サーキットバイク

MotoEとは?電動バイクレースのレギュレーション・レース情報をお届け

2019年から電動バイクの世界選手権「FIM MotoEワールドカップ」が開催されます。

近年自動車でも開催されている電動レース「フォーミュラE」のバイクバージョンといったところでしょうか?

いよいよ来年の開催に向け次々にレギュレーションが発表されているため開催が楽しみですよね。

そこで、これから復旧していくであろう電動バイクレースMotoEについてご紹介します。

※レース情報も随時更新中!

電動バイクレースMotoEとは?

出典:https://www.energicamotor.com

Moto-eとは、電動バイクでおこなうロードレース世界選手権のことです。2019年から主にヨーロッパで開催され、初めての電動バイクの世界選手権となります。

使用バイクはイタリアのEnergica(エネルジカ)

出典:https://www.energicamotor.com

Moto-eで使用するバイクはイタリアのEnergica Motor Company(エネルジカ・モーター・カンパニー)が販売する「Ego」というストリートバイクをレース用に改造して参戦することになります。初年度はこの車両のみのワンメイクレースになりますね。

そうなんです。ストリートバイクと言われているとおり、市販で販売されているバイクです。

値段は25400ユーロ(日本円で約340万円)となっています。

基本的なスペックは以下の通りとなります。

  • 出力約134馬力
  • 最大トルク20.4kgfm/0~5000rpm
  • 車体重量258㎏

こうやってみるとフルパワーの600ccのスーパースポーツよりちょっとパワーがあるという感じでしょうか?

MotoEのレギュレーション

2018年11月14日に国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が発表したレギュレーションは以下の通り。(2018年11月15日追記)

  • マシン 「Energica Ego Corsa」
  • バッテリー容量:約20Kwh
  • 最高出力:120Kw(約160馬力)
  • トップスピード:270km/h
  • ブレーキ:ブレンボ
  • サスペンション:オーリンズ
  • ホイール:マルケジーニ

基本的にバイクはワンメイクではあるが、スプリングなどのパーツに関してはライダーの要望に応じて選ぶことができます。

また、MotoEにはEパドックと呼ばれる専用の場所を設けられ、各チームにはボックスが用意されます。

MotoEの設備

充電についてはマシンごとにセミモバイルユニットとモバイルユニットで構成される「JuiceRoll(ジュース・ロール)」と呼ばれるモバイルチャージソリューソンが供給されます。

  • セミモバイルユニット・・・Eパドックに設置され、バイクの充電に使用されます。
  • モバイルユニット・・・グリッド上でのマシン充電をサポート※タイヤウォーマーの電源にも使用される

また、ソーラーパネルもMotoEで使用される電力を測定する装置「Smart Meters(スマート・メーター)」が内蔵されているもので、ソーラーパネルと統合するシステムを供給しています。

その結果MotoEは完全に電化されたレースとなります。

MotoEのタイヤレギュレーション

タイヤはミシュランのワンメイクとなり、供給されるのはフロントとリアでスリックとレイン共に1種類ずつとなり、供給されるタイヤ本数はは各ウィークで

  • スリック:フロント4本、リア5本
  • レイン:フロント3本、リア4本

となっています。

また、タイヤスペックは各サーキットによって変化する可能性があります。

MotoEにエントリーしているライダーはMotoGPに出られない

MotoGPの併載レースとして行われるMotoEに参戦しているライダーがMotoGPの各クラスにエントリーすることはできません。

当然逆のパターンも同じことが言えます。

他のサーキットでのテスト禁止

MotoEはどのレーシングサーキットにおいても電動バイクによるテストを行うことは禁止されています。

MotoEのスポンサー

MotoEのスポンサーは以下の通りとなります。

  • タイトルスポンサー:エネル
  • マシンサプライヤー:エネルジカ
  • データロガー:Dell’Orto(デロルト)
  • ロジティクス・パートナー:DHL
  • タイヤサプライヤー:ミシュラン
  • その他:Allianz(アリアンツ)

MotoEの最高速は?

市販車の状態で最高速が約250キロと言われており、現在レース用に開発している車両の最高速は270キロは出ます。

しかもモーター特有のトルクがあるため、停止状態から100km/hまでの加速がわずか3秒というスペックを持っています。

MotoE車両の重量は結構重い

ストリート仕様のEgoの重量は約258㎏だそうで、現在MotoEに向けて開発されてはいるものの、バッテリーの軽量化だけではなく、車体全体の大幅な軽量化が課題だそうです。

となるとまだ軽量化の余地はあるものの、レース車両で230〜240㎏の重さに収まるのかなと思います。

また、日本のST600(600ccバイクの市販車両ベース)の車両が数値的に近いのかな〜と考えてみると

ST600車両

120〜130馬力 重さ約160㎏

MotoE車両

出典:https://www.energicamotor.com

134馬力 重さ約250㎏

ST600車両に100㎏の重りを積んで走るイメージなのか?(モーターとエンジンだからトルクとかタイプが全然違うけど)…そう考えると結構なハンデを感じます。

MotoEで使うタイヤはミシュラン製

MotoEで使用するタイヤはMoto-GPと同じミシュランが供給するそうです。

ではMotoGP同じタイヤを使用するの?という疑問があると思いますが、全く別開発になるそうです。

なぜかというと、MotoEとMotoGPの車両は全くの別物です。例えばパワーと軽さを見比べると、

  • Moto-E

出典:https://www.energicamotor.com

パワー134馬力 重さ約250㎏

  • Moto-GP

出典:http://www.motogp.com

パワー250馬力 重さ約160㎏

この二つを見比べるだけでも全く違いますよね。さらにタイヤの耐久性だけを見てみると、重さに耐える耐久性加減速のGに耐える耐久性とでもタイヤの性格が大きく違います。

また、エネルギーを無駄にしないように転がり抵抗を少なくすることや、選手権自体のコンセプトがエコロジーに関するもののため、リサイクル素材を使用するともいわれています。

ライディングも大幅に変わってきそうですね。

MotoEのスケジュール

MotoGPのヨーロッパラウンドとの併載という形で年間5戦開催されます。

レースウィークのスケジュールは、

  • 金曜日・・・フリー走行1回目、2回目
  • 土曜日・・・予選
  • 日曜日・・・決勝はMoto3決勝前に行われる

また、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われる最終戦は2レース制となり、土曜日と日曜日にそれぞれ1レースを開催する予定となっています。

周回数は10周の予定で、参戦チームは現在12チームで18名のライダーが参戦しています。

主な開催スケジュール・開催場所は以下の通りとなっています。

  • 5/5 スペイン(ヘレス)
  • 5/19 フランス(ル・マン)
  • 6/7 ドイツ(ザクセンリンク)
  • 8/11 オーストリア(レッドブル・リンク)
  • 9/15 サンマリノ(ミサノ)

電動バイクで気になること

電動バイクというと従来のエンジンのバイクといくつか違う点があります。そこで浮かんだ疑問について考えてみましょう。

  1. レース後半になるとパワーが落ちる?
  2. モーターだから音はない?
  3. このバイクってギアチェンジないの?
  4. エンジンがないからエンジンブレーキは効かない?

1.電池がなくなってくるとパワーは落ちる?

Moto-eレースの周回数は10周と言われていますが、そもそもモーターって電池が無くなってくるとパワーが落ちてきますよね。

だからレース後半にパワーが無くなってしまうのかなという疑問が思い浮かびました。ガソリンだと燃料が減ってきてもパワーが落ちるという事なんて無いですからね。

周回数が10周となるとレース時間はおそらく20分〜30分くらいとなります。その間にピークパワーが持つバッテリーがしようされるでしょう。

しかし劇的に遅くなるという事は無いにしろ、多少のパワー不足はあるかもしれません。

2.音はない?

バイクレースを象徴する排気音がないとイマイチとなるかもしれませんよね。

全く音がないというわけではなく、映像でわかるようにモーター音の「キュイーン」という音はあります。


ただエンジン音がないため、逆にタイヤのスリップ音が聞こえたりと違う音が発見できそうで面白そうではありますね!

3.ギアチェンジはない

電動バイクはシフトチェンジすることはありません。アクセルを握るとそのままトップスピードまで加速していきます。

そのため、クラッチもなければシフトペダルもありません。

Moto-eで使われるEgoの写真を見てみるとやはりクラッチレバーとシフトペダルはありませんね。

ちなみに日本の「無限」という会社が開発したマン島レース用の電動バイクはスクーターのように、リアブレーキは左手のレバーでおこなうためステップには何も付いていません。

出典:https://response.jp/article/2014/10/30/236217.html

4.エンジンブレーキは?

エンジンがないということはもちろんエンジンブレーキもありません。

これがないと、特にMoto-e車両の場合、250㎏の車体が270キロのスピードから減速するとなった場合、前後のブレーキだけではなかなか止まることができないでしょう。

それにエンジンブレーキって減速やコーナーの侵入で重要な役割を果たすため、この機構に似たものは搭載されると思われます。

そのため、

  • 回生ブレーキ
  • 電磁ブレーキ

どちらかが付けられるのかなと思います。

ヘレスのテスト中、火災に巻き込まれ全台焼失するトラブル

引用

スペインにあるヘレス・サーキットで開幕に備えてテストが行われていましたが、2019年3月14日未明、何とMotoEマシンが閉まっていた倉庫で火災が発生し、テストに持ち込まれていた18台のバイク全てが焼失しました。

写真によると、MotoEパドック全体が火災に見舞われたみたいで、バイクのみならず、機材などまるまる一式燃えてしまったそうです…

開幕戦は現地ヘレスでのレースでしたが、もちろんキャンセルされましたが、新しいバイクの製造がすぐにされ、開幕戦はキャンセルでしたが、MotoE自体の中止とまではなりませんでした。

開幕は7月5日〜7日にかけてのドイツ・ザクセンリンクに変更されました。

改訂後のスケジュール

改訂後のスケジュールが発表されましたのでご紹介します。

ラウンド 日程 開催地
第1戦 7/5~7 ザクセンリンク(ドイツ)
第2戦 8/9~11 レッドブルリンク(オーストリア)
第3・4戦 9/13~15 ミサノ(イタリア)
第5・6戦 11/15~17 バレンシア(スペイン)

 

2019年7月7日開幕戦ドイツGPは無事開幕

ヘレスでのテストで火災に見舞われ、大幅なスケジュール変更となったMOTO-Eですが、7月7日のドイツのザクセンリンクで行われたMOTO-GP第9戦の併催レースとして無事開幕戦が行われました。

開幕戦はウエットパッチが残理、ウエット宣言が出された1周減算の7周(本来は8周)で行われました。

6周目にR・サバドーリ(トレンティーノ・グレシーニMotoE)が転倒し、バイクがフェンスに埋まってそのまま赤でレースが終わり、5周時点でトップを走っていたニキ・トゥーリが見事ポールトゥ・ウィンという形で開幕戦の優勝者となりました。

  • ドイツGPリザルト
Pos No. Rider Team Gap
1 66 N.トゥーリ アジョ MotoE 7’27.86
2 38 B.スミス ワン・エナジー・レーシング 0.442
3 63 M.ディ・メリオ EG 0,0・マークVDS 0.567
4 4 H.ガルソ テック3・Eレーシング 0.991
5 11 M.フェラーリ トレンティーノ・グレシーニMotoE 2.095
6 5 A.デ・アンジェリス アルマ・プラマック・レーシング 4.048
7 10 X.シメオン アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング 4.304
8 51 E.グラナド アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング 8.118
9 15 S.ジベルナウ ジョイン・コントラクト・ポンス40 9.254
10 18 N.テロル オープンバンク・アンヘル・ニエト・チーム 9.414
11 27 M.カサデイ オンジェッタ・SIC58・スクアドラ・コルセ 9.557
12 7 N.カネパ LCR Eチーム 9.674
13 2 J.ラフィン ダイナボルト・インタクトGP 9.828
14 78 K.フォーレイ テック3・Eレーシング 10.137
15 16 J.フック アルマ・プラマック・レーシング 11.157
16 6 M.エレーラ アンヘル・ニエト・チーム 18.192
17 14 R.ド・プニエ LCR Eチーム 24.808
18 32 L.サバドーリ トレンティーノ・グレシーニMotoE 1Lap

まとめ

MotoEのレースは使用されるバイクも従来のエンジンバイクと大きくキャラクターが違うため、ライディングも大幅に変化することが予想されます。

エントリーしているライダーも世界レベルだけあるため、一体どのような乗り方を見せてくれるのか楽しみですよね。

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