【サーキットでも使える】バイク用メンテナンススタンドの選び方とおすすめ品

バイクの点検や整備に最適なメンテナンススタンドは、バイクのレースをする上では欠かすことができません。

また、レース以外にも日々のメンテナンスやバイクの保管をする上でも重宝します。

メンテナンススタンドと言っても様々な種類があり、目的やバイクによってもそれぞれ違いますので、種類もたくさんあります。

そこで本記事では、自分のバイクにあったメンテナンススタンドの選び方や、おすすめのメンテナンススタンドをご紹介していきますので、メンテナンススタンド選びにぜひ役立ててみてください。

目次

メンテナンススタンドの役割

メンテナンススタンド

メンテナンススタンドと聞くと、その名の通りメンテナンスをする目的のために使われることをイメージすると思いますが、他にも役割があるのです。

あらためてメンテナンススタンドの役割を見てみると、以下の3つに分けられます。

  1. 点検や整備が効率的にできる
  2. 長期保管する時に車両に負担をかけない
  3. 運搬時の固定になる

①点検や整備が効率的にできる

バイクのメンテナンスで一番厄介なのが、タイヤをどう取り外すかではないでしょうか?

足回りの整備をするためにはホイールごと取り外さなければいけませんし、洗車をするにしてもタイヤをぐるっと一周させなければいけません。

もしメンテナンススタンドがなければ、ジャッキで無理やり車体を持ち上げなければいけませんので、面倒なことに加え、バイクが倒れる危険もあります。

メンテナンススタンドがあると、タイヤ浮かせることができますので、日常的なメンテナンスを安心して楽に行うことができるでしょう。

バイクも水平にすることができるため、チェーンラインの確認なども一人でできます。

②長期保管する時に車両に負担をかけない

冬場など長期間車両に乗らない場合、メンテナンススタンドを使ってバイクを浮かせることで、タイヤの変形や空気圧の低下を抑えることができます。

展示用のバイクなども良く見てみると、専用のスタンドにかけられており、車体へのダメージを最小限に抑えているのがわかります。

③運搬時の固定になる

トランポでバイクを輸送する時に、メンテナンススタンドがあると支点が増えるため、揺れやすい車内でもバイクが安定します。

メンテナンススタンドによってはトランポからはみ出してしまうこともありますが、持ち手の長さがショートタイプのものを利用すれば、きちんと収まります。

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メンテナンススタンドの選び方

次に、メンテナンススタンドの選び方についてご紹介します。

メンテナンススタンドは、バイクの体重を預ける重要なものです。しっかりしたものを選ばなければ途中で転倒事故を起こしたり、バイクを傷つけたりしてしまうこともあります。

メンテナンススタンドを選ぶときに確認しておきたいところは、以下の3つとなります。

  1. 製造メーカーはどのようなところか
  2. 値段はどれくらいするか
  3. 類似品ではないか

①製造メーカーはどのようなところか

メーカーによっては中国製でかなり作りが甘いものも存在しますので、欲しいメンテナンススタンドを見つけたら、製造メーカーがどのようなところか調べる方がいいでしょう。

おすすめはレースでも使われているメーカーで、国内だとJ-TRIP製だと間違いありません。また、バイトルファクトリー製のスタンドは、かなり軽量で遠征時にも重宝するでしょう。

使う頻度が少ないため少しでも値段を抑えつつ良いものが欲しいと考えているのであれば、DAYTONA製のスタンドも悪くないでしょう。

②値段はどれくらいするか

メンテナンススタンドの性能や使いやすさは、金額に比例すると言っても過言ではありません。

特に値段が安いメンテナンススタンドだと、ただ単にパイプを曲げただけの構造をしており、剛性が少なくグラグラと揺れ始めます。

反対に値段が高いメンテナンススタンドは、それなりに手間暇かけて作られているため、剛性がしっかりしているのです。

③類似品ではないか

メンテナンススタンドは基本的な形が決まっていますので、良く似た形状でも製造メーカーを見てみると全然違うところが作っていたなんてことも少なくありません。

これがしっかり使えるものであれば問題ありませんが、見た目は同じでも遣ってみると全然使えなかったなんてこともありますので、購入時は注意が必要です。

メンテナンススタンドを使うときの注意点

フロントスタンド

メンテナンススタンドを使うときは、以下のことに注意する必要があります。

  1. 足場がしっかりしているところで使用する
  2. しっかりバイクにセットできているかを確認する
  3. エンジンはなるべくかけない
  4. 大きな力をかける時は車体が動かないか確認する

これらのことがしっかりできないと、いきなりバイクが倒れてしまう危険性がありますので、一つずつ確認していきましょう。

①足場がしっかりしているところで使用する

メンテナンススタンドは小さなローラーが付いており、段差や砂利などがある足場の悪いところでは反対に不安定になってしまうこともあります。

そのため、できれば平で足場がしっかりしているところで使用するようにしましょう。

②しっかりバイクにセットできているかを確認する

メンテナンススタンドを使用する時に意外とやりがちなのが、受けをしっかりとバイクにかけられておらず、バイクを上げた途端に一気に倒れるということ。

焦ってメンテナンススタンドをかけると、ほとんどの確率でやらかします。

特にスピードが求められるレース現場の方が、意外とこのようなニアミスをやらかしやすいのも事実です。

そのためメンテナンススタンドをかけるときは、受けにしっかり収まっているかどうか確認しましょう。

③エンジンはなるべくかけない

きちんとメンテナンススタンドをかけていれば問題ありませんが、メンテナンススタンドをかけると、車体を支える支点の面積が狭くなります。

そのため、ちょっとした振動によってスタンドが動いたり、外れたりするリスクもあるのです。

オイル交換やエンジンの暖気以外では、なるべくエンジンをかけないようにするほうがいいでしょう。

④大きな力をかける時は車体が動かないか確認する

ホイールを止めているナットや、エンジンのボルトを緩める時には、大きなトルクがかかっています。

しかしメンテナンススタンドの多くは、ただ単に車体がスタンドの上に乗っているだけのことが多いため、大きなトルクをかけると車体が動いてしまう可能性があるのです。

できればインパクトドライバーを使用したり、バイクを支える人を呼んでバイクが倒れないようにする必要があります。

おすすめのメンテナンススタンドまとめ

リアスタンド

それではおすすめのメンテナンススタンドをご紹介していきます。

ざっと種類を分けただけでも、かなりの量がありますので、この中から気になったものを選んでみてはいかがでしょうか?

【17インチ用】おすすめメンテナンススタンド【フロント・リアスタンド】

一般的なバイクのサイズである17インチのバイクに使用するフロントスタンドとリアスタンドです。

最も多く使用されるメンテナンススタンドとも言えるでしょう。

フロントスタンド

ジェイトリップ(J-TRIP) フロントスタンド ブラック JT-116BK メンテナンススタンド

フロントハンドルのブラケット下に付いている穴に差し込むタイプのメンテナンススタンドで、簡単にフロントタイヤを取り外すことができます。

写真のように折りたためますが、それでも比較的場所を取ってしまうのはしょうがないところでもあります。しかしフロント周りの整備はこれ一つあれば十分でしょう。

メリット
  • フロント周りの整備はこれ一つあれば大丈夫
  • これだけでバイクを直立させることもできる
デメリット
  • 折り畳んでも多少スペースを取る
  • 重さもそれなりにある

リアスタンド

リアスタンドは、使いやすいロングタイプショートタイプに分けられます。トランポでの使い勝手や、普段の使いやすさを考えて好きな方を選ぶと良いでしょう。

人によってはガレージでのメンテナンス作業ではロングタイプを使用し、サーキットなどではショートタイプを使用するなど、使い分けていることもあります。

  • ロングタイプ
ジェイトリップ(J-TRIP) ロングローラースタンド(ホンタイ) ホワイト JT-120WT メンテナンススタンド
  • ショートタイプ
ジェイトリップ(J-TRIP) ナローローラースタンド本体(8-18) 赤 (50~400cc) JT-1052RD メンテナンススタンド

【12インチ(ミニバイク用)】おすすめメンテナンススタンド【フロント・リアスタンド】

基本的には17インチのメンテナンススタンドと変わりませんが、フロントスタンドは2本足のワンタッチスタンドタイプの人気も高くなっています。

フロントスタンド

フロントは10インチから18インチのものまで対応されていますので、17インチ用を購入して高さを低くして使っている人もいます。

サイズもコンパクトで持ち運びも簡単ですので、ミニバイクレース界では意外とこちらを使っている人の方が多いかもしれません。

メリット
  • コンパクトで持ち運びも楽
  • フロントフォークやタイヤの取り外しの時に邪魔にならない
デメリット
  • 車体を持ち上げる時に力が必要
  • リアスタンドがしっかりしていないと不安定になりやすい

リアスタンド

リアスタンドも基本的に17インチ用と変わりません。受けの幅を調整してミニバイクでも使えるようにします。

リアスタンドをかけるときに確認しておきたい【受け】

リアスタンドはスイングアームの形状によって適切な受けを選ぶ必要があります。もし受けが合わずそのまま使用していると、常に転倒のリスクが付きまといます。

リアスタンドの受けは以下の2種類があります。

  • L受け
  • V受け

L受け

ジェイトリップ(J-TRIP) Lウケ・ダイ (2コイリ) JT-104L2

L受けは片持ち式のサスペンションを除くほとんどの形状のサスペンションに使用することができます。また、V受けのように受け自体が尖っていないため、スイングアームを傷つける心配がありません。

ただし、受けの上にスイングアームを載せるだけの構造となっているため、整備途中やスタンドを上げている途中でずれてしまうリスクもあります。

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V受け

ジェイトリップ(J-TRIP) フック・ウケセット(R/L) C・メッキ JT-107A

V受けは専用のスタンドフックをスイングアームに取り付ける必要があります。

NYSh スタンドフック ホンダ スズキ 車用 リア スタンド フック M8 ボルト 左右 2個セット (レッド)

受けをV字のフックを引っ掛ける形状をしているため、フックがかかれば大きな安定感が得られます。

また、フックの位置が分かればスタンドを楽にかけることができますので、レース現場でも重宝されています。

オフロードバイクには【センターアップスタンド】がおすすめ

toolsisland (ツールズアイランド) リフトスタンド オフロード モタード用 リフトスタンド ダンパー式 H-01

オフロードバイクに乗っている人はエンジン下のフレームから一気に車体を持ち上げるセンターアップスタンドがおすすめです。

センターアップスタンドを上手く利用すれば、一度に前後のタイヤを浮かすことができますので、かなり整備性が高いスタンドとも言えるでしょう。

ただし、バイクのフレームを下から持ち上げているだけで足場やスタンドをかける位置が不安定だと、簡単に転倒してしまいますので、長時間の使用には向いていません。

メリット
  • 前後のタイヤを持ち上げられる
  • レバーを踏むだけで楽に持ち上げられる
デメリット
  • 足場が不安定だと転倒の危険が大きい
  • スタンド自体が重い

ちょっとバイクから離れたい時は【センタースタンド】がおすすめ

キタコ(KITACO) チョイ掛ケスタンド 汎用 676-0500005

サーキットを走るバイクのほとんどは固定式のバックステップを使用していますので、ちょっとバイクから離れるときはステップバーにかけるタイプのセンタースタンドがおすすめです。

基本的にT字の形をしたスタンドにパイプを入れるだけで使用できますので、一人でサーキットを走る時にも重宝するでしょう。

価格も安くコンパクトですので、一つ持っておいても良いかもしれませんね。

メリット
  • ちょっとバイクから離れたい時に使える
  • コンパクトで持ち運び簡単
デメリット
  • 可倒式のステップには使えない
  • メンタナンスには向かない

よりコンパクトなスタンドがいい人は【フロントフォークスタンド】もある

ジェイトリップ(J-TRIP) フォークアップスタンド ブラック JT-113BK メンテナンススタンド

フロントフォークのしたに付いている穴を利用して固定するフロントフォークスタンドは、非常にコンパクトな形状をしていますので、サーキットなどの遠征時では非常に便利です。

また、タイヤウォーマーをかける時にも邪魔になりませんので、整備製も非常に優れています。

唯一の欠点はフロントフォークが取り外せないことですので、もし足回りを整備する機会がある人はフロントスタンドもセットで持っていきたいですね。

メリット
  • 持ち運びが楽
  • タイヤウォーマーの脱着が楽
デメリット
  • フロントフォークが取り外せない
  • 穴が小さいためスタンドをかけるのに苦労する

リア周りの整備をしたい時は【ステップスタンド】がおすすめ

ジェイトリップ(J-TRIP) ステップスタンド(ジャッキタイプ) JT-931

リアスタンドをかけた状態では、リアサスペンションやスイングアームは取り外せませんので、その場合はステップスタンドを利用してステップからバイクを持ち上げると良いでしょう。

ただし、ステップスタンドの受けはリアスタンドのように引っかかる形状ではないため、しっかりステップにかかる位置に固定しなければバイクが倒れてしまう危険があります。

また、ステップが可倒式のバイクだとステップベースに固定しなければいけませんので、非常に不安定になります。

メリット

リアの足回りが整備できる

デメリット
  • セットする位置に気を付けなければ倒れる危険がある
  • スタンドの高さを揃える必要があるため手間がかかる

トランポで輸送するなら【ホイールクランプ】がおすすめ

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バイクを輸送するなら、ホイールクランプを使用することをおすすめします。

ホイールクランプは、フロントホイールを両サイドを垂直に固定してくれるため、リアスタンドが無くてもバイクを直立させることもできます。

トランポでのおすすめの使い方は、ホイールクランプをトランポの奥に固定しておき、リアタイヤはリアスタンドで固定する方法。

この状態でタイダウンベルトで引っ張れば、大抵の振動にも耐えられます。

ただし、フロントタイヤに大きな力がかかるため、長時間の使用はタイヤを変形させてしまう可能性もあります。

その場合はタイヤの受け部分にダンボールを挟んでおいてもいいかもしれませんね。

メリット
  • フロントタイヤを突っ込むだけでバイクを直立させられる
  • リアスタンドと併用すれば圧倒的安定感
デメリット
  • フロントタイヤは外せないため整備が限られる
  • タイヤウォーマーは巻けない

まとめ

バイクのメンテナンススタンドの選び方や注意点、おすすめのメンテナンススタンドをご紹介しました。

バイクレースの現場では、タイヤウォーマーを巻くためや整備をするため、バイクをトランポに積んで移動させるためなど、様々な用途で使用します。

そのため、使い勝手が良いものはもちろん、しっかりした強度があるものを選ぶことが重要です。

今回ご紹介したメンテナンススタンドは、どれもレース現場で使われているものですので、間違ないものばかりです。この中から自分に必要なものを選んでみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

19歳から約10年間バイクレースをする/鈴鹿4時間耐久レースクラス優勝/全日本選手権フル参戦経験あり
当サイトではバイクレースやツーリングなど、あらゆるバイクに関する情報を提供しています。

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