所有しているガレージに「ライダーハウス」と看板を付ければ、それだけでライダーハウスは完成します。

しかしそれだけでは宿泊施設として非合法ですし、お金をもらって営業することはできません。

ここでは、合法的な各種届出をして営業する【ライダーハウスの始め方】を説明していきます。

ゲストハウスとの違い

ライダーハウスとよく似ているのがゲストハウスです。ここでちょっと両者の違いを簡単に説明させていただきますね。

まず、日本の宿泊業は大まかに、

  • ホテル
  • 旅館
  • 簡易宿泊
  • 下宿

の4つに分けられます。

ゲストハウスは正式に各種届け出がされている簡易宿泊施設のこと。対してライダーハウスは、上記の通りただのコンセプトに近いものと考えてください。

北海道の農家が、納屋をライダーの寝泊り用に貸したのがライダーハウスの始まりといわれています。

ですので法的にライダーハウスを定義する言葉はありません。それでも「ここはライダーハウスですと宣言する」ことによって、独特の客層や文化が発生します。

これから説明していくことは、旅館業法にのっとった方法で旅館業を開業し、そこをライダーハウスと宣言して営業する方法です。

【ライダーハウスの始め方:STEP2】物件の条件と選び方

ライダーハウスの物件

ライダーハウスを始めるには、まず物件を決めるところから始まります。なぜなら各種届け出などは全て物件が決まってからの作業になるから。

※もしライダーハウスにしようと思っている物件をすでにお持ちであるならば、ここの項目は読まなくても大丈夫です。

新しくライダーハウスを始めようと物件探しをするのであれば、ある程度の条件が整っている方がいいでしょう。初期投資が抑えられますし、集客も容易になります。

ライダーハウスにする物件の条件と選び方は、以下の6つが考えられます。

  1. 防火施設が整っている
  2. 水回りが整っている
  3. トイレがたくさんある
  4. 周囲に何もない
  5. 安い
  6. 200平米(㎡)以下

①防火施設が整っている物件

消防法などにより、旅館業を営むには、ある程度の防火設備が必要になります。

火災報知機や消火器などの設置を考えると、実際かなりの出費になるでしょう。カーテンや壁、喫煙所、暖房設備など、防火設備を整えるだけでライダーハウスの開業を諦めてしまいたくなります。

具体的な金額は物件によって異なりますが、元ホテルや旅館だった物件や、病院、学校など人間が集まる場所だった物件はおすすめです。

このような施設はすでに防火施設が整っているので、新しく工事をすることが少なくなりますからね。

②水回りが整っている物件

宿泊施設には一定の水回りが必要になります。

給排水やガスなど、得意な人だったらDIYで出来なくもありません。しかし開業の届け出をする際に、保健所(相当の機関)からチェックされるのは衛生面です。

どこかに水がたまったり、水道管が破裂している(古い物件によくあります)可能性もあります。田舎だったら井戸水など、水質チェックも求められることがあります。

③トイレがたくさんある物件

旅館業では、ある一定の人数に対してトイレも必要になります。

民家を旅館に改造しようとする場合、基本的には1つのフロアに1つのトイレが必要になりますので、無ければ作らなければいけません。

民泊などを利用してライダーハウスを作る場合は、トイレの増設は不要です。※後述する民泊の項目も参考にしてみてください。

④周囲に何もない物件

ライダーハウスも観光業ですので、観光地の近くにあれば有利です。

しかしそのような物件は家賃が高く、ライダーハウスを営業することは難しいでしょう。

自然と観光地から離れた物件になるとは思いますが、住宅地などでは特に注意が必要です。

長期滞在者にとって必要なコンビニやスーパーなどが近くにあるのは有利ですが、爆音のバイクが朝早く暖気をするなどクレームになることがあります。

そもそも住居専用となっている土地では旅館業を開業することはできません。

100m以内に学校などがある場合も同じです。そのあたりは契約する前に確認しておきましょう。

⑤安い物件

資金力によって異なりますが、よほどのことがない限り、ライダーハウスだけの収入で生活するのは苦しいです。

例えば、1000円の宿泊費で10人が利用してくれるとすれば、1日1万円の宿泊費で1か月30万円の収入になります。

しかし10人の集団というのは、かなりのゴミを出しますし、電気・水も消費していきますので、管理にかかる費用・労力はかなりのもの。

さらに安定して連泊者が来てくれるまでは、かなりの労力が必要になります。

もちろん家賃はお客さんが0人でも支払わなければなりません。人が来なければそのプレッシャーはかなりのものです。

「まあ、自分の家賃と思えばいいか」ぐらいの家賃で抑えた方がいいでしょう。

あまりお金にうるさいライダーハウスになると、自然とお客さんは離れてしまいますので費用と客さんの求める価値との兼ね合いも大事。

田舎で探せば100万以下で民家を土地ごと購入できる物件もあります。

その様な場所では集客は難しいと考えてしまうかもしれませんが、ライダーハウスはやり方によっては観光資源がなくても集客することができます。

ですので、まずは安い物件でライダーハウスを始めてみることをおすすめします。

筆者も1件目のライダーハウスを開業してから、方向を修正して2件目のライダーハウスを始めることが出来ました。行動はなによりも勉強になりますよ。

⑥200平米(㎡)以下の物件

ほとんどの場合問題ないかと思いますが、200平米(㎡)を越える物件を簡易宿泊施設にする場合、建築基準法に従った用途に変更しなければいけません(2019年に100㎡→200㎡に緩和)。

客室などを狭くし、その範囲に収まるようにすればいいのですが、隔てる壁も単純なものでは審査が通らない場合があります。

ライダーハウスの物件探しは直接交渉も効果的!

ライダーハウス

ネットや不動産屋で物件を探すのが通常のやり方ですが、直接交渉も効果的です。

具体的には、閉鎖しているライダーハウスやゲストハウス、レストランや空き家などを見つけたら、近隣の住民に聞いて大家さんを探す方法となります。

ライダーハウスには地域の活性化という名目が少なからずありますので、「その物件が生き返るならば…!」と話を聞いてくれる可能性は高いです。

また、個人でなくても地方自治体が保有している廃校など、利用方法を募集しているところもあります。

飛び込みで話を聞くのもいいですが、その様な場所の場合地域住民や議員のサポートが必要になるでしょう。

いずれにせよ、ライダーハウス開業の熱意さえ伝われば、相手もわかってくれるはずですので行動あるのみです。

【ライダーハウスの始め方:STEP3】開業の届け出

ライダーハウス

物件が決まったら、各種届出をしていきましょう。

届出をするところは、以下の通りとなります。

  1. 消防署
  2. 保健所
  3. 役所
  4. 税務署
  5. 警察
  6. ご近所と町内会

根気の必要な場面ですが、じっくり取り組んでいきましょう。

何度も担当者と打ち合わせをしますし、一発で通るなんて思わない方が良いかもしれません。ある程度時間がかかることは覚悟ておきましょう。

物件の間取り図周囲の地図があると、相手がイメージしやすいので話がスムーズに進みます。何部かコピーして持ち歩くのもおすすめですね。

民泊について開業方法をわかりやすく解説している政府ホームページもありますので紹介しておきますね↓

新しいルール「民泊新法」ー政府広報オンライン

①消防署:消防法による基準をクリアするため

消防法にのっとった簡易宿泊施設(もしくは民泊)にするための、最初にして最大の壁が消防署。最寄りの消防署に連絡し、物件を担当者に見てもらいます。

消防法では間取りによって消火器、火災報知器、誘導灯、防火設備、懐中電灯、防火責任者などが定められています。

それは素人が判断できることではなく、担当者にゆだねるしかありません。

立会検査で意地悪な指摘をされることもあるでしょう。お金のかかる工事が必要になる場合もあります。

そのため、可能であれば物件を契約する前に消防署への連絡を済ませておくと合理的です。

②保健所:旅館業法上の問題をクリアするため

消防署の許可が下りたら、次は保健所への申請です(同時でも大丈夫です)。

保健所には、実際に営業する直前に届け出ることになってます。つまりベッドや布団などがあり、トイレ、お風呂などが利用できる状態にしてから申請し、立会検査するのが保健所の仕事です。

現実問題として、それでは工事費にいくらかかるのかわかりませんし、工事をしても許可が下りない場合もあります。

そのためまず図面をもって一度保健所の職員に相談し、それから営業できる状態までもっていくとスムーズです。大工や業者を入れるのであれば、その担当者と保健所に行くのもいいでしょう。

また、保健所がチェックするのは構造上の問題点

部屋の大きさが33平米(㎡)以下である、ベッドとベッドの距離が一定以上離れている、洗面所がある、鍵付きの脱衣所がある、トイレが適切な数ある、換気や照明などがあり、これらのチェックを行います。

旅館業法のなかには「宿泊施設として清潔で、適切に使用できる物件である」ことが条件と書かれていますからね。

③役所:建築基準法をクリアするため

役場への届け出は、消防や保険所に比べると特に問題になることはありません。

建築基準法上での問題になるのは、200平米(㎡)を超えた物件の用途変更です。それさえ大丈夫ならスムーズに終わるでしょう。

④税務署:税務上の届け出をするため

新しく事業を始めた時は、税務署に届け出をすることになっています。開業予定日が決まったら近くの税務署に行きましょう。

特に問題になることはありませんが、青色申告をする場合はそれ用の届け出をしなければいけません。

また、確定申告などで不安がある場合は時間を取ってもらって質問しておくことをおすすめします。

⑤警察:開業後のトラブルを回避するため

警察への届け出は法律上必要ではありませんが、ぜひやっておきたいもの。

ライダーハウスを営業していると、さまざまなトラブルが発生しますからね。騒音や臭い、悪質な客のトラブルなど、警察との連携が必要になることがあるでしょう。

逆に警察からお客さんを紹介してもらったり、指名手配犯がやってきたら通報するなどの連絡があったりするのもライダーハウスならではです。

⑥ご近所と町内会:近隣トラブルを解消するため

特に住宅地に物件がある場合、あらかじめ周辺の住民に説明をしておかなければいけません。

ライダーハウスは知らない人から見ると異質で、とても目立つ存在。町内会には必ず加盟し、ご近所と仲良くするのは、どのような商売でも鉄則と言えるでしょう。

【ライダーハウスの始め方:STEP4】開業についての法律を知っておく

日本人には職業選択の自由がありますが、どこで何をやっても自由ではありません。

ライダーハウスを開業するには、そこに関係する法律を知っておくべきですので、法律が絡んでくる部分を詳しくご紹介していきます。

【簡易宿泊施設】とは宿泊業の形態の1つ

ライダーハウスやゲストハウスは旅館業法で宿泊業を4つの形態に分けたうちの「簡易宿泊施設」となります。

  1. ホテル・・・洋風の建築物をつかった宿泊業。レストラン併設である場合が多い
  2. 旅館・・・和風の建築物をつかった宿泊業
  3. 簡易宿泊施設・・・共用でつかわれる宿泊業。ドミトリー
  4. 下宿・・・1か月以上の期間利用されることを前提とした宿泊業

宿泊業を開業するなら、必ずこのどれかで申請しなければいけません。

ホテルで申請してライダーハウスの看板を掲げることも可能ですが、おそらく採算はとれないでしょう。やはり、簡易宿泊施設で申請するのが一般的です。

【旅館業法】とは宿泊業を定めた法律

人からお金をもらい、寝具などを提供することを宿泊業といいます。日本で宿泊業を開業するなら、旅館業法を守らねばなりません。

旅館業法にはさまざまな規定がなされており、これまで説明してきた「開業の届け出を定めるもの(3条)」「宿泊拒否の禁止(5条)」「宿泊名簿の設置(6条)」などがあります。

ライダーハウスに関係するものとして、2016年の法改正により簡易宿泊施設への規則が緩和されました。

それまで客室の延べ床面積が33平方メートル以上と規定されていたものが、最大客数10人以下の場合は3.3×客数で許可が下りるように。

他にも、カウンターの設置や客室面積など、客数10人以下の簡易宿泊施設開業のハードルは低くなっています。

参照元:旅館業法ーe-Gov

【消防法】とは火災の時に命を守る法律

消防法は火災から生命を守るためにあります。

ライダーハウスでも火事が起きてしまった時は、可能な限りスムーズに消火や避難ができるようでなければいけません。

その為に、火災報知機など開業にはかなりの出費が必要になります。

できれば少ない費用で開業まで行きたいところですが、防火設備に出費を節約することは難しいです。

「自分の所が火事になるはずがない」と気軽に考えている人がいるかもしれませんが、1年間の出火件数は約3万8千件。特にたばこに注意が必要です。

最も多い出火原因が「たばこ」(9%)ですので喫煙場所は必ず設置します。

ライダーハウスでも減少傾向でしたが、たばこが原因でライダーハウスが全焼したり、お客さんの命を奪わないよう、消防法に準じた設備でなければいけないのです。

簡易宿泊所のサイズならば工事は必要でない場合があります。

自動火災報知機を設置したり、避難経路を作ったりなど、自分でできる範囲で済むかもしれません。

工事をしなければいけない場合は消防設備士にやってもらうことになるでしょう。そして、無事立ち合いの審査に通ると消防法令適合通知書をもらうことができます。

【民泊】とは旅館業法に適合しなくても営業できる施設

民泊とは自宅に無償で友人を泊めることです。

しかし、Airbnbなどネットの普及で、お金をもらって知らない人を宿泊させる民泊が増加しました。

違法な民泊が増える一方、観光客の増加などに対応するため、新しく民泊新法ができました。

営業日数180日以下、最低限な衛生面の設備、近隣に苦情が発生しない事などを条件に、旅館業法を通さなくても開業することが出来るようになったのです。

その条件は各都道府県による条例によって詳しく定められています。

例えば景観を重視する地区で民泊の営業は許可されていなかったり、民泊をする場合はその土地の条例を確認しなければいけません。

民泊は住宅宿泊事業法に基づいて届け出を行うことで営業ができるようになります。(民泊特区以外)

参照元:住宅宿泊事業法ーe-Gov

そして民泊として開業し、ライダーハウスの看板を掲げるところはこれから増えてくると予想されます。

特に北海道など冬の集客が見込めない地域では、営業日数180日は問題にならないでしょう。6か月間営業できれば、ライダーハウスをやるなら充分です。

いずれにせよ、ライダーハウスをやるために民泊を始めるのは悪い選択肢ではないと思います。

始める前にはまず各自治体に相談し、その物件で民泊を始めることが可能か確認してくださいね。

【24時間営業ネットカフェ】とは宿泊ではない休憩所

ネットカフェ

ライダーハウスと競合するのは、宿泊業ではなくネットカフェです。

深夜パックなどなら1000円ちょっとで眠ることが出来るのでかなりお得。しかもネットも使い放題、半個室、シャワーもあるのはうれしいですよね。

ネットカフェは旅館業法で定められている届け出をしていません。宿泊とは寝具を貸出して利用することを指しています。

ネットカフェはリクライニングチェアーやフルフラットのブースに、ひざかけなどを貸し出しているだけです。

ということは発想を変換し、一旦ネットカフェを開業し、そこにライダーハウスの看板を掲げる手法もアリだとおもいます。

その時に必要なのは、飲食店としての許可。保健所や消防署に同じように許可申請が必要になります。

旅館業法ほど厳しくはありませんが、どうしても初期投資は必要になります。

そのため、もし飲食店のテナントなどがあればその物件をネットカフェとして開業することは容易です。

必要なのは24時間営業の人件費、暖房光熱費、フリードリンクの機械、シャワー設備などでしょう。

開業までのコストは抑えられますが、ランニングコストは簡易宿泊所のほうが低くなるはずです。

キャンプ場とライダーハウス

土地だけがあり、ライダーハウスをやってみたいなら、キャンプ場がもっとも安く開業できます。キャンプ場の開業には特別な許可申請は必要ありませんからね。

しかし水場やトイレなどがあれば保健所の監査は必要ですし、管理人が滞在するコテージなどがあればそこにも保健所、消防署の監査が必要です。

ライダーハウス蜂の宿

(↑ちなみに筆者は居酒屋とライダーハウスを同時に営業していました)

【ライダーハウスの始め方:STEP5】開業前に税金についても知っておく

税務署への開業届が完了したら、いよいよ本格的にライダーハウスの営業を始めることになります。

その前に、税金についてもちょっと頭に入れておいてください。

確定申告

毎年3月15日までに確定申告をしなければいけません。そのやり方は税務署に聞けば詳しく教えてくれるでしょう。

しかし2月など急がしい時期は税務署も忙しいのでやめておいた方がよさそうです。

ライダーハウスを本業にするか、副業にするかでも確定申告の記入方法が変わります。慣れないうちは大変な作業ですので早めに準備しておくことをおすすめします。

かかった費用や業者に発注した用紙など、すべて捨てないで持っておきましょうね。

個人事業主と節税対策

ライダーハウスを本業として経営するなら、個人事業主として届けることになります。

複式簿記を使った青色申告なら、控除額も大きくお得です。しかし、ライダーハウスでそこまで収入を伸ばせる人はぶっちゃけかなりのやり手でしょう。

多くの場合は白色申告で充分かもしれません。

赤字になったとしても、本業で食べて行けるのであれば、ライダーハウスを持つことは十分プラスになります。

飲食店を経営したり、給料をもらっている場合、確定申告でライダーハウスの赤字を計上すれば節税となります。あくまで個人の責任ですが、そんなメリットもあるのです。

【ライダーハウスの始め方:STEP6】ライダーハウスを作っていく

外装工事

保健所や消防署への申請は、すべて完成してから行うのが前提。

そのためあらかじめどこをリフォームすればいいのか、その為には何が必要かを事前に確認しなければいけません。

一般的には担当者と業者で話し合い、その工事内容や日数や費用を話し合わなければいけないでしょう。

消防法に関わる部分などは、専門の業者でなければ工事できない箇所があります。

しかし少しづつでも良いので、なるべく自分で作っていく方が安くできます。ここではライダーハウスを作っていく細かい部分を説明します。

内装とDIY

内装工事

ベッドや水回りなど、自分でできるDIYは沢山あります。

ベッドの位置や間隔は法令で決まっているので担当者に確認してください。水回りは難しそうですが、水道管の位置を調節するぐらいであれば自分で行えます。

電気工事も、電気工事士の資格があれば行うことが出来ます。

DIYが好きな人なら二種電気工事士の資格を取得するといいでしょう。勉強時間は最低50時間程度で、合格率も高いようです。

ライダーハウスを副業にして仕事を探すなら持っておくといいかもしれませんね。

看板と広告

商売をはじめるにあたって看板は必要ですが、目立つ必要はありません。

なぜならライダーハウスの集客に必要なのは口コミだからです。そのため広告費を払うこともありません。

開業してすぐはお客さんがいませんので、そこだけは広告をするのも良いでしょう。

具体的には、

  • 他のライダーハウスにフライヤーを置いてもらう
  • 「ライダーハウス 宿泊」などのキーワードでリスティング広告を出す
  • SNSでバイク関係アカウントと繋がり宣伝する

となります。

ですがこれらは最初の努力で済むはず。

本当に価値のあるライダーハウスだったら、ツイッターなどのSNSによりすぐに広まるからです。

筆者の感覚的には、開業して2年目から広告をする必要は無くなっていくと思われます。

寝具と必要な物

寝具

ネットカフェやキャンプ場などのスタイルではないのなら、寝具を置くことになるでしょう。

ドミトリーの場合だと2段ベッドが定番でしょう。安いものだと1万円程度で手に入りますし、DIYで作ってもかまいません。

布団は新しいのを買うのが気持ちいいですが、費用を抑えたいなら近くの民家を回るのがおすすめです。

古い家なら家族が集まった時用に、大量の布団を持っているはず。しかも処分に困っている家もとても多いように感じます。

ライダーハウスを営業していると「あまった布団いらない?」と声をかけられることは何度もありますので、初期投資を抑えたいなら新品を買うことは後回しにするべきです。

名簿も必要?

旅館業法で宿泊者名簿を作成することが義務付けられています。

本人確認の意味でも、パスポートや免許証などの写真データを撮影し、宿泊日を記入するだけで名簿の代わりになりますのでオススメです。管理には厳重に気を使いましょう。

かつてはフロントも必要だった

フロントは旅館業法で定められていて、必ず設置しなければいけませんでした。しかし法改正で「望ましい」と書き換えられ、必ず設置する義務はなくなりました。

ごみ問題

ごみの分別はライダーハウスを開業する時に気を使うべきポイントです。

その自治体のルールに従って分別するのは、他の地域からきたお客さんにとってはとてもわかりにくいことだからです。

自分が再分別することになりますが、その労力はとても大変だと覚えておいてください。

従って、大きなごみ箱に、詳しくルールを書いた紙を書き、何回も説明する事になるかと思います。あまりに大変でしたら思い切って業者と契約してしまうのも1つの手段かもしれません。

ライダーハウスは屋根付きのバイク駐輪場があると喜ばれます

屋根付きのライダーハウス

バイクの駐輪場は、できれば屋根付きであればライダーから非常に喜ばれます。

せっかくバイクと旅をしているのにもかかわらず、自分だけ屋根付きでバイクは雨ざらしなのも気持ちよくありませんからね。

来てくれた人のバイクにも快適に過ごしてもらえるように余裕があれば屋根付きの駐車場を用意してあげましょう。

【ライダーハウスの始め方:STEP7】料金を決める

ライダーハウスは安く泊まれるのが魅力です。

しかし安すぎるといろいろな問題が生まれます。料金を決めることが、ライダーハウスを開業する最後の重要な作業になるでしょう。

ライダーハウスの料金相場

ライダーハウスの料金相場は、1泊あたり無料〜2,000円ほどとなっています

これ以上でもライダーハウスの看板を掲げることは可能ですが、「ライダーハウスは安く泊まれる楽しい場所」その代りちょっと汚かったり、うるさいイメージがありますという認識が一般的です。

高すぎる料金設定は、むしろ集客の足かせになってしまうことも考えられます。

例えば3,500円に設定したとするならば、お客さんはライダーハウスよりも別のゲストハウスに行ってしまいます。

全く新しいきれいなライダーハウスを作るというのならまだしも、商売で利益を出すにははお客さんのイメージに合わせて提供することも大事。

高級フランス料理のコースを出す店に居酒屋の看板を掲げてもしかたありませんからね。

料金と客層について

料金を上げるとお客さんは少なくなりますので、最初は安い料金で集客を目指すと思います。

価値が広まったところで価格を上げる戦略もあるでしょう。

注意したいのは、安ければ安いほど客層が悪くなるということ。トラブルメーカーの割合が増えると言ってもいいでしょう。

彼らに「安く使わせてもらっているのだから」という気持ちは一切ありません。

きっとやりきれない気持ちになることもありますので、それらも込みで自分が納得する料金設定をするべきです。

周囲の同業者と照らし合わせて(ネカフェがあるなら1,000円ぐらいなど)、頭を下げて感謝できる金額が良いと思います。

”無料化”するメリット

思い切って無料化することにもメリットがあります。

  • 旅館業法とは関係なくなる・・・宿泊業とは対価をもらって寝具を提供することだから
  • いやなお客さんを追い出せる・・・お金をもらっていないから
  • じっくりと練習できる・・・開業したときにすぐにお客さんになってくれる

その代わり、収益のないまま費用が発生するのは、わかっていても精神的にキツイです。

カンパ代として箱を置くのは対価を得ることになるのでできません。

宿泊と繋がる代金であると認められたら、旅館業法違反として3年間は新しい宿泊施設を開業できなくなります。

NPOとライダーハウス

ライダーハウスの無料化の1つとして、NPO団体にする方法もあります。

NPOは非営利な団体ですが、営利事業を営むことを禁止しているわけではありません。

NPOは国や会社が解決できない問題を解決するために存在しているので、例えば人口減少の地域を盛り上げるという名目でもNPOは作れます。

つまり、ライダーハウスの営業をNPOの活動にしてしまえばいいのです。大義名分としてライダーハウスはNPOの看板になれます。

その他の営利事業はしっかりとやっていくとして(補助金や助成金)無料のライダーハウスを作ることができます。

NPO団体の設立は10人以上の有志がいて、大義名分が必要になります。

設立のハードルは会社を作るほど高くはなく、法人化することで地方自治体を巻き込んだ活動にすることができるのです。

NPO活動の一環としてライダーハウスをやる方法は、ぜひ一度考えてみていただきたいやり方ですね。

派遣会社と寮

ライダーハウスを経営していると、アルバイト先を紹介することがとても多かった印象があります。

特に農村地帯などでは繁忙期に人手が欲しくなるようですね。

長期の旅人もそのようなアルバイト先を求めていて、その宿泊先にライダーハウスという選択肢があるのは自然な事です。

派遣会社を設立することも考えましたが、その費用は最低でも2千万円以上なので諦めました。

派遣会社にすればライダーハウスは宿泊業ではなく、寮(寄宿舎)になると思ったからです。

寄宿舎は行政への届け出でいいので、旅館業法の条件を満たす物件でなくても大丈夫です。

アウトドアガイドや飲食店など本事業を持つ

アウトドア

筆者はライダーハウスと同じ敷地内で居酒屋・カヤックガイドも経営していました。

地元のお客さんも利用できて、旅人との交流が生まれる楽しい場所になったと思っています。

同時にカヤックガイドもやっていました。このようなアウトドアガイドとライダーハウスは相性が良くて、天気のいい日に誘えばかなりの確率で参加してくれました。

このように、数本の柱を持つことで、ライダーハウスを無料化して集客システムとして割り切ることも出来ます。

設備投資ができず法的にアウトな場所でも、「無料にして費用を全員でワリカンすれば大丈夫」と消防の人に教えてもらうこともありました。(あくまで自己責任でお願いしますね)

まとめ

ライダーハウスツーリング

ライダーハウスを開業するには、旅館業法で簡易宿泊施設として申請する必要があります。それが不可能であるならば無料にして解放することになるでしょう。

ライダー人口が減り、ライダーハウスは減少していきますが、消滅はしないと思っています。

なぜならライダーハウスの独特の文化や楽しさは他の場所では味わえないからです。

収益化するのは大変ですが、価値があるライダーハウスならばすぐに手伝ってくれるお客さんが現れるはず。

新規のお客さんの案内から、ごみの分別、門限の指示まですべて任せることだってできます。そんなことが可能なのもライダーハウスだからでしょう。

合法的にライダーハウスを開業するのは大変ですが、一度始まってしまえばすぐに軌道に乗ると思います。

ライダーハウスの収入自体は少ないかもしれませんが、その代わり他の仕事もしっかりできるのがライダーハウスと言えます。

ライダーハウスはあなたの人生に大きな充実感を与えてくれるはずです。

ABOUT ME
野澤 知克
野澤 知克
郵便局を退職後、北海道旭川市にて兄とRBP旭川を開業。3年間経営し、テナントが使えなくなったので閉鎖。その後北海道美瑛町にて閉鎖されていたライダーハウス蜂の宿をひきつぎ、10年間経営。北海道3大沈没ライダーハウスとして評価をされたが閉鎖し、現在ライターとしてさまざまな記事を書いている。得意分野はバイク、法律。