キャンピングカーは移動手段の「車」としての機能と「居住空間」としての機能を併せ持っており、旅好きの人にはぴったりの車。
2019年の国内のキャンピングカー保有台数は約12万台(日本RV協会のキャンピングカー白書2020)となっており、キャンピングカーを所有する人はどんどん増えているのです。
キャンピングカーは他の車と違って小さなお部屋を荷台に積んで走っているようなもの。ただでさえ重量が重く、様々な部分に負担がかかっています。
そのため他の車よりこまめで慎重なメンテナンスも必要です。
でも、
キャンピングカーのメンテナンスって難しそう
メンテナンスって具体的にどんなことをしたらいいの?
どれくらいの頻度で点検すればいいかわからない
と、キャンピングカーを所有するのに不安を抱く人も多いのではないしょうか。
そこで本記事では、キャンピングカーのメンテナンスについてご紹介していきますので、これからキャンピングカーの購入やレンタルを考えている人は、ぜひご一読ください。
走行前にチェックしておきたいポイント
まずは走行前に最低限チェックしておきたいポイントは以下の3つがあります。
- 走行中に異音がするか
- タイヤの空気圧
- バックカメラが機能するか
順に詳しく見ていきましょう。
①走行中に異音がするか
目視では気づかなくても、走行中の異音で車の異常に気づける場合があります。
特にエンジンや排気系、足回りから異音が発生すると走行に大きな支障をきたすこともありますので注意が必要。
また、走行中に軋み音がないかどうかもチェックをしてください。気になる音がした場合は、修理業者に相談しましょう。
②タイヤの空気圧
キャンピングカーのタイヤは車体と荷台の重さを支えているため、タイヤの空気圧チェックは重要です。また、適正な空気圧管理は乗り心地や燃費性能にも大きな影響を及ぼします。
タイヤの空気圧が下がった状態で走行を続けると、バーストが起こる可能性があります。
バーストとはタイヤが突然破裂することを意味し、重大事故の原因にもなります。バーストは日々の点検やメンテナンスで防ぐことができるので、ぜひ心がけてくださいね。
走行直後は空気圧が上がっているため、走行前に空気圧を測ることをおすすめします。
適正な空気圧がわからないという方は、運転席側のドアの縁、または車体側の縁に貼られたシールを確認してください。車の適正空気圧が表示されています。
③バックカメラが機能するか
キャンピングカーはルームミラーから後方を確認できないため、バックカメラの存在が必要不可欠。
いざバックをしようとした時、いつも機能しているカメラが突然動かなくなると焦りますよね。必ず出発前に、正常に映るかの確認も行いましょう。
定期的にしておきたいキャンピングカーのメンテナンス
ここでは、定期的にしておきたいキャンピングカーのメンテナンスをご紹介します。
- 洗車
- 室内空間の整理整頓
- ブラックタンクの洗浄
- タイヤの確認
- バッテリーの確認
- 給水タンクの確認
- エンジンの確認
上記の7項目を押さえれば、安心して快適なキャンピングカー生活を送ることができるでしょう。
こちらも詳しく見ていきましょう。
洗車
キャンピングカーは車体が大きいため、洗車も一苦労。洗車機では付属品やボディに傷がついたり洗車機自体が壊れたりする恐れがあるため、基本的には自身で手洗いします。
手洗いすることで、外装系の不具合を事前に発見することもできます。洗車に必要な道具は、乗用車を洗車するときと同じものでも問題ありません。
ただし、キャンピングカーは換気扇などの開口部がありますので、洗車中に水や薬品が入らないよう注意が必要。また、車高が高いので、洗車中に落ちてケガをしないように十分気を付けてください。
室内空間の整理整頓
室内空間は使用していくうちに泥や砂を中に入れてしまうこともあります。髪の毛も落ちますし、室内で飲食もしますので、放っておくとどんどん汚れていきます。
ですのでお部屋を掃除するような感覚でこまめにメンテナンスしましょう。
キャンピングカーの床を防水のフローリングにすれば、小型の掃除機でも十分綺麗になるので、掃除がかなり楽になりますよ。
またキャンピングカーは生活スペースが限られていますので、物を持ち込みすぎないことも重要です。
物を持ち込むほど空間は狭くなりますし、掃除もしづらくなります。お部屋の片付けと同じように、使い終わったら元の場所に戻すことを普段から意識しましょう。
ブラックタンクの洗浄
トイレの汚物をためておくブラックタンクは、少量だからといって放っておけば、汚れや臭いが付着してしまいます。
また、カビが繁殖することもありますので、定期的に洗浄しましょう。
汚物はご家庭のトイレ、あるいはキャンプ場や道の駅などにあるダンプステーションで処理することができます。
ダンプステーションでは、キャンピングカーの排出用ホースとダンプステーションの設備をつないで処理することができますよ。
タイヤの確認
- 異物が刺さっていないか
- ひび割れたり変形したりしていないか
- 溝が残っているか
これら3点を目視で確認しましょう。
万が一走行中にパンクやバーストが起こるとせっかくの旅行が台無しに。
タイヤの使用限度は残り溝1.6mmと言われていますが、使用しなくてもゴムは劣化しますので、残り溝に関わらず一定期間が経過したら交換するようにしましょう。
また、スペアタイヤも忘れずに確認しておきましょう。
最近はキャンピングカー専用のタイヤが安価で販売されていますので、早めに交換しておくのも一つの手です。
バッテリーの確認
室内を快適に過ごすためには電力の存在が欠かせません。エンジン停止中に電化製品を使うためにはサブバッテリーが必要となります。
サブバッテリーの交換の目安は3年前後と言われていますが、使い方次第で大きく前後します。過充電や過放電が重なってしまうと、バッテリーの性能が著しく下がってしまいます。
過充電と過放電の違い
- 過放電:サブバッテリーの持つ電力をすべて使い切った状態のこと
- 過充電:満充電なのにさらに充電している状態のこと
太陽光で発電するタイプもありますが、バッテリー式のものであれば定期的に交換しましょう。
給水タンクの確認
給水タンクはカビや雑菌が繁殖しやすいため、定期的に水の入れ替えやタンクの洗浄をするようにしましょう。
取り外し可能なポリタンクの場合は、使用後に取り外して水洗いや洗剤を使って洗浄します。車に備え付けのタンクの場合は、洗剤や重曹などを使って洗浄を行います。
キャンピングカーの水は飲料水には適しませんが、手洗いやトイレといった生活用水として重宝しますので、タンクを清潔な状態に保ちましょう。
エンジンの確認
エンジンのチェック項目は2つあります。
- 異音がしていないかの確認
- エンジンオイルのチェック
異音がしていないかの確認
エンジン始動時にエンジンから異音がしていないか確認します。
異音があるようであれば、車両に不具合がある可能性が高いです。気づいたらすぐ修理業者に相談しましょう。
エンジンオイルのチェック
- 走行距離5,000km毎あるいは半年ごとにエンジンオイルを交換
- 走行距離10,000km毎あるいは1年ごとにオイルエレメントを交換
エンジンは人間の体に例えると心臓部分にあたります。その内部を循環するエンジンオイルは、まさに血液の役目を果たしており、良いコンディションを維持することが重要です。
エンジンオイルは走行していない間も空気や水分、熱などで酸化します。大切な車を長く使うためにも、少なくとも半年に1回はオイル交換をするようにしましょう。
オイルエレメントとは、エンジンオイルに混入した異物をろ過して取り除く役目を担う部品で、オイルフィルターとも呼ばれています。
オイルエレメントを汚れたままにしておくと、エンジンの性能低下や寿命を縮めるだけでなく、エンジンが破損して重大事故にも繋がりかねません。
オイル交換の2回に1回はオイルエレメントを交換するようにしましょう。
あらかじめチェックする項目を押さえておけばキャンピングカーの維持は難しくない!
様々なメンテナンスのチェック項目をご紹介しましたが、項目を押さえておけば、キャンピングカーという特殊な車両でも維持は難しくありません。
移動手段としての機能と居住空間としての機能を併せ持つキャンピングカー。メンテナンス項目を押さえておくことで、安全で楽しいキャンピングカー生活を送りましょう。