海山両方が楽しめる房総半島のツーリングは、ネットや雑誌などでツーリングスポットを調べながらプランを立てるだけでもかなりわくわくしてきます。
房総半島のツーリングプランにぜひ入れていただきたいのが鵜原理想郷。
バイクは駐車場で一休みさせ、私たちライダーがハイキングコースを歩くという散歩形式となりますが、ここでしか味わえない景色を楽しむことができます。
マップでも入り口が分かりづらいところに位置していますが、大自然を満喫したい人やツーリングの途中で適度に身体を動かしたい人は、ぜひ一度立ち寄っていただきたいところです。
↓千葉県のおすすめツーリングスポットはYouTube動画で紹介しています。
鵜原理想郷へツーリングで向かうためのアクセス方法
外房線の鵜原駅から徒歩7分の位置にある鵜原理想郷へは、県道128号線から少し外れた狭い道を辿る必要があります。
バイクであれば問題なく辿り着けますが、死角が多く、土日や連休シーズンだと観光客がたくさん歩いていますので、くれぐれも気を付けてください。
鵜原理想郷の駐車場
鵜原理想郷の駐車場に行くには、Googleマップであれば『鵜原理想郷専用駐車場』と設定しましょう。
Googleマップ以外のナビであれば、駐車場近辺にある民宿旅館「岩田屋(勝浦市鵜原948)」と設定しましょう。
駐車場にはトイレも設置されています。理想郷のハイキングコース途中にもトイレは設置されていますが、駐車場からは距離がありますので、あらかじめここで済ましておく方が良いでしょう。
こちらの駐車場は車10台分ほどのスペースしか無く、混雑時にはバイクでも停められないことがあります。
そんな時は、『鵜原海岸公衆トイレ』を目指しましょう。
鵜原海岸沿いの鵜原海岸公衆トイレ周辺は、かなり広い駐車スペースがあります。
鵜原理想郷はどんなところ
理想郷という大層な名前が付けられていますが、これは大正末期に鉄道大臣秘書の後藤青年がこの一帯を別荘地にするという計画をしており「理想郷」と呼ばれたためだと言われています。
また、歌人『与謝野晶子』が何度も訪れ、76首もの歌を残した場所としても有名です。
他にも、2017年には縄文土器片が発見されたため、千葉県の遺跡リストに登録されています。
地形は典型的なリアス式海岸となっており、ヒヤリとするほどの断崖絶壁と永遠に続くほどの地平線が大きな特徴です。
ハイキングコースをぐるっと1周すると約2.3kmほど。坂が多いものの、高低差は30mほどですので、登山のように激しく体力が削られるというわけではありません。
ゆっくり景色を楽しみながら歩くと所要時間は1時間〜2時間程です。
所々足場が不安定なところもありますので、ライダーブーツのままだと歩きにくいかもしれません。
そんな時は無理せずハイキングコースを1周するのではなく、大海原を一望できる白鳳岬や毛戸岬、手弱女平に向かうのがおすすめです。
『鵜原理想郷ハイキングコース』を歩いてみた
実際に鵜原理想郷ハイキングコースを歩き、要所要所の目玉スポットを写真に収めましたのでご紹介していきます。
①鵜原館入り口
駐車場からすぐ右に入ったところが入り口となります。
この先は市有地となっており、車両で入ることはできません。間違ってもそのまま入らないようにしましょう。
②鵜原館へと続くトンネル
入り口からそう遠くない位置にトンネルがあります。
内部にはライトがありますが、足元があまり照らされていません。路面も綺麗に舗装されている訳ではありませんので、注意して歩きましょう。
③理想郷へと続くトンネル
1つ目のトンネルを過ぎると、右手に鵜原館が見えてきます。そこを通り過ぎると、再びトンネルを潜ることになります。
④遊歩道から見える海
初めは上り坂が多いため、普段デスクワークなどをしている人からすると少しきついと感じるかもしれません。水分は忘れずに持ち歩きましょう。
上り坂が続く遊歩道をしばらく歩くと、左手の木々の間から太平洋が顔を出します。
⑤『篠田悌二郎』句碑
手弱女平へ行く途中に日本の俳人『篠田悌二郎』の句碑があります。
句碑の下にある岩は、風化して不思議な形をしています。
⑥勝場港を一望できる丘
標高が高くなりますので、景色が開いたところに出ると海を望むことができます。うっかり崖に近付き過ぎると危険ですので、十分注意しましょう。
振り返ると勝場港を望めます。
⑦断崖絶壁
手弱女平の手前は、断崖絶壁を一望できるポイントに出ます。崖の方に歩いていくと、思わず足がすくんでしまうほど圧倒されます。
鵜原理想郷の中でも絶好の撮影ポイントで、この一帯はカメラマンやドローンで撮影している人がいます。
四阿もありますので、休憩ポイントにもぴったり。
⑧手弱女平(たおやめだいら)
手弱女平は岬が東に突き出ており、波打った岩肌が特徴的なポイントです。
『幸せの鐘』と呼ばれる鐘が付いたデザインベンチがあり、ここも撮影ポイントとして人気があります。元旦になると初日の出を拝みにやってくる人も多いんだとか。
岩肌はマーブル状の模様をしており、日の当たり方によって様々な顔を見せるのが面白いです。
⑨黄昏の丘へと続く道
手弱女平から少し戻り、分岐点をさらに奥に向かいます。
また少しアップダウンがある道を進んでいきます。下りの道で足を滑らせてしまわないように注意しましょう。
⑩黄昏の丘
しばらく歩くと、四方を見渡せる黄昏の丘に出ます。
夕方に訪れると、沈みかけた太陽の光が水平線に反射した美しい景色を眺めることができます。個人的には一番の撮影スポットだと思います。
⑪黄昏の丘の四阿
太平洋の水平線を眺めながら休憩できます。
そこそこ風がありますので、お弁当を食べる時は飛ばされないように気を付ける必要があります。
⑫大杉神社
最奥地に行くと、突如目の前に鳥居が現れます。
その先の階段を上がると、大杉神社の境内にたどり着きます。
大杉神社は約600年前に建てられ、海上安全・大漁祈願・水難除け・家内安全等の霊験があるとされています。
また、安政時代に奉納された鯨の頭骨が眠っているそうです。
境内はジメジメして少し不気味な雰囲気をしていますが、せっかくなので訪れておくと良いかもしれません。
⑬毛戸岬(けどみさき)
鵜原理想郷の中で最南端に位置する毛戸岬には、ヤブツバキの群生林があります。
冬から春にかけて赤い花が咲きます。
写真に収めることができませんでしたが、毛戸岬から200mほど進んだ先には白鳳岬(はくほうみさき)があります。
石切場と呼ばれる断崖絶壁がありますので、先端から先には行かないようにしましょう。
⑭ハイキングコース内のトイレ
ハイキングコース内には水洗トイレもあります。比較的新しくできたみたいで、清潔感があります。
⑮看板がある入り口
鵜原海岸川から理想郷へ行く際の入り口です。
こちらにある全体マップが一番見やすく、写真を撮っておくことをおすすめします。
⑯鵜原海岸へと続く道
トンネルを抜けると鵜原海岸へと続く道に出ます。
鵜原海岸は守谷海岸と共に日本の渚・百選に選ばれています。
自然好きであればツーリング先の候補にしてみては
今回ご紹介した鵜原理想郷は南房総国定公園の一部であるため、きちんと整備されているため、気持ち良く歩くことができます。
潮風が吹いていますので、歩いた後は身体がベタついてしまいますが、海と山の両方を楽しめるため、大自然が好きな人におすすめのスポットです。
近辺には民宿もたくさんありますので、この辺りを旅の中継点にするのも良いかもしれません。