全日本選手権の遠征時は2トントラックで移動していたのですが、実は鈴鹿から宮城県のスポーツランドSUGOへ行く途中にタイヤが3回バーストしました。
1度の走行中に3回もタイヤがバーストするなんて世の中でぼくたちだけじゃないかと思います。本当に運がいい。
そこで、遠征に車で行く方に向け、
- タイヤのバーストの危険
- タイヤがバーストした時はどうするのか
といったことを経験者の体験をもとにご紹介しますので、車で遠出する方(特に後ろにバイクを積んで移動する人)は出発前にぜひご一読を!
バーストはその名の通りタイヤが破裂すること
「バースト」とは文字通り高速走行中に突然タイヤが破裂し、走行不可能になってしまうことです。
外的衝撃(鋭利なものを踏む)も考えられますが、主な原因は空気圧の低下やタイヤの劣化によるものがほとんどとなっております。
タイヤがバーストするとかなりキケン
もしタイヤがバーストしたら…
フロントタイヤがバーストすると破裂した方向に必ずハンドルが取られてしまいます。
しかし急に曲がり込むわけではなく、引き寄せられるように徐々に曲がっていきます。
焦ってハンドルを切ったりせずに車線からはみ出さないようにしっかりとハンドルを固定しましょう。
一番怖いのは中央分離帯をはみ出して隣を走っている車に接触してしまうことなので、絶対に焦ってハンドルを切ってしまったりなど、パニックにならないようにしましょう。
後ろのタイヤだとハンドルが取られるということはありませんが、それでも走り続けるとどんどんホイールが痛み、最悪の場合はホイールを変形させてしまうことになります。
そうなってしまうとホイールが使えなくなってしまうため、バーストした際はすぐにパーキングエリアに行くことができないと思ったらすぐに路肩に車を停車させましょう。
もしも高速道路でバーストが発生した時に取るべき行動
高速道路でバーストが発生しても慌てなければ大丈夫です。
まず最初にとにかく落ち着くこと
1.減速し、路肩に止める
ゆっくりと減速していき、左の路側帯に寄せ車を停止させます。
減速する際にもハザードランプを点滅させ、いち早く後続車に異常を伝えましょう。
東名高速など、車線が広い道路だと走行車線から完全に離れることができますが、対面1車線や地方の高速道路だと走行車線にはみ出てしまうことがありますが、可能な限り寄せるようにしましょう。
2.まず避難する
高速道路で停車するということはかなり危険なことになるため、後続車に追突されないように速やかに
この時車外に出る時は必ず左側のドアから出ましょう。
3.後続車両に知らせる
ハザードランプを点滅させたまま、発煙筒や三角表示板といった停止表示器材を置きましょう。
※三角表示板は必ず設置しないといけません。
設置を忘れると道路交通法で違反することになってしまいます。
4.電話で管制センターに知らせる
110番もしくは道路上の非常電話(設置場所までの距離が遠ければ無理に行かないようにしましょう)、道路緊急ダイヤル(#9110)にて、停車場所をすぐに連絡しましょう。
伝えることは、
- 現在走行している高速道路の名前
- 上り線か下り線か
- キロポスト表示板の数字(車線の路肩に100メートルごとに設置してある数字の看板)
です。
連絡することによって高速道路の管制センターがすぐに現場の手前にある電光掲示板に「事故車あり」と表示し、後続車に危険を知らせることができます。
もちろんネットの渋滞情報にもすぐに反映されます。
それ以外に、バーストしたタイヤは破片などが道路上に散らばっていますので、後続車に接触してしまう恐れがあります。その破片処理も管理会社の人達がしてくれます。
高速道路では絶対に自分でタイヤ交換はしない
後続車の追突による二次災害が危険です。路肩にハンドルを左に切り車を停車させましょう。
そうすることにより、万が一後続車が追突しても、反動走行車線側に出てしまうことを防ぐことができます。
そのあとにレッカーサービスや、JAF(#8139)に連絡し、安全なところまでレッカーしてもらうようにしてください。
※レッカー代が高額になってしまっても加入している自動車保険のプランでレッカー代も保証してくれるところがほとんどだと思います。一度確認してみましょう。
間違っても自分で交換することはやめてください。かなり危険です。
バーストへの5つの備え
バーストは予防ができるトラブルです。日頃の点検と備えで十分に対策できます。
そこで、高速道路を走る前に以下の5
つのことを行いましょう。
1.空気圧は適正にする
空気圧が低いまま高速走行するとタイヤのゴム部分に大きな負担が掛かります
逆に多過ぎてもいけませんので、必ず適正値を守りましょう。
2.タイヤを目で見て確認する
タイヤ全体を見て割れや傷、鋭利なものが刺さっていないか、一部が変形していないかなどを目で見て確認してみましょう。
3.発炎筒や三角表示板を積んでいるか確認する
万が一発生した際にの用意もしておきたいですね。
特に三角表示板は、高速道路で停車した際には必ず設置しないといけませんが、車に積むこと自体は義務ではありません。
よって車に標準で装備されているわけではないため、ついうっかり用意することを忘れがちになります。
4.スペアタイヤの空気圧もチェックする
スペアタイヤを積んでいる車は、空気圧の確認を忘れずにしておきましょう。
5.もしもの時に備えJAFにも加入しておく
もしものトラブルに備えて、日本自動車連盟(JAF)のロードサービス会員に入会しておくこともおすすめします。
JAFは
- バッテリー上がり
- キー閉じこみ
- タイヤのパンク
などのトラブルに年中無休24時間いつでも対応してくれます。
☎︎:#8139でどこからでも電話一本で駆けつけてくれるのが大きな特徴です。
バーストには前兆がある
セパレーションといい、タイヤの一部が膨れて突起のように出てきます。そのまま高速道路を走っていると、スピードが乗るにつれハンドルがガタガタと小刻みに振動してきます。
さらにひどくなってくると音の発生する速度域がどんどん下がり、80キロ〜70キロのレンジでも発生するようになります。
そこまでくると、いよいよ危険な状態となります。すぐ最寄りインターで降り、近くのタイヤサービスに行きましょう。
タイヤのバーストといったトラブルは未然に防止することができるうえに、発生しても適切に対応することにより、無事に乗り越えることができます。
特にレースの遠征中に発生するとかなり萎えます。
しかもトラックではなく、ワゴン車の場合は荷物が大量に積まれているためタイヤにもかなり厳しくなるため、タイヤの確認は頻繁におこなうようにしましょう。
くれぐれも遠征時は安全運転でいきましょう。