【バイクレーサー必見!】天気が悪い時のタイヤ選びのポイント

レースをしていると、決勝前に、

「突然雨が降ってきた」

「急に雨が止んだ!」

という状態に遭遇することも出てきます。その時に重要なのはやはりタイヤの選択でしょう。

サーキット走行では基本的に晴れのコンディションのタイヤ(ドライタイヤ)と雨用タイヤ(レインタイヤ)があり、この選択によって勝敗が左右されるといっても過言ではありません。

実際僕もたくさんのコンディションでレースを走りましたが、やはり判断ミスで上手くいかない時もありましたが、偶然上手くいった時もあります。

でも、中途半端なコンディションの時は果たして運任せにしても良いのでしょうか?もっと事前に予測することはできないのでしょうか?と思いますよね。

そこで、実際にたくさんのコンディションで走行した経験をもとに中途半端なコンディションでタイヤ選びに困った時に覚えておきたいポイントをご紹介します。

具体的には、

・コンディションを外したタイヤでサーキットを走ると起こるデメリット
・中途半端なコンディションの時に気を付けたいポイント
・タイヤ選択に悩んだ時に考えること

などを重点的にご紹介します。レースを始めた人はぜひ読んで欲しいですっ!

目次

レインコンディションでドライタイヤが不利な3つの理由

レインコンディションをドライタイヤで走行すると大きなリスクを伴います。

その主な理由は以下の3つが考えられるからです。

1.排水性が悪い
2.タイヤが温まらない
3.タイヤの剛性が高すぎる

順にご紹介しますね。

1.排水性が悪い

街乗りベースのドライタイヤにはしっかりとパターン(溝)が付けられているため、多少の水たまりでも排水することができるため、


しかし、レーシングタイヤの場合は溝がほとんど付いていないため、雨が強くなってくればあっという間にグリップしなくなります。

2.タイヤが温まらない

街乗りでも使用できるスポーツタイヤの場合は特に問題ありませんが、レーシングタイヤでの走行はかなり危険でしょう。

なぜならレーシングタイヤには適正温度があり、その温度に達しないと全くグリップしない構造であるから。
仮に走行前にタイヤウォーマーでしっかり温めても走行すると雨でどんどん冷やされ、あっという間にグリップを失います。

よほどコンパウンドが柔らかいタイヤであれば冷えた状態でも多少グリップするかもしれませんが、それでもリスクの方が大きいと言えるでしょう。

3.タイヤの剛性が高すぎる

ドライタイヤはタイヤ自体の剛性が高く、ドライ路面でしっかりグリップした状態に初めてタイヤを潰せる状態になります。
そのため、雨でグリップしないコンディションの場合、タイヤ自体の剛性が強すぎてたわまないため、接地感がなく、走行中は怖く感じてしまうこともあります
やむなくレインコンディションをドライタイヤで走行するのであれば空気圧を0.1〜0.2キロほど下げておくといいでしょう。

空気圧のチェックはこちらがおすすめ↓

ドライコンディションをレインタイヤで走るとすぐにタイヤが減る

反対にドライコンディションをレインタイヤで走行するとどうなるのでしょうか?

レインタイヤは温めなくてもグリップするようにタイヤのコンパウンドが非常に柔らかくなっています。

そもそもドライタイヤとレインタイヤでグリップに対する考え方が違います。

ドライタイヤ→熱で柔らかくなることで地面に食いつく(最大グリップを狙う)
レインタイヤ→そのままの状態で地面に食いつく(悪条件(低温)でもグリップすることを狙う)

そのため、ドライコンディションでガンガン熱や摩擦を加えると表面が剥がれてあっという間にタイヤがツルツルになってしまいます。

しかもレインタイヤは600ccバイクで使用するサイズであれば最低でも5万円以上はするため、1走行でそのタイヤが無くなってしまい、財布にも大きなダメージが…

レインタイヤの逆ばきはタイヤの性能が発揮できない

レインコンディション


レインタイヤはタイヤについているパターン(溝)によって水を排水しています。

このパターンはタイヤが回転することを前提につけられていることが多く、間違ってタイヤを逆ばきにすると正しく排水できないため、本来のパフォーマンスを発揮させることができません。

そのため、タイヤの組み間違いにはくれぐれもご注意ください。

レインタイヤの空気圧はドライの温感に設定する

レインタイヤは走行中雨で冷やされるため、タイヤ自体はそこまで大きく温まりません
そのため、タイヤウォーマーで温める必要もほとんど必要ないため(実際はなくても大丈夫とも言われています)、
空気圧の目安はドライタイヤの温感(走行してタイヤが温まった状態での空気圧)を目安とすることをおすすめします。

例・・・ドライタイヤの冷感(タイヤを温める前の状態の空気圧)1.6キロ、温感2.0キロの場合、レインタイヤの走り出しは2.0キロでスタートする

中途半端なコンディションではタイヤの選択で勝敗が変わる

特に雨上がりで路面コンディションが良くなってきて、ところどころ路面が乾いてきている場合はタイヤ選択に悩むところ、

ただし、このタイヤ選択がハマれば大きく順位を上げることができます。
そのため、

1.天気予報アプリの雨雲レーダーで確認する
2.実際の雲行きを確認する
3.自分のクラスの前にレースがあったらどのタイヤを選択しているか確認する

といったことを行い、少しでも天候を味方につけるようにしましょう。

1.天気予報の雨雲レーダーで確認する

天気予報

出典:https://weather.yahoo.co.jp/weather/

天気予報はYahoo!天気の雨雲レーダーの精度も良く、この先の雨の量をしっかりと予測することができるため、ぜひ利用するようにしましょう。

2.実際の雲行きを確認する

曇りの天気


空を見て、実際の天気を確認するという方法があります。
これは一見原始的に見えますが、なんとなく空気が湿っていたりうっすらと晴れてきたりといった違いを感じられると思います。
普段から空を見るとなんとなくわかってくるため、判断の参考として頭に入れておきましょう。

ちなみに鈴鹿サーキットはコースが縦に長いため、東区間と西区間で天気が全く異なる時もあります。前半のS字セクションで晴れていたのにデグナーカーブを過ぎた頃から急に雨に変わったりすることも良くあります。

3.自分のクラスの前にレースがあったらどのタイヤを選択しているか確認する

自分のレースの前にコースを走行しているバイクがいれば、そのバイクはドライタイヤなのかレインタイヤなのかを確認してみましょう。

さらにタイヤの磨耗具合も確認することができれば次のレースはどのタイヤを使用すればいいのかがわかってきます。

タイヤ選択に悩んだら2択

路面は半乾き、おまけに天気もどんよりと曇っている場合となると、最後はこの2択になるでしょう。

・天気が晴れて後半路面が乾いてくると予想してドライタイヤにする
・後半雨が降ってくるだろう。リスクを取らずにレインタイヤで確実にゴールする

もうこれはどちらを選ぶかはライダー次第ですね。どちらの選択もいいと思います。あとは自分がレースでどの順位を狙っているかによります。

タイヤ選択まとめ

タイヤ選択を間違うとタイヤの本来の性能が発揮されずに勝敗に左右されたり、あっという間にタイヤが終わってしまい、金銭的な大打撃にもつながります。

そのため、天気を事前に調べたり、天候を読むことが必要になるため、普段から天候の変化を気にしたり、アプリなどを使って雨雲の動きを察知したりして、少しでも天候を身につけられるようにしたいですね。

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この記事を書いた人

19歳から約10年間バイクレースをする/鈴鹿4時間耐久レースクラス優勝/全日本選手権フル参戦経験あり
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