レース

耐久レースのピットイン時、ライダーは何を言っているの?

真夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース」や「4時間耐久ロードレース」など、耐久レースはピットインのタイミングでライダー交代があります。

主に耐久レースは2人もしくは3人で交代して走り、バイクのタイヤ交換やガソリン補給をするために一度自分のピットに帰ってくることをピットインするといいます。

ピット→車両を整備したりする場所のこと。サーキットではチームの拠点となります。

その時にライダー(走っている人)も交代するのですが、この時間はライダーが唯一相方とコミュニケーションを取れる大事な時間。

そこで今回は鈴鹿4時間耐久ロードレースで、実際にぼくがおこなっていたやりとりの経験から、交代の少ない時間でライダーは相方にどのようなことを伝えているのかをご紹介します。

かなりマニアックな内容ですが、日常生活でも大事なことだなぁと気がついたので、レース知らない人にも読んでほしい!

ピットイン時に相方に伝えていた3つのこと

何かを伝えると言っても、時間にすると2、30秒しかないため、その中でも特に伝えたいことだけを厳選して短く伝えないといけません。

そこで、主に伝えていたことは、

1.コースの危険な箇所
2.タイヤの減り具合
3.ポジティブな言葉で締めくる

の3つになります。

順に詳しく説明しますね。

1.コースの危険な箇所

まずは走行して見つけた危険ポイントなど、もっとも重要なことを伝えます。

耐久レースとなると何時間も同じところを延々とぐるぐる周回しますが、時間とともにコースのコンディションも悪くなってきます。

なぜかというと、時間とともに車両トラブルやクラッシュのバイクが発生するため、徐々にコース上に砂利が落ちたり、オイルが落ちていたりと、コースが汚れてきます。

当然バイクはタイヤが2本しかついてない乗り物のため、少しの砂利で大転倒ということがありえます。

さらにコースのコンディションだけではなく、ライダー、バイクのコンディションもどんどん悪くなってくるため、走れば走るほど転倒のリスクは大きくなります。

そこで、このリスクを少しでも減らすためにコース上の情報をいかに的確に伝えることが大事になります。

最低限これだけ伝えることができれば問題ないというほど重要。

伝えるポイントは、「どこのコーナーのどっち側に何があるか」など、イメージしやすいキーワードを簡潔に伝えること。

場所」「部分」「どんな危険」を単語だけでも伝えられるとわかりやすいでしょう。

例えば、

「〇〇コーナーのイン側に砂利がある!」

これだけでパッとイメージすることもできます。

時間がない時は最悪コーナー名だけでも伝えるようにしています。それだけでもそのコーナーを走行する時に少し注意するようになるため効果があるといえるでしょう。

2012年に鈴鹿4時間耐久レースでクラス優勝した時は、相方さんの的確な情報のおかげで走りきれました。(それでも走行中ヒヤッとするシーンは何度ももありました…でもこのリスクを乗り切らないと耐久では勝てません!)

2.タイヤの減り具合

耐久レースの場合、1回の走行(1スティントという)で1時間近く走ります。そのためタイヤの状態はどんどん悪くなってきます。

特にタイヤ交換をしない耐久レースは交代して次に乗った時、ついタイヤがいい状態の感覚で乗ってしまい、つい忘れてしまい転倒してしまうこともあります。

そのため、タイヤのコンディション、グリップ感を伝えるようにしています。

ただ、乗る方はあくまで「気をつける」ということであり、必要以上に気構えて硬くならないように注意する必要があります。(ビビっちゃダメ!絶対!)

3.ポジティブな言葉で締めくる

最後はかっこよく締めの言葉で(プラス思考で)送り出しましょう。

ライダーは持ち上げてもらうと結構喜びます。

背中を叩いてあげるとさらにいいでしょう。

以上のことを意識していました。

いかに短時間に要点を伝えられるか

大事なのは、少ないことでもしっかり要点を伝えることができるかがポイントとなります。

的確な情報をしっかり伝達することで、グッと有利な方向に持っていけるはずです。

これ、日常生活で人に伝える時にも意外と重要なことではないでしょうか?

仕事や日常生活にも繋がることが多いのです。バイクレースって実は限りなく効率を求める競技だったりするため、

レースを観ても、ところどころで効率を考えたことが垣間見れたりするため、そういう観点で観戦してみても面白いのでないでしょうか?

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