【トップウGP】は本当につまらないのか?バイク経験者からの感想

月刊アフタヌーンにて連載中の漫画「トップウGP」。

レビューを見る限り賛否両論分かれており、中には「つまらない」との声もありますし、「打ち切り」なども囁かれていました。しかし実際のところはどうなのでしょうか?

本記事では、実際にバイクレースを経験してきた筆者があらためてトップウGPを読んでみた感想や、この漫画のあらすじや登場人物、各巻の特徴などをご紹介していきます。

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目次

トップウGPの作者は名作「逮捕しちゃうぞ」で有名な藤島康介先生

トップウGPは、月刊アフタヌーンで2016年7月号から連載が開始され、2022年9月時点で10巻まで発売されています。

作者は「逮捕しちゃうぞ」「ああっ女神様」などの名作を生み出した藤島康介先生。

ゲーム「テイルズオブシリーズ」のキャラクターも手掛けてきた方で、その画力はお墨付きです。

また、藤島先生といえば従来の作品中にもバイクに関した話が頻繁に盛り込まれていたり、描かれている乗りものが超リアルに描かれているほど大のバイクや車好きで有名です。

ちなみに車も好きすぎて、

  • フェラーリ360モデナ
  • ケーターハム
  • アルファロメオ156
  • ロータス・エランS3

などを所有していた経歴もあります。

そんなバイク大好きな藤島先生が生み出したバイクレース漫画トップウGP。

実際藤島先生はレース経験があるわけではありませんが、大のバイク好き、そしてバイクのレースを世に広めたいという想いが強いみたいで、バイクの描写がかなりリアルに再現されています。

ちなみに今回トップウGPを描くにあたり、

が全面協力しています。

現実世界のバイクやサーキットなどを忠実に再現されているので、これはもうバイクやレース好きにはたまらない漫画であることは間違いないでしょう。

トップウGPのあらすじ

公式サイト上でのあらすじは、以下のようになっています。

藤島康介が圧倒的スケールで放つ、世界最速日本人ライダー伝説!
藤島康介がバイクレースの世界に挑む!
少しのミスが命さえも奪う過酷なトップスピードの世界に、少年・宇野突風(うの とっぷう)は魅せられていく!
圧倒的スケールで描かれる世界最速日本人ライダー伝説、満を持して開幕!!

月刊アフタヌーン公式サイト トップウGP

1巻の冒頭ではMOTOGPの最高峰クラスのグリッド上でのシーンから始まります。

主人公の宇野突風(うの とっぷう)は弱冠18歳でオートバイレースの最高峰MOTOGPのチャンピオンに手を届かせようとしています。

そして舞台は7年前。突風がレースを始めるシーンから物語が始まります。

トップウGPはつまらない?打ち切り?

さて、トップウGPSは本当につまらないのでしょうか。

結論から言うと、そんなことありません。控えめに言って面白いですし、2022年9月時点で連載も続いています。

ただ、つまらないと言う意見も全否定はできません。確かに1・2巻を読んでいて、そう思うのも無理ないなとも感じました。

バリバリ伝説のような青春的な物語が入っているわけでもなく、何度も何度も単調にレースが続いていくため、飽きを感じてしまうこともあると思いました。

また、反対にバイクレースを知っている人からすると、あまりにも現実からかけ離れたようにも見えなくもないです。

主人公の突風は真音の走る姿を見ているだけなのに、いきなりバイクに乗ったらすぐに順応してしまってもう冒頭から才能お化けを発揮。

しかし本人はどちらかというとやる気無しモードからのスタートで、いかにも令和の主人公という感じです。

これに適応できない読者はやはり「つまらない」「打ち切り」などの言葉が思い浮かぶのかもしれません。

とは言え、筆者はやはり面白いと思いました。

なぜなら、

  1. レース漫画で必要な臨場感が桁違いに高い
  2. バイクやライディングフォームがリアルに描かれている
  3. 根性論ではなく理論的に説明している

と思ったからです。

①レース漫画で必要な臨場感が桁違いに高い

レース漫画やシーンであるあるなのですが、漫画では実際に走っているシーンの描写は静止画での表現になりますので、作品によっては臨場感が感じにくいものも存在します。

しかしトップウGPは臨場感がかなり高いと思います。

例えば、

  • 路面が流れているような景色
  • 周りの景色が流れているような表現
  • 雨で水しぶきを巻き上げながら走行しているシーン
  • ウエイトを積んでバイクの遠心力が大きくなった表現

このあたりの表現力はさすがです。

これは作者である藤島先生の画力が桁違いに高いというのはもちろん、作者のバイク好きが伝わってきます。

②バイクやライディングフォームがリアルに描かれている

バイクやレース好きからすると漫画を読んでいたり絵を見ていたりした時に「あ、この作者さんは多分バイクに乗ったことないんだな」と思うことってありませんか。

しかしこの漫画の場合、バイクの車体やライダーのライディングフォームもかなりリアルに描かれていますので、良い意味で驚かされます。

③根性論ではなく理論的に説明している

バリバリ伝説は、主人公の天才的なライディングテクニックで「おりゃあ」という感じで表現されていることが多く、バイクの扱いは気合一発のイメージがありました。

しかし、トップウGPはどちらかというとバイクの扱いは理論中心+所々で根性を見せるような表現となっています。

主人公の突風も常に頭の中で考える頭脳派なイメージがありますので、もともとこれを見越して設定されているのかもしれません。

また、所々にバイクレースの専門用語の解説が書かれているため、レースがよくわからない人にも優しくできています。

トップウGPの主な登場人物

トップウGPで登場する魅力的なキャラクターをご紹介します。※10巻までの主要人物

宇野 突風(うの とっぷう)

この漫画の主人公で、冒頭から18歳という若さで最高峰クラスMOTO-GPのチャンピオン争いが紹介されています。

熱血少年というよりも常に冷静沈着な性格をしており、幼いながらもかなり頭が切れるようです。

一度見たものは全て記憶してしまうほどの記憶力の持ち主で、その才能をバイクレースでいかんなく発揮しています。

新井 真音(あらい まいん)

突風の家の隣に住んでいる2歳年上のお姉さん。見た目が可憐でこの漫画のヒロイン的位置付けだが、ライダーとしても常に突風の上をいく実力者。

筑波選手権でGP-3クラスにデビューを果たし、地本選手権ではいきなり優勝するほどの腕の持ち主。しかもバイクのセッティング能力や整備技術もかなりもので、欠点がまるで見当たりません。

幼い頃から突風と行動を共にしているため、突風の幼馴染とも言えます。

宇野 鉄平(うの てっぺい)

突風の父親で、元GPライダー。現在は小説家の仕事をしながら突風や真音のレース活動を支えている。

あえて突風にはノーマルのバイクでレースさせたり、不利な条件でも簡単に助言せず考えさせることで、陰ながら突風をレーサーとして育てている。

高台 吉哉(たかだい よしや)

関西から突風が通う学校に転校してきたライバル。

関西系のため口は悪いが子供らしさの面を見せれば、レースでは突風に負けてもチームのために笑顔を振りまくという大人っぽさを見せる一面も。

ちなみに愛用のヘルメットはOGKのRT-33。

石橋 大也(いしばし だいや)

新井真音の250ccクラスデビューレースでトップ争いをしたライダー。

前年度のチャンピオンだったが真音とレースするために全日本に昇格せずに地方選へと留まった。無意識なセクハラ発言がタマにキズ。

城下 逸美(ねごや いつみ)

突風の同級生で同じクラスの女の子。

突風に恋心を抱いてバイクレースに興味を持ち始め、突風のレースにはいつも応援にかけつけている。

出雲 ウィリアムズ(いづも ウィリアムズ)

突風の同級生でビリーと呼ばれる男の子。

バイクレースが好きで、突風のレースを一緒に観戦している城下さんの後押しで自身もバイクに乗り始めた。

スタートすらままならなかったが、持ち前の忍耐強い性格や突風や真音との練習の甲斐があり、少しずつバイクに乗れるようになってきた。

宇野 那々(うの なな)

突風の母親で鉄平の奥さん。

家では常に締め切りに追われてゾンビいつもゾンビ化しているため、仕事は鉄平と同じ小説家か漫画家、ライターといった仕事をしている?

石橋 梨華(いしばし りか)

石橋大也の妹で大也と共に筑波サーキットの耐久レースを走る。普段はかなり無口だがバイクに跨っているとかなり饒舌になる。結構毒舌?

腕前はかなりもので、耐久レースでは突風と名バトルを繰り広げる。ただし走行中にあれこれ考えすぎてコースアウトする場面もあるため、まだまだ荒削りな一面も。

枯楠 真留美(かれくす まるみ)

月刊オートバイの編集者で、筑波サーキットの耐久レースで光る走りを見せる突風に目を付ける。

突風に様々なインタビューを試みるも、予想とは違う反応が返ってくるため戸惑う一面を目せるが、高台と突風の熱い友情(!?)を感じて滾ることも。

城島 貴子(きじま たかこ)

中学2年生になった突風の同級生。突風に興味を持つものの、世界に進出してしまったため、城下とともに日本で応援する。

まつ毛が長くて美人という設定。

ローザマリア

MOTO3チーム「セルジオ」に所属する突風のチームメイト。

トップウGP各巻のストーリー

トップウGPコミック

トップウGPの単行本は現在(2022年9月時点)10巻まで販売されています。

ここで少し各巻のストーリーを簡単にご紹介していきます。

※ネタバレを含むのでご注意下さい。

トップウGP 1巻

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冒頭からMOTO-GP最終戦に挑む主人公宇野突風のシーンが紹介され、その後すぐにバイクレースを始めた7年前の幼少期に舞台が戻ります。

突風は真音のレースをスタンドから眺めているばかりの毎日でしたが、ある日突然鉄平(お父さん)が突風にバイクを用意し、レースに参戦させます。

一度見ただけで全て記憶する才能がある突風は、真音の走りを上から見ていたため、難なく乗りこなし、才能の片鱗を見せつけます。

また、突風の体重が軽いという言いがかりから7kgのウエイトを積んで決勝レースを走り、最初は苦戦するものの、重いバイクで速く走る方法を見つけ見事勝利。

そしてバイクレースの奥深さにはまっていき、そのままレース活動にどっぷり浸かっていくことに。

トップウGP 2巻

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冒頭で関西からの転校生である高台吉哉が現れ、舞台は次のレースへ。

高台は荒削りでムラがあるものの、ズバ抜けたライディングセンスで常に突風とトップ争いを展開。惜しくも敗れた突風は悔しいという気持ちを初めて抱くことに。

また、250ccクラスにステップアップした真音のデビューレースではライバルの石橋大也が現れ、最後のデッドヒートを繰り広げることに。

トップウGP 3巻

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高台に負けた突風はやっぱりレースに勝ちたいと強く思い立ち、真音とバイクの特訓をすることに。

そんな中、突風のレースを見て自分もバイクレースをしてみたいと決心した出雲ウィリアムズ(ビリー)も混ざり、3人でトレーニングの毎日を過ごすことになる。

そしていよいよ高台とのリベンジマッチをするものの、雨が降り始め……!

トップウGP 4巻

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雨のレースを制した突風がいつもと変わらず練習していると、身体が痛くなるという症状が出始める。

成長期の突風は身長が伸びてレーシングスーツが小さくなっていたため、急遽レースでは真音のつなぎを借りることに。

激しく動揺した突風は普段の調子が発揮できずにいたものの、徐々に落ち着き普段の走りを取り戻す!

トップウGP 5巻

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真音と高台と3人でチームを結成し、筑波サーキットの耐久レースに出場することになった突風。

ただ単に速く走るだけではなく、チームワークも必要とされるため、高台との中を深めるためになぜか一緒に過ごすことに。

そんな中始まった耐久レース。予選トップバッターの真音は余裕の1位で通過ほ果たします。

しかし2人目のライダーである高台が転倒してしまうアクシデントに見舞われ、突風が走る前にバイクはボロボロに。

しかしお父さん太刀が懸命に修理することで見事にバイクは復活。いよいよ予選最終グループの突風が走り出す。

トップウGP 6巻

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ポールポジションからスタートした突風チーム。灼熱の気温の中、懸命に走り続ける3人。

そんな中、高台はJSBクラスにも出場している経験を持つ日熊とのバトルでタイヤを使い切ってしまい、ピットインでタイヤを交換のために大きくタイムロスをすることに。

しかしボロボロのタイヤで走る突風はなんとか速く走ろうとするうちに新しい能力に目覚め始める。

そして耐久レースは終盤を迎えるも、雲行きが怪しくなっていき……!

トップウGP 7巻

雨が降りだした中、ドライになることを見越し、唯一ピットインせずドライタイヤのまま走り続ける高台。

戦略がはまったものの大きな差が付いたまま、最終走者の突風にバトンが渡る。

受け継いだ突風は追い上げを見せるものの、トップの石橋が築いたリードを縮めることができない。しかし予期せぬ事態が起こり……。

トップウGP 8巻

突風達と一緒に練習をしてきたビリーも参戦し、熱い走りのビリーに感化される突風と高台。二人のトップ争いが白熱していく。

そして250ccにステップアップすることになる突風。いよいよ真音と一緒にレースに出られると思いきや、真音は全日本にステップアップしてしまう。

そんな矢先、大きなアクシデントが……!

トップウGP 9巻

真音の事故をきっかけにMOTOGPチャンピオンになることを決心する突風。そして新人ライダーの登竜門で結果を残した突風は、いよいよMOTO3の舞台に。

所属するチームのバイクは癖があるものの、見事に乗りこなし、テストではトップタイムをマーク。いよいよ開幕戦へ。

トップウGP 10巻

いよいよ開幕したMOTO3。突風と共に上位グリッドからスタートするローザマリアだったが、まさかのアクシデントが発生。

そして開幕を終えた突風は次なる舞台アルゼンチンへ。

トップウGP最新巻は7ヶ月毎に販売される

トップウGPは月刊誌に連載されており、1巻に7話収録されていますので、最新刊が発売されるまで最低7ヶ月くらいはかかります。

※次の11巻は2022年冬発売予定とアナウンスされています。

バイク乗りにとってトップウGPは教科書になるかもしれない

トップウGPではところどころレースのライン取りやセッティングの解説など、レーサーが読んでも納得できる内容が描かれています。

そのため、サーキット走行に興味がある人や、バイクに乗っている人にとって教科書的な漫画であるとも言えるでしょう。

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この記事を書いた人

19歳から約10年間バイクレースをする/鈴鹿4時間耐久レースクラス優勝/全日本選手権フル参戦経験あり
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